キット組立講座

蒲原のモハ11・12/庄内のモハ5

第1回
様々なパーツを組み合わせて楽しむ事も可能な製品の第二弾として企画された本製品。御予約を頂いた内容は多種多様で、皆さんがいかにこの手の模型の楽しみ方をエンジョイされているかが窺われ、興味深いものがありました。
  前置きはさておき、3月の予告以来、大変お待たせしてしまいましたが、ようやく御披露出来る状態となりましたので、組立講座を開設いたします。

写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。

1.さて、組み立てを開始しましょう。まず、側板にリベット付きのウインドウシル・ヘッダーを半田付けします。若干長めになっていますので、はみ出した部分はヤスリで仕上げておきます。写真上が仕上げる前、下が仕上げたところです。


2.次に窓枠を半田付けします。写真上が蒲原タイプ、下が庄内タイプです。
その後に上下止め用アングルを半田付けしますが、当社の製品共通の基本設計にならって、車体裾にアングルを沿わせて位置決めするようになっていますので、作業は簡単です。


3.さて、今度は妻板の工作に移ります。窓枠を三面鏡のように折り曲げてから、妻板に半田付けします。その後にウインドウシル・ヘッダーを半田付けしますが、長さが割とシビアーなので、全長66mmの半分の所に印を付けて、それが中央窓の中央に来るように留意します。蒲原のモハ12にはドアーがありますが、気にしないで通しで半田付けしてしまいます。そして、余った部分をヤスリ仕上げしておきます。


4.モハ12のシル・ヘッダーはドアー部分を細かい三角ヤスリで削り取ります。そして、細かい部品を半田付けします。テールライトはレールと平行になるように留意しましょう。写真の左から、蒲原のモハ11・12、庄内のモハ5です。窓やワイパーの位置が違います。


5.ドアーを半田付けします。モハ12はドアーの中央に窓が来るように、モハ5は窓どうしが合うように留意しましょう。そして、ドアー下の欠き取り部分にロスト製のステップを半田付けします。


第2回
1.ここで、前面と側板とを組み合わせます。ウインドウシルの下の手摺も半田付けしておきます。上の手摺は塗り分けの便を考慮して塗装後に接着することにします。ピントがチョットボケてしまいましたね。スミマセン。しかし、逆戻りして再度撮影出来ないので御容赦ください。


2.次に前面の雨樋を半田付けします。順を追って御説明致しましょう。全長の半分の所に印を付けて、前面の中央を目指してチョンと半田付けします。側板でもそうですが、雨樋の位置を決めやすいように、エッチングで凸になっていますので、作業がしやすいでしょう。
  次に両脇の窓の上の辺でまたチョンと半田付けします。そして雨樋を指の腹でコーナーを曲げます。そして側板の雨樋と合うように両端をカットします。そして全体に半田を流します。



3.ドアー上のウインドウヘッダーを半田付けしてから、縦雨樋を割ピンを使って半田付けします。縦雨樋は横雨樋の所で少し曲げて、車体から縦雨樋を浮かすようにすると、あとで塗り分けの時に作業がしやすいでしょう。


4.屋根板をはめ込みますが、現物合わせでピッタリと入るようにヤスリで調子を見ましょう。どうですか、ここまでくれば、結構感じが出てきますね。


第3回
1.ここからは庄内のモハ5についての話になります。庄内の電車には、屋根上にランボードがあります。その工作に移ります。ランボードの裏側には凹があって、そこにプレス部品の支え板をはめ込み半田付けします。この凹があるために位置決めも大変楽になり、作業性もUPするはずです。
  全部の支え板を半田付けしたら、両端のランナー部分をカットします。右の写真が、そのカット前とカット後のランボードの状態を示しています。

2.出来上がったランボードを屋根板のスリットに差し込んで半田付けします。ここまでが庄内の電車のみの話。


3.前照灯支え板は写真右のように凹部分で折り曲げて、屋根の小穴に足を差し込んで半田付けしますが、少し下を向けると実感的になるでしょう。


4.次にパンタ引き込み線を割ピンを使って半田付けします。この引き込み線も、車体から少し浮かし気味にしておくと、塗り分けが楽になるでしょう。線の両端は写真のように曲げておくと実感的になると思います。


