キット組立講座



頸城のDC92

頸城のDLと聞くとこの機関車を連想される方が多いのではないでしょうか?
 C型ながらも小さく整ったスタイルで、大きなボギー客車を数両牽いて走る姿は、ホジ3とともに印象的でした。
 また、収穫の季節になると小さな2軸貨車を沢山連ねて、穀倉地帯ならではの旧き佳き時代を演出していたのも、この機関車でした。
 そんな「DC92」の魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.まず、上まわりの工作はボンネットに先端のロストワックスを半田付けする事から始めます。
 ボンネットは僅かに長さが異なりますので、長い方にラジエターグリルを、短い方に通風ダクトを付けます。ここで一応、サンドペーパーの上で下面をツライチに仕上げておきます。
 各々半田付けをしたらロストの横に凹みのある部分をφ0.5mmのドリルで穴を明けておきます。
 ボンネット上のハッチやテスリ、ハンドルを半田付けしますが、通風ダクト側のハッチの裏側の凹部分にφ0.8mmのドリルで穴を明けて、給油口をキャブ寄りに半田付けします。
 つまり通風ダクト側のハッチは向きに注意してボンネットに半田付けをする必要があります。
 そして大きくRを描いたテスリを半田付けする訳ですが、床板にボンネットをビスで仮止めしてやると、床板が冶具になってテスリの出っ張り具合が確認しやすいでしょう。

 


2.次にキャブの組み立てです。まず側板に窓とドアーの板を半田付けします。裾合わせで前後の余白は均等になるよう留意します。
 そのあと妻板を半田付けしますが、ドアーの部分は側板よりも気持ち出っ張る事を忘れないようにしながら、裾ツライチで半田付けします。

 

3.ここへ細かい部品を半田付けしていきます。このような場合は写真のように万力に咥えてやると落ち着いて作業が出来るでしょう。
 最初に横雨樋を屋根の裾(肩の部分)に半田付けして、それに突き当てるようにしながら割ピンを介して縦雨樋を、テスリやハンドルを半田付けしていきます。
 妻板には窓枠を半田付けしますが、窓を開けた状態にする場合はヒンジの部分だけで窓枠を半田付けします。ワイパーやヘッドライトケース、ハンドルも半田付けします。

 

4.出来上がったキャブとボンネットとを半田付けします。もちろん裾がツライチになるよう留意します。


第2回
1.下まわりの組み立てを始めます。ギヤーフレームの穴に注意をしながら角型スペーサーを介して歪みの無いように半田付けします。
 仮に動輪を組み込んでみて、軽く回ることを確認してから、下面を平らな板の上に置いたサンドペーパーの上で摺り、全面に亘って光るところまで仕上げておきます。

 

2.次にチャンネル状スペーサーを組み込んで半田付けしますが、ギヤーフレームに上下に2個開いた穴の方に、チャンネルに突起のあるものを組み合わせます。
 ここまでは「スーパートータルキット」の場合は完了していますので、これを御注文頂いたお客様は3番から作業を進めて下さい。

 

3.突起部分にブレーキテコを半田付けしますが、差し込むボスは0.5mm程度まで短くしておいて下さい。
 ギヤーフレームのエンド部分は写真のように若干テーパー状にヤスっておいて下さい。

 

4.床板の組み立てです。床板は上下2枚構成になっていますので、前後左右均等に段差が出来るように半田付けします。
 その後でエンドビームを垂直に半田付けして、更に側板を半田付けします。


5.エンドビームの中央には排障器を半田付けして、それからカプラー・テールライトケース・コンセントを半田付けします。

 

6.ボスの長さを極端に切り詰めておいた砂箱蓋を床板に半田付けしますが、小さく長方形状に出たヒンジ部分を内側に向けるように留意します。
 次にステップ・砂箱・エアータンク・ハンドブレーキテコの順に半田付けしていきます。
 四隅のステップは中央に寄るような位置で、中央のステップは角穴の中央にセットします。

 

第3回
1.ここでギヤーフレームを床板にセットしてみます。長さ方向がきついようでしたら、塗装の厚みも考えてスッと入るようにヤスって短くしておきます。
 写真の赤丸のように穴がずれていたら、エンドビームに着けた排障器がセンターに半田付けされていなかった証拠ですので、面倒でも半田付けをし直します。
 動輪を組み込んでみて、適当な長さに砂撒き管をカットしておきます。

 

2.動輪押さえ板にブレーキシューを半田付けします。
 サイドロッドの真ん中にはロッドピンを半田付けして、裏側に出た部分をカットして仕上げておきます。

 

3.モーター軸に木工用瞬間接着剤でウォームギヤーを接着しますが、軸受部分にはオイルを差しておき、軸の先端に僅かな接着剤を付けて、写真の位置まで差し込みます。
 リード線は半分にカットして、写真のように集電ブラシの突起がある側のボスに半田付けします。
 写真の側はモーターのプラスのラグ板に、写っていない側はマイナスのラグ板に半田付けします。

 

4.最後にウェイトを床板にタッピングビスで固定して下まわりの出来上がりです。


第4回
1.さて、塗装です。MWC-53 MWプライマーで下塗りしたあと、上まわりと床板まわりをMWC-04 マルーンで塗ります。
 上まわりは正面窓枠全体・ドアーのHゴム、側面窓枠全体・ドアーのHゴム・ドアーの縁どりをプラカラーの白で塗ります。
 そして赤い銘板を所定の位置に貼り付けてやり、別売のアルプスモデル製インレタで検査標識を転写します。
 床板周りは砂箱やエアータンク、ハンドブレーキ、カプラーの根元からと排障器をプラカラーの黒で塗ります。
 エンドビームには楕円形の銘板を接着して、上まわりともども好みでMWC-10 フラットベースを咥えたMWC-09 クリヤーで艶を整えておきます。
 ヘッドライトケースの内側には銀色を差しておき、リムとレンズを接着してプラカラーのクリヤーを、エンドビームにはテールライトレンズを接着してクリヤーレッドを塗っておきます。

 

2.ギヤーフレームの軸箱が入る部分の塗装を剥がしておき、大きなアイドラーピンを使って大きなギヤーを止めますが、その頭は写真のように下半分は斜めにカットしておきます。小さなギヤーは小さなアイドラーピンで止めます。
 また、振れ止めピンも集電ブラシから飛び出た部分はカットしておきます。


3.床板にモーターを1.4x2mmビスで仮止めしてから、ギヤーフレームを床板に1.4x1.4mmビスで止めます。モーターはウエイトに接していない方にマシマのラベルが来るようにします。
 ギヤーフレームに動輪をセットして、ロッドをロッドピンで止めますが、ロッドの内側には内径の小さなワッシャを、ロッドの外側には内径の大きなワッシャを挟んでやります。
 この段階で動輪を指で動かしてみて、第二動輪とウォーム、第三動輪とウォームのガタが同じになるようにモーターを本止めします。
 動輪押さえ板は1.4x2mmビスで止めますが、ブレーキシューが動輪と接触していない事を確認しておきます。


4.写真手前側のモーターラグは+になっている事を確認してから、モーター配線を写真のようにコードがクロスしないようにモーターのラグ板に配線します。


5.ボディーにはプラ板などから切り出した窓ガラスを貼ってから、写真のように小さなウェイトを2枚重ねしたものを接着します。
 上まわりと下まわりとは1.4x3mmビスで止めて出来上がりです。








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