キット組立講座


標茶の酒井製8tDL


かつて当社では泰和製ロータリー式8.5tDLを発売しましたが、これは1962〜3年に歌登・問寒別・浜中・別海・標茶の各軌道に導入されました。
 今回の大型スノープロウ付きDLは、標茶に於いてロータリーDLが導入されるまで活躍していた機関車で1953年製です。
 開業の1954年から使用が開始されましたが、晩年には巨大なスノープロウが前面に装備され、除雪専用機関車となりました。
 まるでリオグランデのK-27のようなプロウは精悍で、見た者に強烈な印象を与えます。
 そんな「標茶の酒井製8tDL」の魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。
 なお、この組立説明は基本的に「冬姿」を表していますが、部分的に「夏姿」の写真も使用しております。



第1回
1.まず、ボンネットにラジエターを半田付けします。これは「夏姿」の写真ですが、この部分に段差があると冬姿ですと大して目立ちませんが、特に夏姿の場合は目立つので、表側からも半田を流してヤスリで平らに仕上げておきましょう。



2.ボンネットに小さなパーツを半田付けしていきます。8個もあるテスリの高さを揃えるのは意外と大変ですが、写真のように角材を治具として使えば、落ち着いて半田付けが出来ます。
 砂箱のヒンジ部分は内側になるように留意しましょう。

 


3.キャブの組み立てです。まず、前妻板に窓枠を半田付けしてからヒサシを半田付け、後妻板には窓枠を半田付けしてからヘッドライトケースを半田付けします。
 ドアーはまず上下の板を半田付けしてから横をツライチに仕上げ、それから左右の板を半田付けします。
 ハンドルを半田付けしたら裏側をツライチに仕上げておきます。



4.これらを側板と組み合わせて半田付けしますが、前後の妻板を半田付けしたら雨樋を半田付けして、ドアーを後ろのギリギリにセットして側板の裾部分で素早く半田付けします。
 キャブの半田付けが終わったら、後方の窓を瞬間接着剤で止めます。折角別パーツになっているのですから、夏姿の場合は開けてみるのも良いでしょう。
 夏姿の場合はボンネットとキャブを組み合わせて半田付けしますが、冬姿の場合には半田付けしません。

 


第2回
1.下まわりの工作は、まず台枠の組み立てからです。
 台枠に軸箱をはめ込んで半田付けしたら、裏側を綺麗に仕上げておきます。また、今後エンドビームや床板を半田付けしますので、その部分は綺麗に磨いておき、半田が流れやすくなるようにしておきましょう。


2.エンドビームを組み合わせて箱状にしますが、万力で固定するなどして落ち着いて半田付けし、歪みのないようにしましょう。
 これに前後の床板を半田付けします。

 

3.ここから暫くは冬姿の専用説明となります。夏姿の場合は6番に飛んで下さい。
 プロウ固定枠を台枠のステップに嵌めて半田付けしますが、この部分は良く磨いて半田が流れるようにしておきます。


4.これにプロウを組み合わせて半田付けしますが、一見綺麗に見えても細かいイボが付いている場合がありますので、見えてしまう内側も含めてサンドペーパーで肌を綺麗に仕上げておきましょう。
 プロウ固定枠のスリットに差し込むようにして、その部分を半田で固定します。

 

5.アームの両端の平らに潰してある部分を現物合わせでヘの字に曲げ、固定枠とプロウにフィットするようにしておきます。
 これらを半田付けしますが、真ん中のアームは後方が水平になるように留意しましょう。

 

6.台枠の後方にはドアーレールを半田付けしておきます。
 ギヤーフレームは歪みの無いように組み立てますが、前方のスペーサー板は板厚分だけ上に出るように留意します。また、下側はギヤーフレームの下辺が光るまでヤスっておきます。

 

第3回
1.塗装作業に入ります。総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、プロウ部分はMWC-03 クリームで塗ってからMWC-15 赤で塗ります。
 これが乾いたら、プロウの前面と上の板厚部分をマスキングしてMWC-11 ライトグリーンで全体を塗ります。
 ボンネットやキャブも同様にWMC-11 ライトグリーンで塗り、ギヤーフレーム関連だけはMWC-02 黒で塗ります。


2.ヘッドライトケースはプラカラーで黒く塗り、内側を銀色で塗っておき、リムとレンズを接着します。
 ラジエターをプラカラーの黒で塗ってからラジエターの保護枠を接着します。また排気管も黒く塗っておきましょう。
 全体を好みでMWC-10 フラットベースを加えたMWC-09 クリヤーでオーバーコートして艶を整え、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧しておきます。
 その後にプラ板で切り出した窓ガラスを接着します。

 

3.ボンネットの内側にウェイトを接着しますが、夏姿は2個、冬姿は後方に1個です。


4.ギヤーフレームの軸箱が入るUの字型の部分はカッターで塗装を剥がし、図に従ってアイドラーギヤーを組み込みます。
 モーター軸の先には木工用瞬間接着剤を少量塗り、ウォームギヤーを写真の深さに差し込んで固定します。

 

5.台枠に集電ブラシを図のように1.4x2mmビスで止めます。
 集電ブラシの両端を若干広げておき、ギヤーフレームを1.4x1.4mmビス3本で床板に止めます。
 そのあとで動輪を組み込みますが、幅広のギヤーが付いている動輪を前にセットし、軸箱の向きを調整して車輪が上下にスイングする向きにします。
 そして1.4x2mmビスで動輪押さえ板を止めます。

 

6.集電シューには配線コードを半分に切っておいたものを半田付けし、モーターを1.4x2mmビスで床板に止め(モーターの+端子は右側)、モーターのラグ板に配線します。
 夏姿の場合は、ボンネットとキャブが一体になったものを1.4x3mmビスで固定して出来上がりです。
 冬姿の場合は、一旦モーターを止めていたビスを緩めてから、ボンネットを1.4x3mmビスで止め、それからモーターを元のように固定します。
 最後にキャブをボンネットの上部のベロ部分、ボンネットの裾の部分にゴム系接着剤で止めて出来上がりです。

 








「標茶の酒井製8tDL」製品の御案内

「MWカラー」の御案内