立山砂防の5tDLV*北陸製Tld-251 黎明期だけは松岡や加藤などのDLやGLをポイント的に使っていましたが、昭和40年以降は酒井製5tDLの独壇場だった立山砂防軌道。 その数は昭和45年までに11両の多きに至りましたが、1年のブランクを経て導入されたのがこの北陸製Tld-251でした。 それ以降は逆に北陸製5tDLの独壇場となり現在に至っていますが、この機関車だけは後の北陸製とは一線を画すスタイルをしており、それが唯一無二の魅力となっています。 一見、協三製DLを彷彿させるような前後Hゴム支持の窓、個性的なボンネット上部のハッチ、剥き出しになったブレーキ装置などなど。 酒井製とも近代北陸製とも異なる面白さ、それがこのTld-251です。 そんな魅力あふれる「立山砂防のTld-251」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。 第1回 1.ボンネットの組み立てから始めます。まずボンネットにラジエターを半田付けします。次にボンネット肩の部分にストラップを、上部にコの字の小テスリを半田付けします。 長いテスリはまず真ん中の足を裏側から半田付けして、その長さ(というか高さ)をガイドにして長いテスリを半田付けします。最後に左右扉のハンドルを半田付けします。 いずれもボンネットの内側に出た足は綺麗にカットしておきます。ラジエターの内側に入る部分は塗装後にはめ込みますが、塗装の厚みを考慮して4辺を軽くヤスっておくと良いでしょう。 2.キャブの組み立てです。まず、側板にドアーを半田付けしますが、後ろ側は0.5mmほど空けるようにしましょう。 側板と前後妻板を半田付けしますが、妻板の板厚が見える方向で半田付けします。 3.妻板にエッチングヌキの窓枠を半田付けします。いずれも開いた状態にも閉じた状態にも出来るようになっていますので、お好みに合わせてメイクアップして下さい。ワイパーやドアーハンドルを半田付けしておきます。 屋根板の左右に雨樋を垂直に半田付けしておき、キャブと半田付けしますが、側板のドアーでない部分だけでサッと半田付けすると良いでしょう。 4.後妻板にはヘッドライトケースや補助灯、縦雨樋を半田付けしておき、ボンネットと組み合わせます。 第2回 1.まずは下まわりの組み立てです。2枚の床板を写真のように前後左右均等になるように半田付けします。 そのあと握り棒を垂直に半田付けをして、裏側に出っ張った部分はツライチに仕上げておきます。 2.台枠には軸受を半田付けしますが、当てがってみてバネ受や両脇の部分が板から浮かないように修正してから半田付けしましょう。 その後で細かいパーツを付けていきます。背の高い丸い部品は4個あり、それは左右中央部に、背の低い丸い部品は左側のブレーキシリンダーの右に付けます。 排気管の四角い台座も含めて総て裏側はツライチに仕上げておきます。 3.次はエンドビームです。前後ともにまずカプラーを半田付けして、ステップも半田付け。前部にはコンセント(角は横向き)や配線コネクターを、後部には逆凹型の部品(用途不明)を半田付けします。 4.台枠を床板に垂直に半田付けしてからエンドビームを半田付けします。 キャブ下ステップは左右共に後ろ側のエンドビーム部に突き当てて半田付けします。ただ、右側はブレーキテコがあるので、床板よりも若干出てしまいますが、これは仕方ないでしょう。 右側には電気配管が2本付きます。エンドビーム側から差し込みますが、もしも差し込みにくいようでしたら、φ0.4ドリルで穴をサラっておきます。 長い方のエンドビーム側は上を向く部分が僅かに長いので、ニッパーでカットします。更に台枠の穴に入る部分も僅かに長いので、これもカットしておきます。 短い方のエンドビーム側は僅かにヘの字にしておき、配管コネクターに向かって入るような形にしてから、長い方と共にエンドビーム部で半田付けします。 長い方の台枠側は穴に差し込むだけで良いでしょう。 5.