KMCのDCC講習会


5月8〜9日に予定されている王滝村での公開運転会に向けて、新しいシステムの導入に伴う講習会が4月18日に中野の「カルタゴサロン」で催されました。新しいシステムというのは、今まで使っていたKATOのD101によるDCC運転が、KMCのような大型のエンドレスで運転するクラブレイアウトに向いていないということが判明したので、Lenzのそれに置き換える必要性が出てきたためです。そこでもりこーも早速LenzのSet90を輸入元のクマタ貿易から購入して参加。Set90というのは手元で運転するキャブLH90と、コマンド・パワーの両ステーションが一体になったLZV100がセットになったもので、いわゆるスターターセットです。講師は新しくメンバーになった「どんぐり」さん。彼はLenzのシステムに精通しているために白羽の矢が立ち、DCC研究部員のメンバーが集まり催されました。
 その問題点というのをもう一度おさらいをしてみますと、下記のようになります。

1.大型のエンドレスで運転していると、キャブ・コマンドステーション・パワーステーションが一
 体になったD101では、据え置きになってしまうので走行している車輛がどのような状況になって
 いるかが把握できない。
2.ひとつのエンドレス上で複数の列車を運転することは理論上はD101一台でも可能だが、やはり
 複数のD101を使って各々の列車をコントロールする必要がある。
3.そのためにはD101を増設することが可能だが、上記のようにキャブ・コマンドステーション・
 パワーステーションが一体になっているため、ひとつのエンドレスにひとつのコマンドステーシ
 ョンという鉄則から逸脱することになり、コントロール回路が複雑になってしまう。
4.以上のことからD101は個人で楽しむ場合には、扱いが簡便なことから最適と思われるが、当ク
 ラブのような場合には、Lenzのシステムの方が向いていることが判明。
5.その違いはD101がステレオで例えるならば「ミニコンポ」のようなもので、それ単体で楽しむ
 場合には良いのだが、システムの変更をしようする場合には向いていない。それに対してLenzの
 システムは「コンポ」のようなもので、アンプを交換してもCDプレーヤーを交換しても不都合
 が生じない。といったところでしょうか?

さてさて、どうなることやら。


 

テーブルの上に小さなエンドレスを二つ用意して、ひとつはD101用、もうひとつはLenz用にセッティング。公開運転会が間近に迫っていることから、メンバーがD101で各自設定してきた車載デコーダーが、Lenzのシステムでコントロール出来るか、というのが最大チェック項目でした。本来ならば全く問題は無いはずなのですが、ここで思わぬ事態に遭遇してしまいました。その問題点とは・・・。

 

持ち込んだLenzのキャブはLH200とLH90の2種類。LH90はLH200の改良版でポイント切替機能が追加されたものです。もりこーは自宅のD101で122番に設定したキャブフォワードと136に設定したボギーDLを持ち込んでテスト。当然のことながら、D101を繋いだエンドレス上では正常に機能しましたが、LenzのLH90を繋いだ線路上ではウンともスンとも言わない。?????LH90の個体が故障しているのか?ということでLH200を繋いでみると大丈夫。何でだろう・・・と試行錯誤しているうち、おぼろげに判ったことは、LH90の場合はポイント切替のためのアドレスが、この番号帯に割り当てられているのではないか?ということ。ここいら辺は日本語の説明書が無いと正確な事は判らないのですが、実はクマタ貿易で買ったSet90にはそれがなく(翻訳中とのこと。「どんぐり」さんが昨年7月に購入した時から既に9ケ月も経っているのに、まだ翻訳中とはいかに)、英語とドイツ語が混じった説明書を見ても、それらしき記載が見当たらない。「どんぐり」さんはそれを、「至れり尽くせりの日本の製品に慣れてしまうと外国の製品のは不親切な印象ですよね。 それも、どんぐりには魅力に感じたりします。自分で解決していく達成感と、製品自体の完成度の高さに満足できるはず」と言っておられましたが、僕はそうは思わないなあ。使い方が判る説明書を、発売するまでに供給会社が用意するのは当然の義務だと思うし、それが無ければいくら魅力ある製品でも、使いこなせないんじゃあないかなあ、と。
 実はもうひとつ問題点が浮上しました。テスターで測ってみるとD101の線路上の定格電圧は14〜15V(変えられない)ですが、Lenzの出荷時の電圧は16V。通常の日本製鉄道模型の大多数の適正電圧が12Vなのに、D101が14〜15Vというのも問題なのですが、16Vはもっと問題。但しLenzの場合は電圧を変えられるので(クマタ貿易いわく「殆ど使い方が同じ」ということで一緒に送られてきたSet02の日本語説明書には、LV101の電圧の変え方は書かれていますが、Set90のLZV100については書かれていない。しかもLV101の場合は箱を開けて調整するのに、Set90の場合はLH90から変えるようになっているらしいので、これまた難解)、クラブの定格電圧はどこに設定するか?ということが問題になりました。本来ならば12Vにしたいところですが、クラブ内で普及しているD101でデコーダーや各種の設定を自宅でして参加する会員のことを考えて、D101に揃えましょう、ということになりました。そうしないと電球が切れ易くなったり弊害が考えられるからです。
 それにしても、世界統一規格を謳っているDCCでも、一筋縄では行かないんですね。