キット組立講座

キハ04U/美唄のキハ101

この製品は平成4年に発売されたキハ04をリニューアルしたもので、モーターの高性能化を始め、各所に改良が加えられています。また、あらたなラインナップとして「美唄のキハ」を加えたことで魅了が増しました。ここではキハ04を基本に解説をしていき、特記事項の部分で美唄を採り上げる方法と致しました。じっくりと順序だてて説明していきますので、この通りに組み立てれば、さして難しいキットではありませんので、チャレンジしてみて下さい。

第1回
1.車体から組み立て始めます。まずウインドウシルとヘッダーを半田付けします。ランナーが少し残るくらいにしておき、半田付けが終わってから仕上げると良いでしょう。作例では特にしませんでしたが、シル/ヘッダーの裏側に半田を薄く引いておく「半田メッキ」をすると、作業性が良くなるかも知れません。窓枠は車体の裾合わせで位置決めをして半田付けをします。
 


2.次に妻板の工作に掛かります。まず窓枠を半田付けしますが、キハ04の場合は2種類の中から、美唄の場合は別に入っている窓枠を選んで、ランナーから切り離しておきます。写真のように中央の2枚の窓の左右でカットして、妻板の窓枠と合うように確認をしておきます。この窓枠を半田付けしたら、今度はドアーを半田付けします。このドアーも色々種類がありますから、お好みのものを選んで下さい。但し、美唄のドアーはプレスドアーで下の小判型窓が塞がれているタイプを使用します。
 


3.妻板にもウインドウシル/ヘッダーを半田付けしますが、物差しで長さを測って真ん中の部分に、マジックインキで印をしておきます。この印をした部分が正面の中央にくるようにして、まず真ん中で半田付け。さらに外へ外へと半田を流していき、コーナー部分を指で押し曲げて、最後に両脇の部分を半田付けします。


 


4.妻板にテールライトケースを半田付けしますが、この光軸はレイルと平行になるようにセットします。このための方法として、テールライトケースの穴に楊枝を挿して、それを指で押さえながら半田付けすれば簡単でしょう。その他の細かいパーツもこの段階で半田付けします。美唄の場合は前後の妻面のディテールは違いますので、間違えないようにして下さい。ジャンパ栓取付板の側面側は、側板の内側とツライチになるようにします。この妻板の仕上げとして、上下取付板をドアー板の四角い穴にセットして半田付けしますが、ここは上下方向に多スキがありますので、なるべく上の方に押し付けるようにします。
 
 


5.妻板を車体に組み合わせます。上下方向の合わせ目は、雨樋の細いエッチングの凸線が目安です。ドアーの裏側からその上下部分と後ろ側に半田を流します。これに屋根先を半田付けしますが、外観上目立つところですので、丁寧にカーブが合うように留意して作業しましょう。次に車体側面に雨樋を半田付けしますが、あらかじめ168mmにカットしておきます。これをエッチングの凸線の上に乗るようにセットして下さい(雨樋は表裏間違えないように注意)。車体コーナーには漏斗が付きますが、あらかじめ湯口をカットして下側をツライチに仕上げておきます。
 
 


6.この漏斗をコーナーに半田付けしたら、正面の雨樋を半田付けしますが、片方をチョンと半田付けしてから、長さを現物合わせしてカットします。キサゲで綺麗に仕上げたら、ヘッドライトブラケットを半田付けします。2本の足は裏側から、下の部分は表側から半田付けします。美唄にはタイフォンの防風板も半田付けしておきます。
 


7.縦雨樋を作ります。雨樋に割ピンを3個組み合わせて車体に差し込み、割ピンのピッチが決まったら、そこで雨樋と割ピンとを半田付けをします。つまり車体の穴を治具に使うのです。半田付けをしたら、竹串に両面テープを巻き付けたものに付けておき、塗装に備えます。美唄は床下のジャンパ栓コードがボディー側のジャンパ栓に合うように調整しておきます。これで上まわりの半田付け作業は終わりです。
 


第2回
1.床板まわりの工作です。とは云っても床板に半田付けする部品はさしてありません。床板のスリットにステップを差し込んで半田付けをしたら、ちょうど真ん中くらいの位置に中段を半田付けします。小穴には開放テコ受を半田付けして、さらに開放テコを半田付けします。美唄の場合は片エンドにジャンパ栓が付きます。
 


2.ブレーキシリンダーは組み立て式です。本体の前後部分に凹穴がありますが、ここをΦ1.0ドリルで軽くさらっておき、そこにランナーをカットしたテコを差し込んで瞬間接着剤で止めます。写真をよく見て、差し込む向きには注意して下さい。またテコの片方は写真のように先端部をカットしておいて下さい。美唄のスノウプロウは、ランナー部分をカットして写真のように仕上げておきます。
 


3.1.4x2mmビスで止めるモーターブラケットも含めて、床下機器を瞬間接着剤もしくは1.4x2mmビスで床板に止めていきます。
 


4.モーターカバーにはエンジンを瞬間接着剤で止めます。下側とサイドの突起帯がモーターカバーに引っ掛かるような位置で止めます。さらにコンプレッサーとマフラーも接着しておきます。美唄の場合はこれに耐寒カバーが付きます。ロストの歪みを指先で調整して、モーターカバーをビス止めするように折れ曲がった部分の先と、エンジンフレームに引っ掛かるように、瞬間接着剤で止めますが、エンジンの下枠は0.5mmほどヤスッておいて下さい。ビスを逃げる半円形の欠きが位置決めの目安です。
 