第4回
1.さて、これからは下まわりに移りますが、まずは床下機器の組み立てです。ブレーキシリンダーは2ピース構造になっていますので、写真のように組み立てます。

2.その他のロスト部品を床下機器取付板に半田付けしてから、今のブレーキシリンダーを瞬間接着剤で止めます。上から順に蒲原のモハ11・モハ12・庄内のモハ5の左右です。






3.付随台車は写真左のようにプレス部品のマクラバリをEリングで止めてから、写真右のように集電シューをはさみながらビスで止めます。小振りの台車にはやっぱりスポーク車輪が映えますネ。


第5回
1.次は動力側台車関係の組み立てです。ギヤーボックスは写真のように順に組み立てていきますが、歪みのないように注意しましょう。

2.動輪押さえ板には台車枠を半田付けします。ロストワックス部品の半田付けには、ステンレス用フラックスを薄めて使うと、半田が流れ易くなります。取付穴は長穴になっていますので、台車枠がなるべく下にくるように留意してください。


3.ここからは床板まわりの組み立てです。写真左から順に。床板の切り欠いてある部分にアングル状になった台枠を半田付けするので、作業はやりやすいと思います。次に台枠の櫛状になっている部分に、三角板を半田付けします。


4.次に付随台車用ボルスター・ジャンパ栓・エアーホースと座・ブレーキホイール・カプラー開放テコ受・カプラー座を床板に半田付けします。最後に床下機器ユニットをビス止めします。


5.パンタグラフや避雷器、ベンチレーターなどを仮に載せてみて記念撮影に望むモハ11とモハ5。雰囲気が出てきました。


第6回
1.さて塗装に掛かります。例によって細かい部品は竹串に刺して、発泡スチロール板に突き刺し、塗装に備えます。車体のようなある程度大きな物は、箱をゲタにして、その上に載せます。ウチではお中元などに送られて来る缶ビールの入っていた箱に、不要になった化粧箱を両面テープで止めた物を作ってあります。


2.一色目を塗ったところのモハ11とモハ5。蒲原の黄色は、マッハ模型の101系用カナリヤ色一缶に、ほんの数滴のキハ58系用朱色を垂らしたものが、良い感じになりました。庄内のクリーム色は気動車一般色用のそれです。


3.蒲原のマスキングの流れを示しています。まず窓から上をマスキングして、阪急マルーンを塗ります。次にマスキングの上半分を剥がします。最後に屋根以外をマスキングテープで覆います。


4.今度は庄内のマスキングの流れです。シルヘッダーを含めた窓まわりをマスキングして、気動車用朱色を塗ります。そして、屋根以外をマスキングテープで覆います。蒲原の場合もそうですが、窓まわりの内側にも、マスキングテープを貼る事を忘れないようにしましょう。


5.屋根にダークグレーを塗って、ひと通り塗装作業を終えた上まわりです。また、パンタグラフは別に黒く塗っておき、シューの擦板部分は磨き出しておきます。


第7回
1.別にライトグレーに塗っておいた、通風器・避雷器(モハ11・12のみ)・前照灯をエポキシ系接着剤で接着します。


2.全体にクリヤーラッカーを吹き付けてから軽くウェザリングを施し、ヘッドライト・テールライト・ドアー表示灯といったレンズ類やパンタグラフを接着し、窓ガラスも貼り終えたところのモハ11・12・モハ5です。さあ、これで上まわりも完成です。


3.下まわりは床板にプリント基盤をビス止めし、付随台車を組み立てておいたものをセンターピンで止めます。動力側台車もギヤーを組み込んだりしたものを、センターピンで床板に止めます。


4.モーターを組み付け、ウオームギヤー部分にカバーを付けます。これで油分が飛散しなくなるはずです。モーターのラグ板と、付随台車側のラグ板とを並列に配線しておきます。


第8回
1.いよいよ大詰めです。上下を1.4x3mmビスで止めてから、開放テコにテコ受Bを通してカプラーを1.4x6mmビスで止めます。これで出来上がりです。


2.早速、工場から回送されて、出羽電鉄の本線をテスト走行する各車。このあと、各鉄道に引き取られて、活躍することでしょう。