簡易軌道シリーズ 泰和製ロータリー式8.5tDLU 「浜中のロータリーDL」として17年前に少数販売した製品がリニューアルして出来上がりました。 基本的な寸法は実車の図面が手元にあるので前回同様ですが、ディテール面は今風に大幅に見直され、機構的には集電効果を上げるなどして、質の向上に努めました。 簡易軌道の近代化の一翼を担って登場したこの除雪機は、スタンダードなものとして各線区に配備されましたので、道東の丘陵地帯の風景にも、また道北の山深い風景にも良く似合うのではないでしょうか? そんな泰和製ロータリー式8.5tDLUの魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。 第1回 1.まずはロータリーヘッド部分の組み立てから始めます。最初に前枠に三角カバーを半田付けしますが、枠に対して直角になるように留意しましょう。 その後でローターカバーを半田付けします。後部の凹んだ部分が水平になるように留意します。 このようなロストワックス同士の半田付けをする際には、半田を流す部分をワイヤーブラシなどで磨いておくと、半田が流れやすくなるでしょう。 2.これに後枠を半田付けします。前から見て左側は三角板に沿うようにして、右側はそれなりに。前枠と並行になるよう留意しましょう。 3.最後にローターを前から差し込んで後側に出っ張った部分で半田付けをします。そして後枠の上部にステーを半田付けします。 4.半田付けはこれでオシマイですが、塗装後に接着する雪掻ローターの加工をしておきます。前から見て左側の穴にローターの一方を奥まで差し込んで、右側の穴に入るような長さにヤスって調整しておきます。 塗装後はこの方法で組み込み、僅かに右にズラして固定しますので。 5.仮に雪掻ローターを差し込んでありますが、これが出来上がったロータリーヘッド部分です。 第2回 1.上まわりの組み立てです。まずボンネットにラジエターグリルを裾合わせで半田付けします。そのあとに細かいパーツを半田付けしていきます。ボンネットハッチは仮に載せてみて歪みが無いように指先で修正してから半田付けをしますが、シッカリと半田を流して隙間が空かないように留意しましょう。テスリは真ん中の支えを半田付けしてから、それを高さガイドにするようにしてコの字型のテスリを半田付けします。 2.キャブは側板に前と後ろの妻板をまず半田付けしてから、上下取付板を半田付けします。その後で細かいパーツを半田付けしていきますが、窓枠は塗装後に接着するので半田付けはしません。 そしてボンネットをキャブに組み合わせて半田付けします。 3.最後に先ほど組み立てておいたロータリーヘッドを半田付けします。最初に半田付けをしたローターカバーの回転方向の誤差によっては、キャブ妻板に付けた連結ピンが上手く入らない場合が考えられますが、その場合にはピンの先の出っ張りを削り取ってしまっても構いません。それよりもロータリーヘッドの水平度を出すように注意しましょう。 第3回 1.下まわりの組み立てです。まずエンドビームにカプラーを半田付けします。 床板はプレスの反りがないかを確認して、反りがあるようでしたら指先で修正しておきます。バリがある面を下側にセットして、エンドビームを半田付けしますが、上から見た時にエンドビームの板厚が見える向きで半田付けします。 このエンドビームに突き当てるようにして縁板を半田付けします。これもまた上から見た時に縁板の板厚が見える向きで半田付けします。 2.次にステップを縁板に沿わすように半田付けしますが、それぞれ床板のエンド部に半田付けします。その後で握り棒を半田付けします。 3.床板の上には大きなウェイトを2x12mm皿ビスで止め、下側の小さなウェイトはバリを綺麗にしておき、別途黒く塗装後に1.4x6mmビスで止めます。 床板にはイコライザーピンをネジ込みますが、エッチングヌキパーツのワッシャを1枚間に挟むと高さ的には良いでしょうが、これは最終的に組み上げた時に調整します。 4.台枠は左右共に写真で赤く塗った部分を斜めに削っておいて下さい。 ギヤーフレームは歪みが無いようにシッカリ組み立てます。これで配線以外の半田付けはオシマイです。 第4回 1.総ての部品をMWC-53 MWプライマーで塗ってから、床板や雪掻ローターを含む上まわりをMWC-11 ライトグリーンで、その他をMWC-02 黒で塗ります。雪掻ローターは先にクリップの付いた塗装補助具で咥えてやると、作業がしやすいでしょう。 2.乾燥したらマスキングをして、ロータリーヘッドの内側と雪掻ローターをMWC-15 赤で塗ります。ロータリーヘッドは複雑な形をしていますので、マスキング作業は入念に行いましょう。 3.赤を塗り終えたところです。ヘッドの前側の板厚部分は赤くなります。雪掻ローターを両端にゼリー状瞬間接着剤を少量付けて接着します。 ヘッドライトカバーの内側に銀色を塗り、Hゴムに黒を塗り、サッシ窓をゴム系で接着します。 ヘッドライトリムとレンズをエポキシ系で接着してから、MWC-10 フラットベースを僅かに加えたMWC-09 クリヤーで艶を整えたあと、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧をします。ヘッドライトレンズにクリヤーのプラカラーを差しておくと、グッと引き立つでしょう。 窓ガラスをプラ板で貼ったら、妻面の窓の内側には旋回窓を接着します。 4.集電ブラシには半分にカットした配線コードを凸側に半田付けしてから、写真のように集電ブラシの長いアームの方にセロハンテープを巻いて、余分な長さをカットします。 ギヤーフレームにアイドラーギヤーや動輪などを組み込みますが、アイドラーギヤー側でない方の動輪はギヤーの薄い方を使います。動輪押さえ板は1.4x2mm小頭ビスで止めます。 モーターにはウォームギヤーをゼリー状瞬間接着剤で止めますが、差し込み具合は軸受から2mmの隙間が出来る程度にしておいて下さい。 5.従輪を組み込みながら1.4x2mm小頭ビスで従輪枠を止めます。ギヤーフレームの床下ウェイト側は1.4x1.4mmビスで止め、モーターは1.4x2mm小頭ビスで止めます。 モーターはラベルがロータリーヘッド側になるようにセットしますが、その時に+側が写真の手前側にある事を確認しておいて下さい。 台枠はエンジン側を1.4x2mm大頭で止め、ロータリーヘッド側は1.4x4mmビスでボディー共々止めます。ラジエター下は1.4x2mm大頭ビスで止めて出来上がりです。 |