5.台車を組み立てますが、ギヤーボックス側の台車は別の袋に入っていますので、混ぜないで下さい。この台車の軸穴は少し大きくなっています。まず台車枠の排障器部分を左右各2個づつカットします。担いバネ部分を台車枠に組み合わせて半田付けしますが、上下を間違えないようにして下さい。ボスが下側にくるようにセットします。出来上がったらマクラバリとEリングを使って組み合わせます。非ギヤーボックス側のマクラバリには、逆転器を軸箱の位置と揃うように1.4x2mmビスで止めます。
 


第3回
1.運転室を組み立てます。エッチングで凹になった部分で写真のように折り曲げていき、椅子やブレーキ弁を瞬間接着剤で止めます。ブレーキ弁の飛び出た取付ボスはカットしておきます。
 


2.客用椅子をプリント基盤に(配線が上になるようにして)瞬間接着剤で止めます。基盤には穴が沢山開いていますので間違えないようにして下さい。まずクロスシートを止めてからロングシートを止めると良いでしょう。


3.ギヤーボックスを組み立てます。ウォームギヤーにシリコングリスを少し塗って、動輪を組み込みながら1.4x5mmビスで止めますが、動輪の絶縁方向には注意して下さい。写真左の状態で手前側が通電側になります。動輪軸とギヤーボックスが接する部分にはオイルを垂らしておき、滑らかに回転することを確認しておきます。さらにユニバーサルジョイントの受け側を軸に押込みます。ユニバーサルジョイントの中子も組み立てます。軸が目一杯入る所まで押込みますが、入りにくいようでしたら、オイルを一滴垂らすと良いでしょう。配線コードを半分にカットして、モーターに配線をします。コードの先端部にはラグ板を半田付けしておきます。モーター軸にもジョイントの受け側を押込んでおきます。最後にジョイントの受け側の割りが入っている方は、2個とも1mmほどカッターでカットしておきます。
 


第4回
1.さて塗装に掛かります。プリント基盤は全体を紺色に塗ります。モケットの感じにしたかったのですが、好みで他の色でも良いでしょう。塗りあがったら4ケ所のネジ穴部分を磨いて配線が出るようにしておきます。運転室はクリームに塗り、椅子だけは紺色にプラカラーで塗っておきます。計器盤はライトグリーンに塗って、メーター部分には白を差しておきます。このように小さな部品は、写真のように両面テープを巻いた竹串で保持すると作業性が良いでしょう。
 


2.黒く塗っておいた台車に動輪と付随車輪を組み込みます。軸穴に塗装は回っていませんか?ドリルでほじる場合には、動力側が1.4mmのドリルで、付随側が1.3mmのドリルで舐めるようにほじると良いですが、あらかじめ軸穴にはマスキングテープを貼っておくのも良いでしょう。写真で動力台車の手前側が絶縁車輪、付随台車の手前側が通電車輪です。床板を黒く塗ったら、プリント基盤を薄い両面テープで止めます。この時に、台車を止めるセンターピンを差しておくと位置決めが出来て良いでしょう。
 


3.台車を床板に止めます。動力台車は上からセンターピンを差し込んで、付随台車は下から差し込んで止めますが、ボルスターも違います。動力側は大きなものを、付随側は小さなものを使い、各々コイルスプリングを挟んで締め込みます。付随側は1.4mmナットでプリント基盤に止めます。
 
 


4.モーターを取り付けます。1.4x2mmビスでモーターブラケットに止めますが、その時にユニバーサルジョイントを差し込みます。モーターはマシマのシールが貼ってある方が見える向きにセットします。配線はプリント基盤の穴を通しておきます。その配線の先のラグ板をプリント基盤に1.4x2mmビスで止めます。ここでモーターカバーを1.4x2mmビス(小頭)で床板に止めます。この向きは外観図を参考にして下さい。これで下まわりは出来上がりです。
 


5.車体の色は、キハ04がマッハ模型の2番(一般気動車朱色)と15番(82系クリーム)、美唄が48番(長野電鉄ファーストレッド)と15番に塗ると良いでしょう。塗り分けの便を考えて、縦雨樋で別に塗りますが、最初にクリーム色を塗ってから、その窓部分をマスキングしてもう一方の色を塗ります。正面下部のエンドビームを、美唄の場合はジャンパ栓台も含めて黒く塗ります。通風器やヘッドライトは別にライトグレーに塗っておき、エポキシ系接着剤で止めます。ここまで出来たら、一応クリアーラッカーをサッと吹き付けて、トーンを整えておきます。


 


6.ヘッドライトレンズやテールライトレンズも接着して、ヘッドはクリアーをテールはクリアーレッドのプラカラーを差しておきます。窓ガラスをプラ板などから切り出して貼ったら、計器盤をゴム系接着剤で止めます。そして、運転台を1.4x2mmビス(小頭)で止めます。下まわりとは1.4x2mmビスで止めて(美唄の場合はスノウプロウを介して1.4x3mmビスで止めて)出来上がりです。