Chapter.3「宿舎を作る」の巻


発足したばかりの「木曽モジュール倶楽部」で2003年5月10日に「木曽の視察」が行われ、氷ケ瀬から黒淵まで歩いて行ったことがあります。
 その時の模様が写真で残っています。
 黒渕は助六へ至るウグイ川線と小俣線が分岐する場所で、ちょっとした中継基地でした。
 そんな事からここには比較的大きな宿舎(地下1階式の)があり、そこで発生する洗濯物を陽当たりの良い詰所の屋根上で干したことから、あのような特徴的な詰所になった訳です。
 山峡の狭いスペースの有効活用という事でしょう。
 その時に宿舎の詳細な写真を撮っていましたので、21年前に作ったときと同様にこの写真を元に設計をする訳ですが、パソコンの画像を見ながら図面を描くというのはやりにくいので、A4の紙にプリントアウトしてみました。
 幸いにも日本家屋というのは1820x910mmが基本になっていますので、このような写真からでも割と正確なものを作れます。
 表側から見るとごく普通の大きめの詰所のようですが、裏側(つまり、ウグイ川の断崖側)から見ると地下1階の建物で、いかにも河辺に建てられた旅館のようです。
 それがこの宿舎の最大の魅力なのですが、断崖にせり出した部分は頑丈なコンクリートの土台や壁で覆われていて、地下1階の半ばほどは見えなくなってベランダ状になっています。

 

26枚の写真から寸法を割り出して図面を描いて、ボール紙に書き写して下見板を貼っていきました(^^♪。
 左右は162mm、奥行きは84mm、高さは87mmという、ちょっとした2線機関庫のような大きなものになります(^O^)。
 今回の建物は地下1階式ということだけでなく、窓割りも不規則で、しかも出窓があちこちにあるスタイル(@_@)。

 

 

結構大変でしたが、こうやって3次元の形になってみると達成感(^O^)があって、頑張って良かった、生きてて良かったと思えます(*^^)v。
 流石に詰所と違って大きいのでボリュームがあります(^_-)。
 戸袋は収納する枚数の違いによって、3mm、4mm、5mmと違えてみました(^^♪。

 

例によって薄く溶いたフラットブラックを何度も染めるようにして塗っていき、箱状に組み立ててみて発生した問題点を解決して、土台のコンクリートを厚いボール紙で作ってライトグレーに塗っておきました。
 ひと晩経って塗り具合を見たら良い感じになっていたので、土台を接着して、より強固な建物になりました(^^♪。

 

ヒサシの部分にキャンベルの波板を接着してから艦底色で塗装。ここは屋根板を塗ったら一緒にウェザリングをします(^_-)。

 

あとは窓ガラスを貼って母屋は完成なのですが、やってみたかったことのひとつが男子用小便器(^O^)。
 これは靴を脱いでまで宿舎の中のトイレを使うほどでもない場合に作業員が使ったものと思われ、結構良いアクセントになるなと思っていたんです(^^♪。
 この小便器はいつか使うこともあるだろうと、ガレージメーカーがレジンで作ってヤフオクで売っていたのを2個買っておいたもの。
 その「いつか」に恵まれた訳で、コックピット色に塗って貼り付けたらイイ感じになりました(*^^)v。

 

屋根の制作です。
 例によって厚めのボール紙を使いましたが、補強材?の本数は実物の写真でその本数を数えて、同じ数にしたら約6mmピッチになりました。
 何も本数まで拘る気持ちはさらさらないのですが、同じ数にしておけばピッチの感じが同じになると思ったからです。
 その補強材はいつものように1mmの角材を使用しましましたが、これはもう20数年前に東急ハンズでまとめて買っておいたもの。
 幸いにも今回の分には間に合いましたが、1mm角材などというものは素材が桧という素材だけに、どうしても寸法にばらつきがあるのは仕方がありません。
 僅か0.2mm違うだけでも見た目には正方形には見えず、そんなものは使うのを避けてきたので、ここにきてそんなものばかり4本(900mm長)が残っていました。
 そのまま使うのには抵抗がありますから、カッターで削ぎ落して使いました。
 今はこんな特殊な角材でもアマゾンで買えるので50本セットを注文しておきましたが、田舎に住んでいても便利になったものです(^^♪。
 艦底色がなくなったので、松本まで行ってきました(^_-)。

 

 

屋根を艦底色に塗って、充分に乾いたところでウェザリングマスターのサンドでニュアンスを付けて完成(*^^)v。
 さて、次は地下1階の部分のコンクリート製擁壁というか土台を作らなければならず、これをどうやって作るか悩むところです。
 紙ねんどで作れば質感は良いのですが、均一な厚みで作るのは無理だし、バルサ板で作れば加工もしやすくて良いのですが、何かでコーティングをしないと板の質感が残っちゃうし。