酒井製8tボギーDL


いよいよ皆さんお待ちかねの「酒井製8tボギーDL」が1月にリリースされます。模型製品について語る前に、プロトタイプについておさらいをしておきましょう。




木曽のNo.113
木曽のNo113は長野局発注車で製造は昭和30年8月製の製番6144。王滝森林鉄道廃止以後は残念ながら解体されてしまいました。

木曽のNo.125&秋田のD-29
木曽のNo125は秋田営林局早口営林署から昭和34年7月に移管されてきたNo.113と同形機。製造は昭和30年5月で製番は6131。エンジンはDA57Sで110hp。旧番は秋田営林局のD28になります。また、現在仁別博物館に保存されている秋田営林局のD29は能代営林署所属、昭和30年5月製で製番6127。昭和39年11月に廃車になり博物館入りしました。恐らく仁鮒と二ツ井間の連絡用に最後は使用されていたのではないかと思われます。JTB発行の「全国森林鉄道」P40に写っているのはD29です。この他に秋田営林局にはD25、D26という8tボギー機がいましたので、計4輌いたことになります。ただし、D25とD26はともに七座営林署(のちの合川営林署)所属のF3型機で、木曾のNo121と同形のカプラーポケットが台車に付いたタイプで、この写真は「全国森林鉄道」のP41にあります。この機も七座と二ツ井の連絡用に使用されていたのではないかと思います。秋田営林局内における転属はありません。

魚梁瀬のL-115
高知局には2輌の8tボギーDLがいました。1輌はF5型のL-115でDA57・110hpエンジン付き、昭和30月8月製造、もう1輌はF32型のL-119で昭和31年8月製造のエンジンはUD4・150hp付きです。L-119は木曽のNo.136(10tボギーDL)と同じように乗務員扉は引き戸、側面の窓配置も同一です。因みにネコパブリッシング発行の「魚梁瀬森林鉄道」の表紙に写っている機関車は、向かって左がL-119、右がL-115です。ここの8tボギーDLの特徴は、カプラーの下に砂撒作業員が乗るステップが追加されていることと、屋根上に2連のタイフォンが装備されていることです。



模型製品について
製品ではこれら3種類のプロトタイプを極力再現することに努めました。一例を挙げるならば、木曽のNo.113は比較的大人しいスタイルをしていますが、乗務員扉の窓に肘掛用テスリが追加されています。木曽のNo.125&秋田のD-29は点検扉の開き方が他の2タイプと異なるなど、エッチングパターンから変えて対応しました。また、魚梁瀬のL-115は特徴的なステップやタイフォンを装着した物々しいスタイルが特徴です。

また動力機構は「酒井製10tボギーDL」を踏襲した2モーターを搭載して、箱型車体の有利性を発揮して充分なウエイトを積みました。また、今回は小型のモーターを使うことにより、より急カーブの通過を容易にし(最小通過曲線は250R)、動輪はご好評の可動式軸箱を採用した3点支持を採用。これにより強力な牽引力と安定した走行性能を併せ持つ強力機に仕立て上げました。

トータルキット各\27000 未塗装キット各\54000
塗装済完成品各\67500(デコーダー搭載の場合は\72500)



製品では形態を重視するために朝顔カプラー対応になっていますが、他社製品と連結させるためにはその車輌に別売の「朝顔カプラー(木曽用)」と「朝顔カプラー用ピン」「朝顔カプラー用リンク」を取り付ける必要があります。その場合には製品と一緒に御予約ください。
 なお、木曽および秋田タイプには短いリンクが、魚梁瀬タイプには長いリンクが付属しています。

朝顔カプラー(木曽用)\480(2個入) 朝顔カプラー用ピン\450(10本入) 朝顔カプラー用リンク\400





新規のロスト部品も次々と出来上がってきました。(2007.11.18)



御予約を頂いた方には誠に申し訳ございませんが、年内のトータルキットの出荷は無理となってしまいました。下請工場も正月休み返上で作業をしますので、1月中旬には出荷できると思います。いま暫くお待ち願います。なお、残りは3車種各々11両となりました。(2007.12.21)


この製品は総て御予約完売となりました。有難うございました。(2008.01.02)



「酒井製8tボギーDL」キット組立講座