キット組立講座

酒井製F22型5tボギーDL W
(早口・二ツ井など)


以前発売したF2型と瓜二つに似ているF22型ですが、一番大きな違いはカプラーのマウント方式です。
 F2型は台車マウントだったのに対して、F22型はボディーマウント。たったこれだけの違いで、表情はガラッと変わるから面白いものです。
 模型的寸法で2mm長くなったボディー長など、その他にも相違点はあって、機関室ドアーの有無、屋根上ハッチの有無など、結構違いがある事に気付きます。
 そんな「似て非なる」F22の魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.車体はエッチング加工された側板とロストワックスの前面から構成されています。まず、その両部品を組み合わせたところです。合わさる部分のロストは、表面をキサゲ刷毛で磨いておき、更にステンレス用フラックスを使うと、半田が綺麗に流れます。車体の裾合わせにしておき、屋根の部分はRに沿ってヤスって仕上げておきましょう。


2.長短ある横雨樋を車体の横リブの下辺と合わせるようにして半田付けしてから、裏側に半田メッキをしておいたドアーを前後方向は前面との継ぎ目を、上下方向は横雨樋に押し付けるように位置決めして半田付けします。ヒンジの向きには注意しましょう。
 更に屋根上ハッチ、ドアー&点検扉ハンドル、テスリ、正面窓枠、ヘッドライトケース、カプラーの順に半田付けします。
 


3.車体アングルの半田付けには治具が用意されています。写真のようにアルミ板とアルミの挽物を使って1.4x3mmビス4本で組み立てます。これを車体にはめ込み、車体の中央がアングルの中央にくるようにセットします。そしてアルミ板の間の部分で半田を流し、これを取り外して、その部分に半田を流します。
 なお、このアルミ板は以前のものと似ていますが、穴のピッチが違いますので、以前のものは使用できません。最後に外観図を見ながらメーカーズプレートを当該位置に瞬間接着剤で止めておきます。
 


第2回
1.次はさて下まわりの組み立てですが、半田付けする箇所はいくつもありません。床板にエアータンクを半田付けしてから、床下ウエイトを1.4x2mm大頭ビス2本で止めて、共に床板から上に出た部分をツライチにヤスッて仕上げます。
 エアータンクの反対サイドには板を瞬間接着剤で止めますが、外観図を良く見て左右方向を決め、床板の下面に上が来るように接着します。なお、この板は上下の出っ張りが外側になります。床上ウエイトを1.4x2mm大頭ビスで止めて、最後にモーター止め板を1.4x1.3mmビス2本で止めます。
 


2.左右どちら側でも良いのですが、片側のギヤーフレームにはギヤーピン2本を半田付けします。これで塗装に入りますが、その前にモーター止め板にモーターを止めてみて、その軸が床板に対して水平になるかどうかを確認しておいて下さい。もしも水平でなければ、モーター止めの直角度を調整して下さい。この点は非常に大事な部分です。なお、台車枠を1.4x2mm小頭ビスでギヤーフレームに仮止めしてみてきついようでしたら、ギヤーフレームの端を若干ヤスっておいて下さい。下まわりは総て黒です。


3.ふたつある小穴の内の1個に通電子を半田付けします。もう一方の小穴には塗装後に絶縁子を接着します。


第3回
1.上まわりの塗装をします。今回はマスキングがし易いように、最初にMWC-05 上運営林署DL用グレーを軽く吹いてから(マルーンを直接塗ると、透過性があるので、下塗りをしないといけません)MWC-04 上運営林署DL用マルーンを吹き付けました。いわゆる金太郎と言われる塗り分けの場合、私は以下のような方法でマスキングを行います。まず、説明書の原寸の外観図に透明プラ板をセロテープで貼り付け、塗り分けラインに沿ってカッターでなぞっていきます。そこにマスキングテープを貼り付け、さっきカッターで付けて凹んだラインをなぞっていきます。そうするとマスキングテープの型紙が出来ますので、これをボディーに貼り付けます。


2.MWC-03 上運営林署DL用クリームも塗ったら、Hゴム支持窓にはプラカラーのライトグレーを差し(板厚の部分も忘れずに塗っておきましょう)、ヘッドライトケースは黒く塗ります。MWC-10 フラットベースを若干加えたMWC-09 クリヤーでオーバーコートしてから、仕上げにMWC-17 ウェザリンググレーでお化粧をします。ヘッドライトリム・レンズをエポキシ系で接着してから、レンズにはクリヤーのプラカラーを差しておきます。
 正面用に別売でアクリル製窓ガラスが用意されていますので、これを使うととかく貼り難い正面窓や、その窓を開けた状態にした場合などでスッキリ仕上がるでしょう。
 この段階でワイパーを接着しますが、内側に飛び出た部分は短くカットしておきましょう。
 




第4回
1.下まわりの組み立てです。まずモーターシャフトにウォームギヤーをゼリー状瞬間接着剤で固定しますが、シャフトの両端がウォームギヤーの端と合うようにセットして下さい。ゼリー状を使う理由は作業時間に若干の猶予があるからです。マシマのラベルを上にしながらモーターを1.4x2mm大頭ビス2本で床板に止めます。
 次にギヤーピンを付けた方のギヤーフレームに、動輪軸を通しながらタイヤを奥まで押し込みます。小さいアイドラーギヤーをセットして、次に大きいアイドラーギヤーをセットします。次に細いスペーサーを挟みながらもう一方のギヤーフレームをセットして、残りのタイヤを押し込みますが、このスペーサーはゴム系接着剤で軽く止めておくと作業がしやすいでしょう。また、すべてのギヤーフレームの動輪軸の入る部分は塗装を落としておきましょう。
 この段階で仮に太い方のスペーサーを組み込んで、片手でギヤーボックスが開かないように保持しつつ、平らな板の上で回してみて下さい。軽く回らないようでしたら、何処かに無理が掛かっている証拠ですから、その原因を突き止めて修正します。
 ギヤーフレームに対して動輪軸が僅かに左右動しますか?この部分がきつ過ぎないですか?そんな事をチェックして下さい。

 

2.次にウォームギヤーをギヤーフレームに差し込んでから、太い方のスペーサーを挟み込み、配線ラグ・集電バネ・グラスファイバー板の順に1.4x3mmビスで止めます。集電バネとこれが接触する部分のギヤーフレームは塗装を剥がしておきます。また、この集電バネは絶縁/通電方向が互い違いになるようにしてください。
 台車取付用穴に軸の細いドライバーを通しながら、門型のボルスターを床板に1.4x2mm小頭ビスで下から止めて、センターピンでギヤーボックスを止めます。モーターの上にウエイトをゴム系で接着してから、この段階でテスト走行をしてみて、モーターの上下方向の位置が的確かどうかを確認しておきます。
 モーターの配線は10cmのものが1本入っていますので、これを1.2cm、2.3cm、2.7cm、3.8cmにカットして写真のように配線をします。
 エアータンクの側が機関室のドアーが左側という事に留意しながら、上まわりとは1.4x2mm大頭ビス4本で止めまず。なお、総てのギヤーにはエンドウのセラミックグリスなどを塗っておくと良いでしょう。最後に台車を1.4x1.3mmビスで止めて出来上がりです。
 F2型と並べてみましたが、カプラーのマウント方法の他、機関室ドアーがあるなど、側面のディテールの違いで結構ニュアンスが異なる事に気付きます。これもまた模型ならではの楽しさですね(^^♪。
 

 












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