キット組立講座


頸城のDB81


頸城鉄道のDLは移籍組を除けばSLを改造したものばかりでしたので、当然ロッド式になっています。
 その中でもこのDB81はその名が示すように8tDLで、3号機から昭和27年に森製作所で改造され、更に生まれ故郷の協三で再改造されています。
 いかにも無骨な「森」らしさ、同じ凸型でありながら移動機っぽいDC91とは違う、機関車然とした姿に惹かれるのは私だけでしょうか?
 そんな「森ブタ」の魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.いつもとは違って、まず下まわりの組み立てです。まず最初に床板に砂箱ハッチを半田付けして、床板の裏側に出たボスはツライチに仕上げておきます。ヒンジは中央寄りの向きになるよう注意しましょう。
 次にエンドビームの加工をします。この製品は前後共通になっていますので、コンセントを削り取って頂く必要があります。
 写真のように上下2個並んだコンセントを、前後で左もしくは右を削り取ってしまいます。

 


2.このエンドビームを床板に半田付けしますが、前後の方向性がありますので注意が必要です。
 写真で向う側にコンセントが来るように留意しましょう。
 このエンドビームに突き当てるようにしてステップ付の砂箱を半田付けします。次にエアータンクを半田付けして床板の上面に出たボスはツライチに仕上げておきます。
 最後に四隅につかみ棒を差し込んで半田付けします。

 


3.台枠の組み立てですが、今回特別に設定されている「スーパートータルキット」ではこの部分の組み立ては完了していますので次に進んで下さい。
 まず角型スペーサーを台枠に垂直に留意しながら半田付けして、それから上部の板スペーサーを半田付けします。前後から見て歪みがないか充分にチェックしておきましょう。
 箱状になったら板スペーサーの飛び出た部分をヤスリ取っておき、台枠の上面や側面を耐水ペーパーの上で綺麗に仕上げておきます。
 最後に角型スペーサーの面が僅かに光るまで平ヤスリで下面を仕上げておきます。こうすると動輪組み込んで押さえ板で止めても、上下に踊らないようになるはずです。



4.動輪押さえ板にブレーキシューを半田付けします。押さえ板は前後対称ですが、ブレーキシューの向きには注意して下さい。一応、台枠に動輪を組み込んでみて、ブレーキシューが干渉しないかを確認しておきましょう。


5.床板にはウエイトを1.4x4mmタッピングビスで止めますが、ウエイトの赤く塗った部分は予めカッターで斜めに削いでおいて下さい(向う側も)



第2回
1.上まわりは最初にボンネットカバーに点検扉を半田付けします。ハンドルの穴の位置に気を付けて上下を間違えないようにしましょう。この穴は心もち上の方に来ます。
 次にボンネットカバーに穴が無い方にラジエターを、有る方に妻板を裾合わせで半田付けします。そのあと、ハンドルを半田付けしたり、後者には燃料ハッチや上下止め用アングルを裾合わせで半田付けします。

 


2.キャブの組み立てです。まず妻板の中央窓に窓枠を半田付けしますが、これは夏姿の開いた状態と冬姿の閉じた状態を選べるようになっています。この窓枠は妻板の穴の中に填まり込むようになります。ですから、写真のように裏返して表面とツライチになるまで窓枠を差し込み半田付けをしますが、引き戸の向きには注意しましょう。
 次はこの窓に枠を半田付けしますが、予め枠に半田メッキをしておくと綺麗に半田付けが出来るでしょう。

 

3.次に裾から2.3mmの位置にドアーの裾が来るように、またドアーの左端が妻板の左端とツライチになるような位置にドアーを半田付けします。
 ドアーの穴をガイドにφ0.5mmドリルで穴を明けて、ドアーハンドルを上向きに半田付けします。
 向かって右側の窓枠も右端が妻板の右端とツライチになるような位置に半田付けしますが、夏姿にする場合は上だけで半田付けをして開いた状態にします。


4.ここでボンネットとキャブ妻板とを組み合わせて半田付けします。作例では夏姿と冬姿が折衷になっているので、云わば春秋姿でしょうか(^O^)。
 未塗装キットや塗装済完成品を御希望の方で、こういう姿が良い方は御一報下さい。


