夏休みスペシャル

馬路村に寄贈するジオラマを作った話


ちょうど3年前、馬路村の役場の方のお世話になって「野村組」の採寸をさせて頂いたお陰で製品化も出来た訳ですが、今回またお邪魔することになり、ちょうどこの製品の組み立てが完了した時でもあったので、お礼の気持ちを込めて運材台車とセットで持参することにしました。
 とはいえ、車両だけ持っていったのでは寂しい。やはりお立ち台になるジオラマが欲しい、と思ったのは出発の5日前の夜でした。



 

とはいえ時間が無いので、そうは大作を作るわけにもいかない。確か何か適当な大きさの木箱があったよな〜、と思って倉庫を探していたら、ありました手頃なのが。もとは何が入っていたのか忘れてしまいましたが、陶器か何かが入っていたと思しき木箱。大きさは20cm x 12cm。割と真面目に作ってあるので、シッカリしています。ただ、この上に直にレールを敷いたのでは能が無いので、10cmの高さのところにレール面を持って行き、全体の高さに変化を出してみました。レール面の水平度は正確に出しましたが、他は結構アバウト。フリーハンドで絵を描くような感覚です。

 

ベニヤ板を玄関先で明かりを頼りに切り出し、木工ボンドが乾いたのを見計らってウレタンフォームを隙間に詰め込んで接着します。経験上、この乾燥は結構時間が掛かるのを知っているので、ここまで頑張ってやってしまい、そのあとは翌朝に繰り越すことにしました。寝ている間も時間に仕事をさせる有効活用法です。
 翌朝起きたらボンドも乾いていたので(こういう時は夏場が有難いですね!)、崖になる部分をカッターで削ぎ落としてから、爪の先で引っ掻いてガザガザに仕上げます。

 

崖の地面はウッドランドのプラスタークロスです。要するに天婦羅の衣を着けるような要領で地面にペタペタと貼り付けていきます。日当たりの良い部屋に持って行き、真夏の太陽を当てて少しでも乾燥を速めます。
 乾燥を待っている間の時間もおろそかにできないので、ポイントとなる木を一本作りました。何かの乾燥を待ってる間に何かを済ませる。学生時代から「ながら族(ラジオを聴きながら勉強する、みたいな)」と云われたのが、こういう時に役立ちます(^^ゞ。これは前回作ったモジュールのときに経験済みだったので、鼻歌交じりの工作です。

 

30分ほどで木も出来上がり、こちらも乾燥待ち状態。時間との勝負の場合、この乾燥待ち時間をいかに上手く使うか、が勝負の分かれ目となります。とはいえ、どうしようも無い場合もある訳で、続きは昼食後に持ち越しとなりました。
 昼食を済ませてプラスターを触ってみたら、そろそろイイ感じ。地面にはフラットアースを、枕木とレールはハンブロールの26番を塗ります。

 

バラストを撒いて固着したところで、松本の常連さんが来訪。ワイフに草撒きを指示して接客に・・・。
1年前に経験しているので、ぎこちなさはあるものの、ワイフは何とか草撒きをこなし、足りないところをボクが補填する感じで行けました。曰く「必要な場合は猫の手も借りる」です(^^ゞ。
 フォーリッジを適当に貼り付けて、段々とらしくなってきました。

 

下の崖の部分には熊笹を茂らせることにしました。これも前回と同様の手法です。
 実働時間にして約10時間程度で出来上がったこのジオラマ。これと云って新しい試みをした訳でもなく、前回のモジュールで培った技法の踏襲で「作品」と呼ぶにはいささかおこがましい出来ですが、まあ、展示用としては及第点でしょう(^^♪。

最後の問題はこれをいかに壊さずに旅行の3日目までクルマで運ぶか、です。何せ乗っていくクルマは足まわりの固いユーノスロードスターなのですから・・・(^^ゞ。




後日談


 

狭いトランク内には着替えが入ったバッグ類で満杯なので、納め場所は幌を畳んで仕舞うスペースに。走行中にバウンドで破損してはいけないので、強力な両面テープで固定して臨みました。とはいえ、やはり本四連絡橋は幌を下ろして走りたいので、さすがにこの状態では不安。仕方なく足元に移動して難なきを得ました(^^♪。

 

途中、猛暑によりクルマのエアコンが故障したりしながらも(何せヤワな信州仕様ですから(^^ゞ)無事、馬路村入り完了。まずは村役場に寄って前回のお礼かたがたプレゼントを進呈。役場の皆さんも集まって来られ、盛んに驚いておられました。村長室にでもぜひ飾ってやって下さい、とお願いして、いざ取材へ。

 

役場からは車庫のある魚簗瀬・丸山支所に連絡を入れておいて頂き、懐かしの丸山公園に。前回は役場の近くの野外に置かれていた酒井は、この車庫の中に移動していました。

 

その代わりに特殊軽量機関車は軒下に追いやられていました。真夏の車庫内は暑いので、むしろこちらは大歓迎!藪蚊の猛攻撃には遭いましたが(^^ゞ。脇にはオリジナルの妻板や屋根板が保存(?)されていたので、これもラッキー(^^♪。約2時間ほど掛けて採寸を完了して、馬路村をあとにしたのでした。