「沼尻鉄道現地調査会」の巻-3

 

さあ、線路跡探訪の再開です。今回持参した航空写真はとても参考になりました。線路跡というのは、そのまま間道になったり、サイクリングロードになったりしているので、正確な路線図が無くてもそれを辿ることが出来るからです。ここは酸川野の駅跡。自動車が走っている道が昔の軌道跡で、左の細い道が国道でした。ここのモジュールを作った畑中シェフは現地に立って、感動した様子でした。



 

酸川鉄橋からみた川の表情。ひと言で「川」と云っても、その表情はさまざま。前にも書いたように新潟平野を流れる川は信州のそれとは違うし、ここ磐梯山麓を流れる川は木曽の川とも表情が違います。そんな違いをモジュールに再現できれば嬉しいですね。



 

会津樋ノ口構内だったところにあった建物。そのまま時間が止まってしまったようです。会津樋ノ口の駅跡はすっかり変ってしまいましたが、ここに立つとそこここに面影を見出すことができます。



 

 

会津下館です。停車場跡にはこのような看板が立てられているので、往時をしのぶことが出来ます。下館名物(?)のトイレも当時のまま。駅構内の農業組合の建物は風格があっていいですねえ。共同存栄の文字が往時の気概を感じさせてくれます。ボクも早くこの建物を作ってモジュールを完成させなきゃ。



 

内野(うつの)近くにある消防小屋。ここでも採寸していますねえ。隣の家は不思議で、二階の戸を開けるといきなり外になっちゃっています。「危ない」っていう看板が立っていますが、気をつけないと本当に危ない感じ。



 

 

いよいよ川桁も近づいてきました。桜の花で有名な橋です。実はここには3連で橋が架かっていて、鉄橋の他にも模型化したくなるようなイイ感じです。真夏に行ったときには水もチョボチョボだったのですが、この時期は雪解け水で結構水量がありました。



 

 

JR川桁駅はすっかり変ってしまいましたが、沼尻鉄道が走っていたところは道路に変っていて一目瞭然。駅前には記念碑が建っています。構内の端には古色蒼然とした農業倉庫が。後から付けられたサッシ窓が、長瀬農業倉庫の浮き文字を侵食しちゃっています。




こうして二日間の旅は終わっていきましたが、今回は安部さんとお会いすることが出来て、本当に実りある取材旅行となりました。地元で「軽便おばさん」と呼ばれているだけに彼女の沼尻鉄道に対する愛情の深さには、我々も胸を熱くさせられる思いでした。そんな彼女の情熱に応えるためにも、来年の秋には何とか地元で公開運転会を開いて、地元の人々に喜んで貰いたい、そんな熱い思いを胸に帰宅の途についたのでした。