キット組立講座

沼尻のボハ6〜7



優雅なスタイルのボハフ1〜2・シボフ3に対して、武骨なイメージが魅力なのがこのボハ6〜7です。
 いかにもダブルルーフ屋根を改造したと一見で判るような深い屋根。しかもそのエンド部分は6と7とで全く違うスタイルで、どちらも甲乙つけがたい個性を放っています。
 しかも側面に目を転じると、側台枠が剥き出しになっていて、両端には補強板が付き(この形状も6と7とでは異なります)その間を化粧板を兼ねた目止め板が付く、というゴツゴツした感じが人気のポイントなのかも知れません。
 製品ではこれらの特徴を余すところなく再現し、ボハ6〜7という個性を思う存分引き出してみました。
 そんな魅力あふれるこの客車の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.まず最初に側板の裏側に窓枠を半田付けします。窓枠はランナーから綺麗にカットして、その切断面をヤスリで仕上げておきます。上下方向は窓枠の見え方が僅かに下の方が多く見えるような位置にセットして下さい。


2.側板の表側の工作です。まずウィンドウシル・ヘッダーの裏側に半田メッキをしておき、これをエッチングで凹んだ部分に半田付けします。ボハ7のヘッダーは真鍮線ですが、左右均等に飛び出るようにセットします。その後に窓テスリをガイドに合わせて半田付けします。
 次にコの字型の化粧板をガイドに沿って半田付けしますが、これも裏側は半田メッキしてから付けるようにします。その後に両端下部の補強板を半田付けしますが、これも裏側を半田メッキしておくと良いでしょう。ボハ7の方は少し横に飛び出ます。
 ここまで来たら車体裾を平らなヤスリでツライチに仕上げておきます。




3.もう一度裏返して、窓枠の下部に突き当てるようにして、車体アングルを半田付けしますが、左右中央の3か所をシッカリ止めておけば良いでしょう。これで側板は出来上がりです。


4.妻板にドアーを半田付けしますが、このドアーのランナー部もヤスリで仕上げておいて下さい。ドアーの下部が妻板の下部と合う位置でセットします。
 次にウィンドウシル・ヘッダー(ボハ7はシルのみ)を半田付けし、テスリ類や補強板(ボハ7のみ)も半田付けします。
 テスリの裏側に出た部分は総てツライチに仕上げておくと、あとで窓ガラスを貼るときなど楽になります。
 


5.側板と妻板とを組み合わせて箱状にします。妻板の板厚が見える方向で組み合わせますが、それぞれの下部が合うように留意します。
 ボハ7の場合はウィンドウヘッダーが妻板まで回り込みますので、指で折り曲げてドアー脇までの長さでカットしてから半田付けします。


第2回

1.屋根板の組み立てです。まず、屋根板の長さを測り、その中央に目印をしておき、そこに補強板を垂直に半田付けします。
 それに裏板を組み合わせて前後・中央の3か所で半田付けします。


2.屋根先部分を半田付けしますが、ボハ6もボハ7も上部に段差が出来ても構いませんので、裾が合うように留意してやり、その後で継ぎ目が目立たないようにヤスリで仕上げていきます。
 ボハ7は屋根の裾に真鍮線を半田付けしますが、何かガラス板のような物を利用して作業すると良いでしょう。
 屋根板は車体には半田付けしませんが、車体に合わせてみて、もしも妻板部分で浮くようでしたら、屋根の裏側に半田を盛り過ぎたためと思われますので、その半田を削ってやるか、最後の手段として妻板を少しヤスって落ち着くようにしてやりましょう。妻板は少しぐらいヤスっても、最終的には目立ちません。
 


第3回

1.下まわりの組み立てです。まず床板にボルスターをシッカリと半田付けして、次にキングポストを、そして引張棒を半田付けしますが、この際に床板が反っていないか確認しておきましょう。
 最後にターンバックルを半田付けしますが、ランナーが付いたままで半田付けすると、ピンセットで保持する事が出来て良いでしょう。半田付けしたのちにランナーはカットしてヤスリ仕上げしてやります。


2.デッキ部分は前後同じものになっていますので、片方のブレーキテコは撤去します。
 デッキは床板に1.4x3mmビスで止めてからステップを半田付けしますが、ビスで止める時に、デッキに付くテスリ穴同士の長さ方向の寸法と、屋根先部分の穴同士の寸法とが合致するように留意します(作例ではウッカリこのチェックを怠ってしまったため、横から見た時にデッキテスリが逆ハの字になってしまいました)
 キングポストの中梁はコの字型になっていますので、この開口方向をデッキにブレーキテコがある方を向けておきます。このステップは床板とデッキ部にシッカリと半田付けしておきましょう。
 


3.デッキにはこの客車を印象付けるドアーのような板が付いていますが、ボハ6と7とでは形も高さも違います。
 写真左がボハ6用で右がボハ7用です。
 実はこのパーツは各々左のように前後左右が共通の部品となっていますので、ある程度の加工が必要になります。
 右に4個並んだものがその加工後の状態なのですが、くの字のテスリや、ブレーキハンドル軸受を撤去して仕上げる様を御理解頂けるでしょうか?
 


4.デッキのエンドビーム両端部には小さな凹みが4か所あります。ボハ6は外側の凹みを、ボハ7は内側の凹み部分をφ0.5のドリルで1mmほど掘って下さい。そこにデッキテスリを半田付けします。
 半田付けする際に余分な凹みにも半田を流して埋めてしまいましょう。
 その後に先ほど仕上げたデッキ板を半田付けして、ブレーキハンドルは軸受をφ0.4のドリルで穴をさらっておいてから、下部をブレーキテコに差し込むようにして半田付けます。


5.台車枠には軸受メタルを半田付けしておきます。この軸受がある事によって転がり特性は格段に向上します。
 これで半田付け作業は完了です。


第4回

1.塗装に掛かります。総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、車体はMWC-03 クリームで、屋根はMWC-17 グレーで、床板のデッキ部分はMWC-07 ブルーで塗ります。
 車体はウィンドウシル・ヘッダーを含めてマスキングしてから、ボハ7の雨樋はMWC-07 ブルーで塗りますが、この雨樋は上から見た時にブルーが見えるように留意してマスキングしましょう。
 


2.デッキ部分のマスキングは面倒ですが、頑張ってやるしかありません(^^ゞ。ステップも写真のようにマスキングしてからMWC-02 黒を塗ります。
 


3.塗り上がった車体に屋根を被せてエポキシ系接着剤で止めますが、車体の外に接着剤がはみ出さないよう、妻板の上部は屋根側に、車体側面は車体上部内側に接着剤を塗ってやると良いでしょう。


4.別売のアルプスモデル製インレタで標記を添付してから、若干のMWC-10 フラットベースを入れたMWC-09 クリヤーでオーバーコートして、最後に極く薄く溶いてフラットベースを加えたMWC-17 ウェザリングブラックで下周りを中心に、屋根は同様にMWC-05 グレーでウェザリングをしてやります。


5.窓にはプラ板などから切り出したガラスを貼ってやり、最後にモケット色に塗っておいたシート(作例ではMWC-18 グリーンを使用)を車体アングルの上に乗せるような位置に接着してやります。
 車体と床板とを仮に組み合わせてみて、デッキテスリを適当な長さでカットしてから(殆どカットする必要はないと思います)、4本の1.4x2mmビスで止めます。
 


6.台車は車輪を組み込みながら1.4x2mmビスで組み上げて、それを床板にコイルバネを挟んだセンターピンで止めてやります。
 別売のアルプスモデル製サボを貼り込んでいよいよ完成です。
 














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