Photo: Hidemi Nakamura 昨年発表し、世の林鉄ファンをアッと言わせた伝説の「キャブフォワード」が、更にシリーズアップして再登場です。 今回は、昨年の122・130・135号機に加えて、128・133号機を発売。ディテールの違いが判る貴方にこそお求め頂きたい製品です。 では、この製品の開発コンセプトをおさらいしておきましょう。 DBTの完成型を目指した製品 1)マシマ製モーターをボンネット内に収めて、キャブインテリアを可能な限り充実させました。 2)それによってウエイトを腰高の床下に置き、不足になりがちな重量配分を補いました。 3)特に122号機はハンドブレーキの違いや床下死重まで再現致しました。 4)特徴ある正面の「湘南フェイス」は、鼻筋をくっきりと出すためにロストワックス製としました。 5)この正面には、号機によるディテールの違いを表現するとともに、鼻筋を出し易いように、極力 ディテールは後付けと致しました。 6)台枠の表現は、エッチング加工されたプレス板に、各種の立体感あふれるロストワックスを半田 付けしていく方法を採用。 7)これにより、メリハリの効いた足回りが再現しました。 8)キャブとボンネットとはビス止めによって組み合わせるようにして、塗り分けの労力を極力省け るように致しました。 それでは、模型化外観図を御覧にいれ、それぞれの特徴を御説明致しましょう。 122号機:何といってもトップナンバーですから、試作的要素が強いです。正面窓のハの字に傾いた感じ、その下の手摺もヘの字になっています。タイフォンやヘッドライトもヒサシの上に装着されています。ハンドブレーキハンドルは枕木に平行していますし、テールライトが床板上にあります。キャブ側面の2本のリブがこの号機だけは在りません。後ろに回ってみると大きなラジエターグリルが8段。台枠後部に死重が装着されています。キャブ屋根上とボンネット上面がグレーに塗られています。 128号機:今回新しくラインナップに加わった号機です。122号機と同じように、タイフォンやヘッドライトはヒサシの上に装着されていますが、正面窓がハの字になっていない分だけ素直な表情になっています。素直といえば、キャブ後妻面にはタイフォンも無く、比較的あっさりとしたディテールです。それだけに却って、原設計に忠実なスタイルであるとも云え、飽きの来ない姿をしています。122号機とともに、この2輌だけはテールライトが床板上に装着されます。銘板は122号機よりぐっと下の位置にずらされました。 130号機:タイフォンやヘッドライトはヒサシの下に移転しましたし、ハンドブレーキハンドルも90度回転しました。テールライトはエンドビームに埋め込まれました。キャブ側面のリブは、銘板がそこに付くので若干短いタイプです。後ろに回って小さめなラジエターグリルは9段。後部タイフォンはヒサシの下にありますね。キャブの屋根はクリーム色(ヘッドライトケースも)で、ボンネット上半分がグレーです。 133号機:128号機とともに、今回新しくラインナップに加わった号機です。恐らく皆さんは気付かれていないと思いますが、7輌あるキャブフォワードの中で、この号機だけが決定的に違う点がひとつあります。それはボンネット側面の点検扉です。他の6輌は観音開きになる扉がキャブ側にありますが、この133号機だけはラジエター側にあるのです。ラジエターと云えばグリルも2本補強が入ったタイプですので、パッと見の印象がかなり違います。銘板はボンネット中央部に移動しています、正面ハンドレールノブの位置も他とはかなり違います。133号機は晩年、クリーム色の代わりにライトグレーに塗られていたことでも有名です。 135号機:成熟期のスタイルです。まず目立つのは前後のバックミラー。キャブ側面のリブは長く、銘板もありません。給油口の背が高く、排気管も後方に(内側にも)移動しています。ラジエターグリルは7段です。塗装は122号機と同じく、キャブ屋根上とボンネット上面がグレーに塗られています。また、全種共通で外観図には描かれていませんが、ラジエターグリルの内側には縦筋の可変翼を表現したロストが付きます。
実際には、上記の他にも122号機の死重は勿論のこと、正面テスリノブ位置の違い、排気管や後部タイフォン、前後ステップの位置など、いくつもの相違点が号機ごとに再現されています。 なお、前後の列車名サボ受は標準装備され、サボは「アルプスモデル製」がピッタリ合うように出来ています。 トータルキットは各¥21600、未塗装キットは各¥32400、塗装済完成品は各¥43200です。 なお、この製品では従来の「コの字型」のカプラーが付属しますが、別売の「朝顔カプラー用ピン(¥320)」と「朝顔カプラー用リンク(¥320)」をお求めになれば、より実感的なナローモデルがお楽しみいただけます。 冬の姿を再現したい方のために、正面通風孔の「防寒マスク(¥1050・塗装済完成品は¥2100)」も別に御用意致しました。この姿もなかなかイイものです。他に別売部品として、「排気管マフラー(¥630・塗装済完成品は¥1260)」も御用意致しました。現在のところ130号機に装着されている写真が見つかっていますが、他の号機にも使われていたかどうかは判りません。末期には外されていますので、試験的なものだったのかも知れませんが、バリエーションのひとつとして1輌には付けてみたいパーツです。共に精密なロストワックス製です。 (誠に申し訳ございませんが、「排気管マフラー」は在庫がなくなりました。2005.07.05) キャブインテリアの配置図です。イラストでは見えませんが、計器盤の下には温風ダクトも表現されています。さらにKMC人形の原形制作を手掛けたKURISHIMA DOさんが、腕を振るって「木曽のキャブフォワード用運転手&運転助手(¥1050・塗装済完成品は¥2100)」を作ってくれました。人形は別売になりますが、これでまた楽しみがひとつ増えました。ちなみに、実車同様に床板から一段高くなっているキャブ床板の下には、ウエイトが搭載されます。 今回も模型製品にリンクするかたちでCD-ROM「Vol.11 木曽森林鉄道・酒井C4U」が発売されます。執筆は林鉄研究家として著名な西裕之氏に執筆を依頼しております。前回発売したCD-ROM「Vol.1 木曽森林鉄道・酒井C4」も少量再生産致しますので、買い逃された方は一緒にお求め下さい。製作途中の細かい写真をふんだんに盛り込み、資料編としては、活躍していた頃の実車の写真や、保存車輛を撮った細かいディテール写真も加えましたので、トータルキットをお求めになられた方のみならず、未塗装キット・塗装済完成品を御予約くださった方々にも、充分楽しんで頂ける内容に仕上がっています。各\1260
「排気管マフラー」の試作品が出来上がってきました。側面図では判りにくかったかも知れませんが、こうして写真でお見せすれば、どんな形だかお判りになるのではないでしょうか?本来の排気管が立ち上がる位置から前方に向けてマフラーが横たわり、そこから垂直にパイプが立ち上がっています。
大変お待たせ致しましたが、「木曽のキャブフォワードT」の塗装済完成品も出荷し終えましたので、受注を開始させて頂きます。 |