Chapter.6「田圃に水を流し込みます」の巻

 

レールの頭の光沢もそうですが、艶消しの情景の中に何か光る物があると、グッとレイアウトは生きたものになってきます。
 ですから、ボクはどんな情景でも必ず水場を作るようにしています。それが例え道路の水溜りであっても。
 今回の設定は桜咲く春にしたかったので、田圃には稲を植えませんでしたが、「そろそろ桜の花も散り始めたので代掻きでもしようか」という雰囲気が出せたらと思って工作しました。
 水の素材はいつもと同じ「デブコンET」です。これの透明度は格別で、これ以上の物はないと信じています。
 主剤と硬化剤を正確に混ぜて、油性インクを数滴垂らして着色しますが、水の流し込みは2回に分けてするつもりですので、一回目は底に近い方の緑色っぽくしてみました。
 絵の具の水色は薄青色ですが、「水は水色」というのは全くのウソで、透明なのは御存知の通りです。我々が見ている田圃やダム湖の水というのは、その周りの状況(木立など)や水面に反射する空の色だったりする訳で、シチュエーションによって様々です。

 

夏場ですとカチカチに硬化するまで少なくとも12時間は掛かりますので、慌てず良くかき回したものを田圃に流し込んでいきます。
 これが一回目に流し込んだところです。

 

二回目は青系のインクを混ぜて、色に深みを出していきます。この二回目に移る前に鮒でも泳がしてやったり、脱げた長靴を沈めてやるのも良いでしょう(^O^)。

 

二回目の水も流し込んだ田圃。正に鏡面です(^v^)。
 ただ、これでは動きが無くてつまらないので、まだ雪の残る山から吹き下ろす風を表現したくて、北側から吹く風を表現してみました。
 北側というのは「防風林が何を守っているのか?」を考えればすぐに判るはずです。
 半乾きの状態の時にワイヤーブラシを押し当てて(必ず一方向から)さざ波を作ります。

 

これが出来上がったさざ波です(^_-)。これでまた「動き」を表現する事ができました。
 デブコンを流し込むと、どうしても表面張力であぜ道も「濡れて」しまいますので、これを隠すために、その部分に草を撒いておきます(右の写真は半分だけ処置して対比させたものです)。