キット組立講座


問寒別の泰和製5tDLU


旅客軽便鉄道用としては割と多いのに、林鉄用や簡易軌道用として意外と少ないのが凸型DLです。
 しかも5tクラスとなると更に少なくなり、逆に何故この機関車が泰和で凸型で作られたのか、というのさえ興味を抱くほどです。
 とはいえ、運行を停止した昭和46年5月31日の約3年半前、昭和42年11月に泰和車輌で製造された本機は活躍した期間が短かったにも関わらず、様々な媒体に登場しているので、我々にとっては馴染のある機関車です。
 1997年に一度だけ製造して、19年の年月を経て改良再生産されたこのモデルは、その19年間のナロー用DLの基本となった製品で、そういう意味でもモデルワーゲン製品において、マイルストーン的存在でもあります。
 そんな泰和製5tDLの魅力をこの組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。


第1回
1.まずキャブの組み立てから始めます。側板と妻板とを組み合わせて半田付けしますが、妻板は前後似ていますが中央部にヘッドライトの穴がある方が後ろ(天窓の無い方)です。
 箱状になったら雨樋を半田付けしますが、上下方向の位置は屋根ヒサシ部のRが終わった所に雨樋の下辺が来るようにします。


2.ドアーにドアーレールを半田付けします。平らな板の上にドアーを置き、その下側に突き当てるようにレールを置いて表側から半田付けします。
 テスリが付く穴の方は1mm飛び出させておきましょう。



3.ドアーをキャブに半田付けしますが、上は雨樋に突き当てるようにして、左右方向はドアー脇のテスリ穴が塞がらない位置にセットします。



4.ヘッドライトケース、ワイパー、テスリ、天窓を半田付けしますが、天窓の開く方向は間違わないようにします。作例のように少し開いた状態にすると動きが出て良いでしょう。



5.ボンネットの組み立てです。まず、2種類のボンネットとも、側板と妻板とを組み合わせて半田付けします。写真の穴の位置を良く見て、表裏間違わないようにして下さい。その後で上下止め用アングルを半田付けします。
 あとは細かい部品を半田付けしていきますが、ハチの巣状のラジエターカバーや配線用コネクターは半田付けではなく瞬間接着剤で止めた方が、折角綺麗に半田付けをした妻板の半田を剥がす事も無いので良いでしょう。
 但し、出来上がってから気付いたのですが、作例では間違ってラジエターカバーを表裏逆に接着してしまいました(^^ゞ。皆さんは間違わないようにして下さい。
 なお、大きなボンネットの上に付く給油口のような物の内1個はラジエターの給水口で、こちらには段差がありますので間違わないようにして下さい。

 


6.ボンネットをキャブに組み合わせて半田付けします。

 


第2回
1.下まわりの組み立てですが、まずはギヤーフレームを歪みなく組み立てる事から始めます。2枚の側板と角型スペーサーで組んで行くのですが、写真のように床板を利用すると、やりやすいでしょう。但し、この段階では床板には半田付けはしません。



2.床板の反りを指で修正して側板を半田付けして、更にエンドビームを半田付けします。床板の側面は平ヤスリで綺麗にヤスり、上まわりを被せた時にドアー下部がスッと入る幅まで仕上げておきます。
 そして、カプラー・ステップ・握り棒の順に半田付けをしてからギヤーフレームを半田付けします。握り棒のボスは半分ぐらいまでカットして仕上げておき、半田付けするようにします。
 前後のウェイトは取付面に少し木工用瞬間接着剤を付けておき、タッピングビスで止めます。角型ウェイトのネジ穴は中央寄りになります。
 


3.台枠に軸受を半田付けします。ロストの具合で凸部の切欠きに入りにくいようでしたら、少しヤスっておいて下さい。


4.集電板には半分の長さにカットしたリード線を半田付けしてきますが、車輪と接するポチの面に半田付けをするようにしましょう。



5.モーター軸にはウォームギヤーを差し込んで瞬間接着剤で止めますが、目安として「軸がウォームの半分弱まで入る深さ」にセットします。木工用の方が落ち着いて出来るでしょう。



第3回
1.塗装に移ります。まずは握り棒の根元からマスキングテープで被覆しておき、塗装する総ての部品をWMC-52 MWプライマーで下塗りをしてからMWC-11 ライトグリーンで塗ります。今回は塗り分けは全くありませんので気が楽です。
 これが乾いたらHゴム部分にプラカラーのライトグレーで色を差し、好みによりMWC-10 フラットベースを若干加えたMWC-09 クリヤーでオーバーコ−トをして、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くウェザリングします。


2.塗料が乾いたら、ミラー面とヘッドライトケースの内側にプラカラーのクロームシルバーを塗ります。ヘッドライトリムとレンズをエポキシ系接着剤で止めて、レンズにはプラカラーのクリヤーを差しておきます。
 窓枠をゴム系で接着してから、プラ板から切り出した窓ガラスを貼ります。今回はライトグリーン一色でメリハリが無いので、タミヤのウェザリングマスターで排気管を若干サビ色に化粧するなど、しておくと良いでしょう。


3.ギヤーフレームには分解図を見ながらギヤーや集電板などを組み込んで行きますが、モーターの位置は仮に1.4x2mmビスで止めてパワーパックに配線して、ちょうど具合の良い位置を見つけるようにします。
 モーターのラグ板は右側に+になるようにセットして、配線はレールと並行にします。

 


4.一旦動輪押さえ板を外して動輪を抜き、台枠を1.4x1.4mmビスで止めてから、また動輪をセットして、押さえ板を1.4x2mmビスで止めます。
 上まわりとは1.4x2mmビスで止めて出来上がりです。連結には別売の「長いピン」を使うと良いでしょう。


PS:何と見本を組み立てた後、昭和45年9月に撮影された写真が出てきて、それは排気管のマフラーが撤去され、ボンネットから僅かに排気管が出ている状態となっていました。
 塗装済完成品を御希望の方で、その「末期姿」を御希望の方は御一報下さい。ご連絡がない場合は見本のような「初期姿」で仕上げさせて頂きます。











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