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尾小屋鉄道キハ3車内 1972.3 Nikon F 50mm/f2 TRI-X


僕が尾小屋に通い始めたのは、大学入学も決まった1972年の3月からでした。それまでは国鉄の蒸気機関車ばかりを追いかけていて、私鉄などには目もくれなかったのですが、いよいよSLも終焉の時を間近に迎え、これからの撮影対象を模索していた時期でした。
  当時、僕の愛機はアルバイトをして買ったばかりの中古の黒Fと、中学時代からのペンタックスSP。ペンタックスは望遠も持ってはいたのですが、Nikon Fは標準のみという寂しさでした。それでも、情熱だけは熱く、憧れの黒Fを手に入れた喜びで、胸ははちきれそうでした。
  初めて乗った"軽便"の車内は、込んでいたこともあってとても狭く、「これが軽便かア」と感激したことを良く覚えています。サンタクロースのコートを纏ったこの子供も、今ではもう母親になっているのでしょうか。外は前夜から降り続く雪景色でした。