キット組立講座

根室拓殖の銀龍号V&W(前期型&後期型)



皆さんお待ちかねの銀龍号の復刻再生産です。
 とにかく独特の風貌が最大の魅力で、根室から歯舞までのおよそ15km程の距離を約1時間も掛けて走った(歩いた?)というのですから、まさに時代離れしたその姿は、ナローファンの間では伝説化している誉れ高き車両です。
 製品ではオリジナルのシルバードラゴンの名前の由来にもなった銀色(当時はかなり斬新な色だったと思います)の前期型と、その末期の姿たる増灯されて(赤帯はそのままに)青く彩られた後期型を模型化しました。
 そんな魅力あふれるドラゴンたちを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.まず、客室側板に窓枠を半田付けします。左右の長さは両者同じですので迷わないでしょうが、上下方向は「窓枠の上端が、側板の四角い穴の上端と揃うように」セットします。とかく上下左右の真ん中にセットしがちですが、この点は注意して下さい。幕板とウィンドウシルは裏側に半田メッキをしておいてから半田付けしますが、外側に0.5mmほど出っ張るような感じでOKです。
 前妻板上部と後妻板の上部に幕板を、後者の窓下には補強板を半田付けして、左右の面はツライチに仕上げておきます。後妻板には窓枠も半田付けしますが、こちらは僅かに上寄りにずらす感じで半田付けします。なお、この窓枠の左右は各々0.5mmほどヤスっておいて下さい。
 


2.側板と妻板とを組み合わせて箱状にしますが、「妻板の板厚が見える方向で」組みます。


3.後部のスリットにステップを差し込んで半田付けし、その支え板もスリット部で半田付けします。後部アングルはこのステップの内側の出っ張りに引っ掛けるような位置で水平に半田付けします。前方にもアングルを半田付けしますが、これは一旦床板をビス止めして、それにより取付位置を決めます。
 


4.屋根板は前後左右の飛び出し量が均等になる位置で半田付けしますが、前後はR部分全面に半田を流し、側面は真ん中あたりの一か所で止める程度で良いでしょう。


5.キャブの組み立てです。キャブ側板に窓枠を半田付けしますが、ドアーの下面合わせで上下方向は位置を決めます。前面はチリのプレスめくれをヤスって仕上げておき、側板と組み合わせます。窓枠の出っ張りを半田シロとして、屋根部分は補強板を宛がって半田付けをします。
 


6.4個ある窓枠はエッチングヌキの部品は使わずに、プレス部品を使い半田付けします。
 ウィンドウシルの裏側には半田メッキをしておき、写真のように真ん中あたりでチョンと半田付けをして、追うように左右に半田付けをしていきます。なお、窓枠とシルの間隔は1mm程度空くようにしましょう。ドアー部分の穴は塞がってしまいますが、ここはあとでφ0.6ドリルで開け直してやります。後方に出っ張ったシルはカットしてツライチに仕上げておきます。
 


7.客室とキャブとを組み合わせて半田付けします。スリットに出っ張りを差し込むので位置決めは簡単でしょう。4か所のスリット部で半田付けをすればシッカリとしますので、屋根部分に半田を流す必要はないでしょう。ここで後部ヘッドライトケースやドアー脇のテスリを半田付けしておきますが、半田で穴が埋まってしまっている場合は、前者はφ0.6、後者はφ0.4ドリルで穴を開け直しておきます。なお、前期型はキャブのオデコにもヘッドライトケースを半田付けしておきます。
 これで一応上まわりの半田付けは終わりましたが、ベンチレーターとドアーノブは塗装後に接着します。
 


8.最後にこの車両の華、ボンネットを1.4x2mm(大頭)ビスで止めます。そのままでは前側が気持ち下がり気味になりますので、上の方をヤスって水平が出るようにして下さい。う〜ん、この表情が堪らないですね!ヘッドライトリムとレンズは塗装後に接着しますので、なくさないように保管しておきましょう。


第2回

1.下まわりの組立作業はさほどありません。まず、床板に軸受を半田付けして床板の上に出たボスをツライチに仕上げておきます。この時に近くにあるネジ穴を半田で塞がないように注意しましょう。次にフレームを半田付けします。


2.前のエンドビームを1.4x5mmビスで、後ろのエンドビームを1.4x2mm(小頭)ビスで、ブレーキテコを1.4x2mm(大頭)ビスで止めます。各々のパーツには若干のバリがある場合がありますので、その際には綺麗に仕上げておきましょう。


第3回

1.さて塗装にかかります。まず総てのパーツをMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、前期型・後期型ともに上まわりはMWC-17 ウェザリンググレーで全体を塗ります。接着してしまうとマスキングしにくくなるベンチレーターは、この段階ではまだ接着せずに別にグレーで塗っておきます。
 そのあとキャブの屋根はプレスの継ぎ目から後ろをマスキングします。客室の屋根は板厚部分も含めてマスキングします。
 


2.次に前期型は銀色に、後期型はMWC-07 沼尻新塗装用ブルーで全体を塗り、ともにウィンドウシルの凹んだ部分をMWC-06 木曽の客車用レッドで塗ります。ヘッドライトケースの内側やワイパーはプラカラーの銀色で塗っておきましょう。
 


3.ヘッドライトケースにリムとレンズを、キャブの屋根にベンチレーターをエポキシ系接着剤で止めます。ベンチレーターは低い方が前です。最後にドアノブも付けておきましょう(写真を撮るときに忘れましたが(^^ゞ)。最後にMWC-10 フラットベースを適宜混ぜたMWC-09 クリヤーでオーバーコートして艶を整え、MWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧をします。但し、屋根の部分はMWC-05 グレーでウェザリングをします。プラ板などで窓ガラスを貼って上まわりは出来上がりです。ヘッドライトレンズにはプラカラーのクリヤーを差しておきましょう。


4.下まわりは総てMWC-02 黒で塗ってからボディーと同様に塗装を仕上げておき、最初に集電ブラシを組み付けます。その後に動輪とアイドラーギヤーを組み込みながら軸受板を床板に填めて、1.4x1.4mmビスで止めます。動輪のギヤーは左右どちら向きでも構いません。ブレーキテコは1.4x2mm(大頭)ビスで止めます。
 


5.半分にカットしておいた配線をモーターのラグ板に半田付けして、モーターをモーター台に1.4x2mm(大頭)ビスで止めますが、一旦モーター台を外した方が止めやすいでしょう。ウォームギヤーをイモビスで止めてギヤーの噛み合わせ具合をチェックします。このとき、モーター軸が水平になっているか?は非常に重要なポイントです。ウォームギヤーの位置はイモビスがギヤーに当たらないギリギリまで外側にセットしましょう。ここでモーターの配線をしますが、モーターの+側が進行方向右側の集電ブラシと結ぶようにします。モーターの軸端がウエイトと僅かに当たりますので、写真のように削っておいて下さい。
 


6.ウエイトを長いビスで床板に止め、別売の朝顔カプラーを1.4x4mmビスで止めておいたカプラー板を段付ビスで止めます。
 


7.上下は1.4x2mm(大頭)ビスで止めて出来上がりです。














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