キット組立講座

立山砂防の北陸製モーターカー


森林鉄道に於いてもそうでしたが、ここ立山砂防軌道に於いても、モーターカーというのは緊急の作業用として重用されています。
 この北陸製モーターカーは1972(昭和47)年1月製で、トヨタの1400ccエンジンを搭載している、と採寸に訪れた当時に係員が教えてくれました。
 岩崎製のような小型ではなく、4人がチャンと座れる広さがあり、乗り心地も案外良かった事を記憶しております。
 四角四面な不愛想さですが、逆にそれはモダンな印象を与えてくれ、「味があるというよりもカッコイイ」モーターカーなのではないでしょうか?
 そんな魅力あふれる「立山砂防の北陸製モーターカー」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。




第1回

1.まずは側板に前後の妻板を半田付けして、その後で前後に車体アングルを半田付けしますが、これは裾合わせになります。



2.次に大小のドアーを半田付けしますが、これも裾合わせです。ドアーは大きな方が前側で、総てハンドルが前側にくるようにします。
 このドアーはロストワックスですから、反りがないかを車体に充てて確認して、もしも反りがあるようでしたら指で修正しておきます。
 ドアー裏側の出っ張った部分で半田付けし、更にドアーの上の部分で表側から半田付けすると良いでしょう。
 ドアーの上方にはドアーレール(2種類ありますので、太い方)を半田付けします。



3.細かい部品の取り付けです。
 まずラジエターグリルを裏側に出っ張りがある方を上にして半田付けします。このとき、横桟は可能な限り歪みを修正しておきましょう。
 次に正面のワイパーや足元のハッチカバーを半田付けしますが、後者の場合は妻板の小穴をガイドにφ0.5のドリルで穴を明けてから半田付けします。
 ハッチカバーの内側には凹みがありますので、そこに突き当てるようにしてハッチを半田付けします。
 小さなテスリ4個は恐らく半田で埋まってしまった穴をφ0.4ドリルで明け直してから半田付けしますが、足は2/3ぐらいまでカットしておいた方が後で窓ガラスを貼るときに苦労しないでしょう。



4.今度は後ろ側の作業です。
 まず窓枠の上部の凸型の部分をピンセットで表側に折り込み、上部左右の穴にフックを半田付けします。
 この窓枠を妻板に半田付けしますが、下部の3か所には切り欠きがありますので、そこには小さなロストワックス部品(ヒンジ)を付けます。
 但しこの小さなロストを綺麗の真っすぐ半田付けするのは至難ですので、あっさり瞬間接着剤で止めることにして、そのスペースを勘案しながら窓枠を妻板に半田付けします。
 そしてワイパーを半田付けして、例のヒンジを瞬間接着剤で止めます。
 最後に屋根前後に大きなテスリを半田付けして、屋根から出っ張らせた部分を若干上に曲げておきます。
 なお、エッチングヌキパーツで残った小さな四角い部品は使いません。



第2回

1.下まわりの組み立てです。まず床板にウェイト台を半田付けしますが、床板は前後左右がありますので、写真のような向きに注意します。
 次にエンドビームを半田付けしますが、左右均等に床板よりも出っ張ること、上面が床板の上面とツライチになるように留意しましょう。

 


2.床板の左右には側板を半田付けします。そして外観図を見ながらドアーレール(2種類ありますので、細い方)を半田付けします。
 次に大小のステップを半田付けしますが、切り欠き部に差し込みにくいようでしたら、平ヤスリで僅かに削って入れるようにし、決して無理に押し込まないようにしましょう。
 軸受は出来るだけ外側に半田付けするようにして、ブレーキシューも半田付けしておきます。もちろん両者は床板に対して垂直になるように留意しましょう。

 


3.と、ここまで来て、排気管を半田付けするのは軸受を半田付けする前だった事に気付きました(^^ゞ。
 皆さんは排気管側の軸受は先に着けてしまわないようにして下さい。
 排気管のマフラーの一部の1mmほどを半径部分までヤスっておいてから、床板に半田付けします。



4.ハンドブレーキは写真のように軸をステップと軸受の間を通すようにして床板に半田付けしますが、これも切り欠き部に差し込みにくいようでしたら、取付部を若干ヤスってから半田付けするようにします。
 排気管の取付部が床板よりも出っ張った部分はツライチに仕上げておき、ウェイトを1.4x4mmビスで止めます。

 


5.KATO製動力はまず、車体を両手の指で拡げるようにして取り去り、写真のような状態にします。
 次にコネクターを抜いてプリント基板を撤去して、赤く囲った部分と突起を押して動力を外します。

 


 


6.外した動力は写真のようにカッターで余分な部分を切り取り、リード線は根元から10mmでカットして4個あるラグ板のうち内側のラグ板に素早く半田付けしますが、中央の丸い部分よりも上に出ないように注意します。また、配線は出来るだけ穴の中に納めるようにします。

 


7.仮にこの動力装置を床板に組み合わせてみました。この段階で車輪と軸受が接していないかを確認しておきます。



第3回

1.塗装作業です。まずMWC-53 MWプライマーで下塗りをしてから、上まわりをMWC-11 建設省グリーンで、下まわりをMWC-02 黒で塗ります。
 この製品はマスキング作業が一切ないので気が楽でしょう(^_-)。
 Hゴム部分、後部窓枠上部の折り曲げた部分をプラカラーの黒で塗り、ドアーハンドルは銀で塗ります。
 ワイパーは銀色に塗っても良いですが、このように小さな車体ですと、塗膜の厚みもバカにならず太って見えますので、カッターで剥がす方がシャープになるでしょう。
 エンドビームのバッファ部分は赤く塗り、マフラーはメタリックグレーで塗っておきます。

 


2.ヘッドライトリムとレンズを接着してからレンズの裏側を銀色に塗り、別売の「アルプスモデル製インレタC」の標記を転写してから、MWC-09 クリヤーでオーバーコートします。
 お好みによりMWC-10 フラットベースを加えたMWC-17 ウェザリンググレーでお化粧をします。
 レンズにはプラカラーのクリヤーを差しておくと良いでしょう。
 窓ガラスにはプラ板などから切り出したものを貼り、床板には加工しておいた動力をゴム系接着剤で止めます。この時に車輪の外側が軸受と接しないように留意しましょう。
 上下は1.4x2mmビスで止めて出来上がりです。

 


 














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