キット組立講座

酒井製F1型5tボギーDL U
(木曽のNo.108)



5tDLと云えば一般的なイメージから「とても小さなDL」ですが、この整備重量でボギー式なのですから、車体の中はガラガラとはいうものの、極小サイズだという事は皆さんも想像がつくでしょう。
 その特異なスタイルからとても人気があるため、当社は2003年に製品化し、8年の歳月を経たいま、改良再生産に踏み切りました。
 車体幅は5tDLと同じ15mm!実車とは異なり車内は動力機構で一杯の「5tボギーDL」の魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.車体はエッチング加工された側板とロストワックスの前面から構成されています。まず、その「合い」を良くするために、写真のように側板の前後のヒサシ部分を水平にヤスッて仕上げてやります。くれぐれもヤスり過ぎないように注意してください。


2.その両部品を組み合わせたところです。合わさる部分のロストは、表面をキサゲ刷毛で磨いておき、更にステンレス用フラックスを使うと、半田が綺麗に流れます。更にラジエター通風口と雨樋を半田付けしたところです。通風口は側板にはめて、裏側から素早く半田を流しましょう。雨樋は折れ曲がった方が上側です。


3.ドアーの裏側には半田メッキをしておき、ドアーの前縁が妻板との継ぎ目になるように半田付けします。


4.車体アングルの半田付けには治具が用意されています。写真のようにアルミ板とアルミの挽物を使って1.4x3mmビス4本で組み立てます。これを車体にはめ込み、アルミ板の両端が側板とロストの前面との継ぎ目にくるようにセットします。そしてアルミ板の間の部分で半田を流し、これを取り外して、その部分に半田を流します。


5.屋根には通風ハッチを、前面には窓枠を半田付けします。これらは開いた状態にも閉じた状態にも選択出来るようになっています。ハッチは段差が付いた部分を屋根に引っ掛けるようにして、窓枠は上部のヒンジの部分を引っ掛けるようにして作業します。ヘッドライトの足は段差が付いた部分を1mm位までカットして、前面の穴に差し込み半田付けします。この段階で排気管を車体側面に裏側から差し込んで半田付け。SKWの銘板も半田付けします。銘板は裏側にあらかじめ半田を薄く流しておく「半田メッキ」をしておき、目指す箇所に置いたらフラックスを染み込ませ、周辺をコテで暖めてやる方法を採ると良いでしょう。


 


第2回
1.勢いに乗って、上まわりの塗装をします。今回はマスキングがし易いように、最初にMWC-05 上運営林署DL用グレーを軽く吹いてから(マルーンを直接塗ると、透過性があるので、下塗りをしないといけません)MWC-04 上運営林署DL用マルーンを吹き付けました。いわゆる金太郎と言われる塗り分けの場合、私は以下のような方法でマスキングを行います。まず、説明書の原寸の外観図に透明プラ板をセロテープで貼り付け、塗り分けラインに沿ってカッターでなぞっていきます。そこにマスキングテープを貼り付け、さっきカッターで付けて凹んだラインをなぞっていきます。そうするとマスキングテープの型紙が出来ますので、これをボディーに貼り付けます。今回は車体中央部で上に上がっていますので、これも同様に写真のようにやりました。
 




2.MWC-03 上運営林署DL用クリームも塗ったら、Hゴム支持窓にはプラカラーのライトグレーを差し(板厚の部分も忘れずに塗っておきましょう)、ヘッドライトケースは黒く塗ります。作例ではアルプスモデル製のインレタAを使い、ナンバーを入れました。ヘッドライトリム・レンズをエポキシ系で接着してから、MWC-10 フラットベースを若干加えたMWC-09 クリヤーでオーバーコートします。そのあと、レンズにはクリヤーのプラカラーを差しておきます。
 正面とコーナー用に別売でアクリル製窓ガラスが用意されていますので、これを使うと窓を開けた状態にした場合や、どうしても板厚が出てしまいがちなコーナー窓がスッキリ仕上がるでしょう。
 


第3回
1.さて下まわりの組み立てですが、半田付けする箇所はいくつもありません。そのひとつが集電バネです。ふたつある小穴の内の1個に通電子を半田付けします。もう一方の小穴には塗装後に絶縁子を接着します。


2.床板には床下ウエイトを1.4x2mm大頭ビス2本で止めて、床板から上に出た部分をツライチにヤスッて仕上げます。次に床上ウエイトを1.4x2mm大頭ビスで止めます。最後にモーター止め板を1.4x1.3mmビス2本で止めます。モーターのラグには配線コードをそれぞれ15mm・20mm・30mm・35mmにカットしたものを半田付けして、その先にはラグ板を半田付けします。ウォームギヤーはその両端が軸端と揃うように瞬間接着剤で接着します。
 


3.90度に折れ曲がったベロが無い方のギヤーフレームにはギヤーピン2本を半田付けし、ベロがある方のギヤーフレームには、エンドビームの凹に合うように少しヤスリながら合わせるようにして半田付けします。さらにカプラー受スリットの中段にカプラーを(軽く首を振るようにカプラーの柄の厚みをヤスッて調整して)差し込み、上からカプラーピンを差し込んで下面で軽く接着剤で止めておきます。これで塗装に入りますが、その前にモーター止め板にモーターを止めてみて、その軸が床板に対して水平になるかどうかを確認しておいて下さい。もしも水平でなければ、モーター止めの直角度を調整して下さい。この点は非常に大事な部分です。なお、台車枠を1.4x2mm小頭ビスでギヤーフレームに仮止めしてみてきついようでしたら、ギヤーフレームの端を若干ヤスっておいて下さい。下まわりは総て黒です。


第4回
1.下まわりの組み立てです。まずマシマのラベルを上にしながらモーターを1.4x2mm大頭ビス2本で床板に止めます。次にエンドビームが付いていない方のギヤーフレームに、動輪軸を通しながらタイヤを奥まで押し込みます。小さいアイドラーギヤーをセットして、次に大きいアイドラーギヤーをセットします。次に細いスペーサーを挟みながらもう一方のギヤーフレームをセットして、残りのタイヤを押し込みます。すべてのギヤーフレームの動輪軸の入る部分は塗装を落としておきましょう。
 この段階で仮に太い方のスペーサーを組み込んで、片手でギヤーボックスが開かないように保持しつつ、動輪を指の腹で回してみて下さい。軽く回らないようでしたら、何処かに無理が掛かっている証拠ですから、その原因を突き止めて修正します。
 ギヤーフレームに対して動輪軸が僅かに左右動しますか?この部分がきつ過ぎないですか?そんな事をチェックして下さい。

2.次にウォームギヤーをギヤーフレームに差し込んでから、太い方のスペーサーを挟み込み、配線ラグ・集電バネ・グラスファイバー板の順に1.4x3mmビスで止めます。集電バネとこれが接触する部分のギヤーフレームは塗装を剥がしておきます。また、この集電バネはイラストのように、絶縁/通電方向が互い違いになるようにしてください。
 台車取付用穴に軸の細いドライバーを通しながら、門型のボルスターを床板に1.4x2mm小頭ビスで下から止めて、センターピンでギヤーボックスを止めます。モーターの上にウエイトをゴム系で接着してから、この段階でテスト走行をしてみて、モーターの上下方向の位置が的確かどうかを確認しておきます。
 床下ウエイトの四角い出っ張りが無い方が排気管のある方という事に留意しながら、上まわりとは1.4x2mm大頭ビス4本で止めまず。なお、総てのギヤーにはエンドウのセラミックグリスなどを塗っておくと良いでしょう。最後に台車を1.4x1.3mmビスで止めて出来上がりです。
 











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