キット組立講座

木曽の酒井製モーターカーU

第1回
平成12年の模型ショウ記念発売製品は、木曽の酒井製モーターカーUです。このモーターカーは、歌登のマイクロレールバスから受け継がれ、いくつかの改良を重ねた好評の動力装置を装備しながら、外観的にはこの車輛特有の愛らしい表情を再現するように設計されています。
  この講座を御覧になれば製品の概要がお判りになると思いますので、10月28日の発売を楽しみにお待ち下さい。

1.まずは下まわりから工作を始めます。フレームをスペーサーを使って歪まないように組み立てます。集電シューの付く部分はホゾ組みになっていますので、作業は楽なはずです。

2.床板のまわりには縁板を半田付けしますが、この縁板は正確に曲げ済みで、しかも床板には半田シロがありますので、定板の上で作業すれば簡単に歪み無く組めるでしょう。


3.この段階で床板の角穴にフレームの凸部を差し込み半田付けします。


4.床板には握り棒や台枠、ロスト製の軸受やカプラー、補強棒などを半田付けしていきます。



5.モーターにはウオームギヤーを瞬間接着剤で止めておき、集電シューには配線をしておきます。この集電シューはランナーに付いた状態でラグ部分を曲げて、写真のように半田付けしてからランナーを切り離すと作業がし易いでしょう。


6.この段階で床板に大小のウエイトをビス止めしてしまいます。集電不良になりやすいナローといえども、これだけ大きなウエイトが搭載されているので、安定した走行に対しても万全です。これで、とりあえず下まわりの工作は完了です。


第2回
まずは、前回の訂正からさせて頂きます。床板には台枠を、さらにカプラーを半田付けしてからフレームを半田付けするようにした方が作業がし易い事が判明しました。訂正させて頂きます。さて、今回は上まわりの組み立てです。

1.まずは側板に窓枠を半田付けします。テスリを取り付ける為の穴どうしを合わせるようにすれば、位置は決まるでしょう。

2.そして妻板です。正面にはまず窓枠を半田付けします。左右間違えないように注意。背面にはドアーを半田付けします。ドアーは下から7.5mmの位置に万力などで折り目を軽く付けておくと良いでしょう。ピンセットでドアーを押さえながら、ぐるりと周りを半田付けしていきます。(写真:右側)
3.正面の窓枠の上には"へ"の字型の水切を、背面のドアーの上にはRに曲げた水切を半田付けします。各々半田付けした時に上を向かないように注意して、水平になるように留意します。そして半田を綺麗に仕上げます。(写真:左側)


4.ラジエターグリルやヘッドライト台・バックライト、ワイパーを半田付けします。ロストワックス製のラジエターグリルは、ステンレス用のフラックスを使うと、半田が良く流れてくれます。ヘッドライト台はレールと各々が正面を向くように留意し、バックライトは水平になるように留意します。ここまでいくと、結構感じが出てきましたネ。当社のライト表現は洋白のリムが別パーツになっていて、さらにレンズを付けるので、塗装したあとで感じが良いと評判を頂いております。



5.側窓のテスリを半田付けします。途中の窓桟部分にはエッチングパーツの受けを入れながら。側面ドアー脇と、背面ドアー脇のテスリは塗装の便(マスキングの便)を考慮して、塗装後に接着します。この段階で横雨樋も半田付けしておきます。最後に背面側に上下取付板を下面とツライチに半田付けし、サンドペーパーの上で総ての下面がツライチになるように、また側面と妻板との継ぎ目もペーパーで仕上げておきます。これで半田付け作業はオシマイです。次回は塗装に移ります。


第3回
1.上まわりの塗装をしましょう。まず全体をスカ線クリームに塗ってから、ライトグリーン(京阪淡緑)を塗るためにマスキングをします。窓の内側にもテープを貼ることを忘れないように。これを忘れると、窓枠から塗料が入り込み、窓枠の断面は勿論のこと、場合によっては外側にまで吹き込んでしまう事があります。

2.ライトグリーンを塗ってテープを剥がしたところ。この段階ではまだ窓枠のテープは貼ったままです。例によって塗装は竹串をネジ穴にネジ込んで作業しています。


3.更にマスキングをして赤を塗ったところです。そして、Hゴム部分にはグレーを烏口などで色差しします。Hゴムの数が少ないから楽ですネ。


4.テスリ・ライトリム・ライトレンズ・窓ガラスを接着して、上まわりは出来上がりです。ここまでくれば、もう出来たようなもの。気を抜かないで動力装置の組み立てに移りましょう。


第4回
1.黒く塗っておいた下まわりに、まずアイドラーギヤーを組み込み、モーターを仮止めします。フレームに動輪を入れてみてギヤーの噛み合わせを確認してから、モーターを止めるビスを本締めします。そして、集電シューを組み込み、モーターのラグに配線を半田付けします。

2.動輪のギヤーにはセラミックグリースなどの油を塗って、動輪押え板をネジ止めします。この状態でモーターのラグにパワーパックから配線して、空回しをしてギヤーを馴染ませます。


3.前後のビスを止めて出来上がりです。