5.キャブ側板にはまず、窓枠を半田付けしますが、これも妻板と同様に裏側から填め込んで半田付けします。更に枠を半田付けしますが、これも妻板と同様のやり方です。
 その後で雨樋を半田付けして、ヘッドライトケースを少し浮かせながらシッカリと半田付けして、足の飛び出た部分は甲丸ヤスリでツライチにヤスって仕上げておきましょう。

 

6.ボンネットとキャブを裾合わせで組み合わせて半田付けします。天井部分を半田付けする際に、ヘッドライトケースが取れてしまうでしょうが、もう一度半田付けしなおしておきます。
 テスリの穴も半田で埋まってしまっているでしょうから、0.4mmドリルで明け直しておき、テスリを半田付けしますが、上の方の足は折れ曲がった部分から2mm程度の部分で予めカットしておきましょう。

第3回
1.さあ、塗装作業に入ります。総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、台枠と動輪押さえ板をMWC-02 黒で、ボディーと床板、ラジエター保護枠をMWC-04 マルーンで塗ります。
 そのあとプラカラーの白で写真のように窓枠と枠を塗り、ドアーのHゴム部分とラジエターには黒を塗ります。

 

2.ラジエター保護枠の裏側には薄くエポキシ系接着剤を塗って接着、テールライトレンズはエンドビームの穴に差し込み接着して、ヘッドライトケースの内側は銀色を塗ってからリムとレンズを接着します。
 プレート類は注意深くランナーから切り離して所定の位置に接着し、別売の「アルプスモデル製 頸城B」インレタを使って検査標記を転写します。
 ここまで行ったらフラットベースを好みで加えたクリヤーでオーバーコートして艶を整え、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧します。
 なお、この見本では床板四隅の握り棒は、最初からマスキングテープを貼って好みで磨き出しにしてありますが、実車は車体色でした。
 塗装済完成品は車体色に仕上げますが、もしも塗装済完成品を御予約の方で、磨き出しを御希望の方は御連絡ください。
 ハンドルにはメタリックグレーを差して変化を持たせてみました。
 塗装が完了したら、ヘッドライトレンズにはクリヤーのプラカラーを、テールライトレンズにはクリヤーレッドを差しておき、窓ガラスにプラ板から切り出したものを貼ります。


3.モーターにはウォームギヤーをゼリー状瞬間接着剤で止めますが、写真のような深さにするようにしましょう。
 集電ブラシは半分の長さにカットした配線コードを写真のように半田付けして、動輪と接する部分が0.5mmほど外観図上で上の方に行くようにニッパーでグッと挟んで曲げるように修正して下さい。このままの状態ですと、ちょうど動輪の輪心とタイヤとの間の絶縁材の部分を擦るようになってしまいますので。

 

4.台枠の動輪の軸箱が入る部分の塗装はカッターで削いでおき、バラシ図を見ながらシャフトの違いに留意しながらアイドラーギヤーを組み込みます。
 それを床板に1.4x1.4mmビスで止めます。モーターはプラス端子が外観図の見えている方になるようセットして、床板に1.4x2mmビスで止めますが、僅かに前後に調整して、ギヤーの噛み合わせが一番良い場所を見つけて下さい。
 集電ブラシは絶縁リングを使って1.4x3mmビスで床板に止め、小穴にリード線を通します。
 動輪は両絶縁ですから方向性はありませんので、ワッシャをサイドロッドの前後に挟んだクランクピンを付属のレンチでねじ込み(スーパートータルキットは組立済みです)台枠に組み込みますが、ギヤーの噛み合わせ具合でクランクピンの位置が変わってしまいますので、前後が合うように留意しましょう。サイドロッドのエンド部が四角い方がエアータンク側になります。
 動輪押さえ板は1.4x2mmビスで止めます。
 

5.モーターの端子にリード線を半田付けして、最後に上まわりと床板とを1.4x3mmビスで止めて出来あがりです。
 テストランをしてみたら、予想通りに小さいながらもスムースで重厚な走りっぷりでした(^_-)。
 こうなると、そろそろ貨車も欲しくなってきましたネ(^^♪。

 

 







「頸城のDB81」製品の御案内

「MWカラー」の御案内