奇天烈トロッコ
〜至高のナロー軌道43選〜
青森恒憲 著

Chapter-2 明延鉱山 明延鉱業所-1

今般は2度に渡って1円電車の愛称で知られる兵庫県の明延鉱山をお届けいたします。
1円電車という名は乗車賃に由来します。
明延では鉱石運搬列車の合間に人員輸送用の人車列車が運行されていました。
これを利用の際には「鉱山関係者は1円、その他の者は10円を徴収」という規定があり、昭和40年代半ばにも「1円で乗れる電車!」としてマスコミが報道したことが発端です。
これがウケてしまい、大勢の見物客が押し寄せました。
当初は鉱山側も好意的に対応していたのですが、次第にエスカレートしたことから安全確保のために立入と乗車を禁止にしたそうです。
そんな騒ぎから数年後の冬、昭和53年2月にボクは初めて明延を訪れました。
山陰本線の八鹿駅から全但バスに乗ったのですが、所要時間や料金などは全く覚えていません。
ただ、出発前に八鹿駅に電話をし、バスの時刻を確認したという記憶は残っています。
明延の町から鉱業所までは少し距離があったような気がします。
入口に守衛所みたいな構えはなく、敷地内に入っても事務所らしき建屋がわからぬまま軌道敷にたどり着きました。
結局は無許可のまま撮影を続けたのですが、咎められるどころか現場の皆さんはどなたも優しかったです。
人車は「乗車禁止」と聞いていたので「乗せてほしい」とも言い出せぬままこの日は退散しました。
数日後、和田山駅の待合室で仮眠していた時にある鉄チャンと知り合いました。
その方は確か埼玉から来ていたと思います。意気投合し、その日は一緒にDD54を撮っていました。
何かのはずみで明延の話題になり、「問題なく乗れますよ」と聞いてビックリ。
ならばスグに行ってみようということになって新井駅からバスで神子畑へ到着。
大きな選鉱所がありましたが、ここも立入を妨げられるような雰囲気がありません。
人車には運転士さんに会釈程度で乗れました。
のんびりした、いい時代でしたね。



1978.2



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