キット組立講座

井笠のハ15〜16




この「シリーズ井笠」で初の2軸客車となるハ15〜16。ボディー長が僅かに47mmという可愛らしさが魅力ですが、もと気動車だっただけに井笠らしくデッキを備えています。
 先に発売された単端「ジ5」と組み合わせて増結用とするも良し、「ホジ12」や「ホジ7〜9」と組み合わせても意外とアンバランスな魅力が演出できます。
 そんなこの客車の魅力を、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。


第1回
1.まず最初に側板に窓枠を半田付けします。半田付けする際のガイドはドアー脇のテスリ穴です。この穴が両者合うように留意しながら水平に気を付けて半田付けします。妻面の窓枠の上下方向の位置決めは、側面の窓枠と同じような感じになるようにして下さい。


2.次にウィンドウシルを半田付けしますが、凸帯が上になるようにして、窓枠に沿うように半田付けします。左右の側板共にドアーの脇から始めていき、最後に余った部分はカットして仕上げておきます。なお、このような物を半田付けする際は、あらかじめ帯材の裏側に薄く半田を流しておくと半田の流れが良くなるでしょう。


3.ドアー下部にステップを、側面のガイドに嵌めるように窓保護棒を、片方の側板にはテールライトケースを半田付けします。ステップを半田付けする際には、ドアーの裏側に半田を流しておくと良いでしょう。また、テールライトケースは妻板の裏側に出っ張った部分は平らに仕上げておきましょう。


4.車体アングルを内窓枠に沿わすように突き当てた位置で半田付けします。コの字型の側板両者を組み合わせて箱状に組み立てます。そのあとウインドウヘッダーの上にもう一段帯板でヘッダーを半田付けしていきます。一周巻いていくので、どこかで継ぎ目を作らなければならないのですが、車端に寄ったドアーの脇で継ぐと目立たないでしょう。この段階でテスリ穴やドアーハンドルの穴部分を0.4mmドリルで開け直しておきます。
 


5.屋根板の湯口部分には構造上から雨樋の出っ張りがありません。他の3辺に倣った形でヤスって成形して下さい。屋根板自体はボディーにスッと組み合わさると思います。


6.デッキの内枠が妻板には付くのですが、これはグレーに塗ってから妻板に接着しますので、敢えてランナーから切り離さずに写真のようにしておき、このランナー部分を掴んで塗装をします。塗装後にランナーは切り離して接着します。
 コの字型に曲げてあるデッキ枠板はデッキ本体の段差部分に半田付けしますが、左右の部分だけ半田付けすれば良いでしょう。これで上まわりは出来上がりです(デッキは構造上は下まわりですが、説明上から上まわりに入れました)
 


第2回
1.下まわりの組み立てです。床板にまずブレーキテコ座を半田付けしますが、このテコ座は注意深くランナーから切り離して、両脇の三角形の部分の凹部を谷折りにしてそこに半田を流して補強、更に中央部は凹部を山折りにしてここも半田を流して補強しておきます。このテコ座を床板の細長い角穴をガイドに半田付けしますが、床板の表裏を間違わないようにして下さい。また、前後の向きにも注意して下さい。


2.このテコ座にテコ軸を差し込みながら、ブレーキ軸を半田付けしたテコを組み合わせて半田付けします。テコにブレーキ軸を半田付けする際には当該部分を0.4mmのドリルでサラっておくとシッカリと半田で固定できるでしょう。また、写真や外観図を良く見てテコの向きにも注意して下さい。
 カプラーも床板に半田付けしておき、床板の完成です。


3.軸受の加工です。まず左右各2個のブレーキテコを根本からカットして仕上げておき、軸受メタルを半田付けします。次に写真で赤く塗った部分をメタルと同じ高さまでヤスって下さい。試しに車輪を嵌めてみて、タイヤがこの部分に当たらなければOKです。これで下まわりの工作は完了です。
 


第3回
1.定石通りにMWC-53 MWプライマーで総ての部品を下塗りしてから、ボディーとドアーハンドル・テスリをMWC-13 井笠用イエローで、デッキとデッキ内板をMWC-05 上運営林署DL用グレーで、屋根板はMWC-05 上運営林署DL用グレーに僅かな黒を混ぜたもので、その他下まわりをMWC-02 王滝営林署DL用ブラックで塗ります。
 ボディーはウィンドウシル・ヘッダーを含めた窓枠部分をマスキングしてMWC-14 井笠用グリーンで、デッキは枠板をマスキングしてから黒く塗ります。
 ボディーにテスリやハンドル、デッキ内板や屋根板をエポキシ系接着剤で接着して(屋根板は内側の4隅で止めるだけでOKでしょう)、別売の「アルプスモデル製。井笠用インレタD」でナンバーや社紋を転写してから、MWC-10 フラットベースを若干加えたMWC-09 クリヤーでオーバーコートしておきます。
 また、テールライトケースは反射板の部分を赤く塗ってからレンズを接着して、塗装後にプラカラーのクリヤーレッドをレンズ部分に差しておきます。デッキ内板は写真のように下端と合う位置に接着します。
 




2.デッキのテールライトケースも反射板の部分を赤く塗ってからレンズを接着して、塗装後にプラカラーのクリヤーレッドをレンズ部分に差しておきます。
 下まわりの組み立ては、まず車輪を組み込みながら軸受と床板との間に四角いゲタ板を挟んで1.4x3mmビスで止め(ブレーキテコが外側になるように留意しながら)、デッキを1.4x2mmビスで床板に止めます。
 


3.ボディーの窓ガラスはプラ板などから切り出したものを貼っておき、下まわりとは1.4x2mmビスで止めて出来あがりです。
 さあ、どうですか?この可愛らしい2軸客車は(^^♪。こんな小さな客車でも手を抜かずに、他の動力車と遜色ない凝った作りになっていて、繋げたときにバランスが取れていると思います。きっと貴方のイメージレイアウトでも明日から活躍してくれる事でしょう(^v^)。
 












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