畑中さんのレイアウト訪問

羅色停車場への道


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根室本線の車窓にはあくまでも平坦な、そして単調な丘陵と葦の湿地が繰り返されていた。心地よいジョイント音のリズムと、スチームが効いたモケットのせいか、いつかまどろんでいた僕の耳に「羅色駅」という車掌の声が忍び込んできた。そう、僕が3年前に雑誌でその存在を知ってはいたものの、なかなか都合がつかずに憧れの路線だった「それ」がもうそこに。慌てて荷物を網棚から掴むとオハ35のデッキから飛び降りていた。初秋の心地よい空気。短い汽笛を残して汽車が行ってしまうと、あたりは静寂そのものだ。いや、あちらから何か物音がするぞ。ひょっとしたら・・・そうだ、あれが羅色町営軌道だ。あの見覚えのあるDLも居るぞ。僕は既にミラクルワールドに足を踏み込んでいたのだ。


駅の改札を出て左に道をとると踏み切りが見えてきた。そう、あの信号機のある踏み切りも見覚えがある。軌道側の信号灯が青になっているから、列車でも到着するのかとバッグからカメラを取り出していると、丘陵の向こうからDLが。朝一番のミルク列車だろうか?踏み切りの前で佇む僕に、片手を上げて愛想の良い運転手が通り過ぎていった。何だか素敵な予感。きっと良い一日が送れそうな気分になってきました。


踏み切りを渡ると何やら荷物を積んだ馬車が向こうから。いかにも道東らしい光景に思わずシャッターを。ええと・・・この建物のところを曲がれば停車場かな?この建物はミルク缶の荷降ろしホームなのかな?適度にうらぶれた感じがとってもイイ感じです。


停車場に自走客車が到着するようです。きっと普段は閑散としているのでしょうが、この時ばかりは朝の通勤通学時間帯ということもあって賑わいでいます。今日の自走客車は浜中町営軌道が廃止になって、ここへ移ってきた京阪色のもののようですね。