バッテリー箱のテスリは上部にあるタイプと前後にあるタイプがありましたので、どちらにも出来るようになっています。お好みに合わせてカットして仕上げておきましょう。塗装済完成品では今回は写真のようなタイプで仕上げさせて頂きます。 6.ギヤーフレームは角型スペーサーをまず半田付けしてから前後の板スペーサーを半田付けしますが、その組み合わせ方はバラシ図を参考にして下さい。 この部分は最後に組み上げる際に意外と力の加わる所ですので、特に後ろの板スペーサーにはシッカリと半田を流しておきましょう。 7.エンジンは若干の加工が必要です。まず、ミッションの両腕部分をニッパーでカットして写真のように仕上げ、中央部の凹み部分を斜めにヤスっておきます。 また、ファンが付く部分はφ0.8ドリルでサラっておき接着、エンジン本体もギヤーフレームの前側の板スペーサーに接着します。なお、排気管は写真の程度にカットしておきます。 モーターにはウォームギヤーを木工用瞬間接着剤で止めますが、写真のような深さになるようにして、これ以上には決してモーターとの隙間を開けないようにします。 第3回 1.塗装作業です。まずMWC-53 MWプライマーで下塗りをしてから、上まわりと床板まわり、バッテリー箱をMWC-11 建設省グリーンで塗ります。 床板まわりは握り棒をマスキングして、ギヤーフレームと共にMWC-02 黒で塗ります。 2.Hゴム部には黒のプラカラーを差し、ヘッドライトの内側には銀色を塗ってからリムとレンズを接着。ラジエターも黒に塗っておいたものを(裏側も見えますので、塗るようにしましょう)ケーシングに接着します。 補助灯の内側にはクリヤーグリーンを差しておきます。 別売の「アルプスモデル製インレタB」を貼ってからMWC-09 クリヤーでオーバーコートして艶を整え、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧してやります。 今回はタミヤ製ウェザリングマスターも使って、ちょっと強めにウェザリングをして、他の号機との違いを強調してみました(^^♪。 上まわりは軽く錆びた感じにして、下まわりの台枠周りは泥で汚れた感じに、床の上は錆びた感じにしてみました。 立山砂防軌道では折り重なるスイッチバックのため、かつてはポイント転換手がデッキ上に立って乗っていました。今では自動化されていますが、この風物詩も再現したくて、作例では別売の「くりしま人形A」を乗せてみることにしました。 3.黒く塗ったギヤーフレームの動輪軸箱が入るU字部分やヘリの部分は塗装を剥がしておき、半分にカットしたリード線を半田付けしておいた集電ブラシ挟みながら、アイドラーギヤーをバラシ図のように組み込みます。 この時にリード線を半田付けした集電ブラシの部分が、ギヤーフレームに当たっていないかを確認して、もしも当たっているようでしたらクランク状に曲げておきます。 また、アイドラー軸の頭はギヤーフレームの固定部分と当たりますので、少し削いでおきます。 4.ここからは知恵の輪のように手順が重要になります。 まず、モーターの+端子が左側になるように1.4x2mmビスで床板に止め、リード線を半田付けします。 次に床板とボディーとをキャブの下で1.4x2mmビスで止めます。 そして、ギヤーフレームを1.4x1.4mmビス4本で床板に止めますが、キャブ下の部分にはワッシャを挟みます。 その後に動輪を組み込んでから動輪押さえ板を1.4x2mmビスで止めます。 この動輪は2種類あり、軸箱が可動する方をラジエター側にセットします。また、その可動方向が上下になるように軸箱の向きを整えます。 最後にウェイトを1.4x5mmビスで止めます。 5.バッテリー箱を床板に接着してから、ポイント作業員は立山砂防の情景には不可欠ですので、「くりしま人形A」を乗せてみました。 これで完成です(*^^)v。酒井製と比べて何となく野暮ったいところが、却って魅力的な5tDLです(^^♪。 |