木曽森林鉄道・田島停車場の構内を観察する−2


田島には事務所や修繕庫などもありました。今回はこれらをご紹介いたしましょう。
取材:平成15年12月14日 田島停車場跡

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洒落たデザインの事務所の前には松も植えられていました。今では荒れ放題ですが、当時は職員が手入れをしていたのでしょう。


蒸機時代には修繕庫に隣接するこの事務所は無かったはずです。という理由は次にお話をします。西側の面だけはモルタルになっていて、修繕庫への通路になっています。


この修繕庫は2階建部分と平屋部分から構成されています。2階建部分は蒸機時代には、2階から機関車に薪を落とし込むような施設になっていました。壁面をよく見ると、板の継ぎ目が不自然なことに気が付くでしょう。煙突が出ている周辺です。機関車がこの1階部分に入り込む構造になっていたため、その用途が無くなってから貫通部分に板を貼ったからです。「火気厳禁」の焼却炉が面白いですね。


張り出し部分は洗濯場になっていました。道路側はある意味で最も田島らしい場所です。ここにはかつて丸型や大小の楕円タンク車が横付けされており、ここでタンクローリーから積み替えられたタンク車たちは、奥地で働く機関車や集材機たちに燃料を運んでいました。


この部分にプラットホームがありました。背が高い部分の2階には扉がありますが、かつてはここにはデッキがあり、ホームに下りられるようになっていました。