キット組立講座



木曽の酒井製124号機

特異なスタイルでは横綱級の異色機、酒井製124号機。キャブフォワードと同じ10tDLながらもキャブの背が低いためか、ボンネットは箱状でないためか、僅かに小振りに見えますが、実際に3次元の模型となってみると。なかなかどうして堂々たる風貌をしています。そんな魅力を画面上でお楽しみください。

第1回
1.キャブの組み立てから始めましょう。まずは後ろの妻板と側板と合わせて半田付けをしますが、最初に天井と裾部分でチョン付けをして歪みが無ければ他の部分にも半田を流していきます。この時に外側にもフラックスを塗っておくと、接ぎ目から半田が滲み出してきて、その接合面にも良く半田が流れるでしょう。


2.その後で前妻板を半田付けしますが、要領は先程と同じです。箱状に組み上がったら後ろ妻板の裾が若干出っ張り気味でしょうから、平らな板の上にサンドペーパーを置いて、その上で裾がツライチになるように仕上げます。
 


3.窓枠やワイパー、点検扉を半田付けしますが、窓枠は少し開いた状態にしてみるのも良いでしょう。後ろ妻板にはハンドレールが付きますが、塗装の塗り分けの便を考慮して、ここでは半田付けしません。但しノブにハンドレールを半田付けしておいた方が良いので、妻板の取付穴を利用して仮にノブを差し込み、そこにハンドレールを組み合わせて半田付けをしておきます。ドアー脇のテスリやドアーのハンドルも同様の理由からこの段階では半田付けせず、塗装後に接着します。
 


4.窓枠はランナーから丁寧に切り離して平ヤスリで仕上げたのち、3枚を半田付けしますが、写真のように若干開いた状態にするのも良いでしょう。半田付けをしたら、後ろ妻板の窓枠レールに嵌め込み、瞬間接着剤で固定します。


5.ボンネットの組み立てです。まずラジエターカバーとボンネット本体とを組み合わせて半田付けします。ボンネット本体の裾はラジエターカバーの裾とツライチになるように、平らな板の上にサンドペーパーを置いて仕上げます。その後にラジエターグリルや細かいパーツを半田付けしていきますが、グリルは繊細ですので、歪めないように注意して下さい。バックミラーは汎用パーツなので左右入っていますが、左側だけに付きます。キャブとボンネットは塗装の塗り分けの便を考慮して、半田付けせずに塗装後に接着する方がマスキングしやすいでしょう。
 


第2回
1.今度は下まわりの組み立てです。まずエンドビームのカプラー・ステップ・エアーホース(北海道仕様はナシ)を半田付けしてから、裏側をツライチにヤスっておいたものを床板に半田付けします。組み合わせ方はエンドビームの板厚が見えるような具合です。接合面は出来るだけ綺麗にヤスって仕上げておきましょう。それから握り棒を半田付けします。
 


2.次は台枠まわりです。台枠にはまず小さな担いバネとイコラーザーを半田付けしてから、そこに届くように軸箱部分の担いバネを調節したものを半田付けします。それからステップを半田付けしますが、裏側は綺麗にツライチになるようにヤスっておきましょう。床板と組み合わせてみて、若干長くてキツイようでしたら前後を少しヤスって、塗装をした後でもスッと入るような感じに仕上げておきます。また床板とエンドビームとの接合面に流した半田を考慮して、赤く塗ったコーナーの部分は少し斜めにヤスっておく方がピッタリと嵌るでしょう。
 


3.ギヤーボックスの組み立てです。まず側板に2個の角型スペーサーを直角に立てて半田付けをして、それから上部に前後のスペーサーを半田付けします。この部分の精度が走行にも影響しますので、歪みがないように注意しましょう。試しに動輪を組み込んで、軽く回りますか?これで配線以外の半田付け工作はオシマイです。


第3回
1.さて、それでは塗装を始めます。床板から下とウエイトはMWC-02で黒に、ボンネットとキャブはMWC-03でクリームに塗ります。これが乾いたらボンネットとキャブの裾から7mmの位置から上にマスキングテープを貼り、MWC-04でマルーンに塗ります。ラジエター保護板は青く(京浜東北の青で)塗っておきます。


2.塗装が乾いたらボンネットとキャブをエポキシ系で接着して、ラジエターグリルとバックミラーは塗装を剥がし、排気管は黒く塗り、ラジエター保護板を内側に接着します。キャブのヘッドライトケース(内側は銀色に塗ります)とHゴムを黒く塗り、銘板の凸部分やワイパーの塗装を剥がしてやり、別に銀色に塗ってテスリ部分を剥がしておいた後部テスリと、ドアー周りのテスリを接着します。最後に別売の「アルプスモデル製木曽インレタA」でナンバーを入れて、ヘッドライトリムやレンズを接着ののち、MWC-09のクリヤーでオーバーコートしてから軽くウェザリングを施してウエイトを接着します。なお、塗装が終わってからヘッドライトレンズにはプラカラーのクリヤーを塗っておくと「生きた」レンズになるでしょう。
 




3.床板に付けた握り棒も塗装を剥がしてからクリヤーでオーバーコートしてやり、更に台枠も含めて軽くウェザリングをしておきます。


4.ギヤーフレームの動輪が入るUの字型の部分は塗装を剥がしておき、図を見ながらアイドラーギヤーや、半分に切った配線コードを半田付けしておいた集電ブラシなどを組み込んでいき、集電ブラシが床板に接しないように留意しながら床板に1.4x2mmビスで仮止めします。次にモーターを1.4x2mmビスで床板に軽く止めて(モーターのラベルを前側に向けて)、軸箱が可動しない方の動輪を組み込み、ウォームギヤーをモーター軸に差し込んでいきます。ギヤーの噛み合いが丁度良いところでモーターを固定して、ウォームギヤーをゼリー状瞬間接着剤で止め、最後にモーターのラグにコードがクロスしないような向きで配線をします。


 


5.さて、ここで上下を組み合わせます。床板にギヤーフレームを仮止めしておいたビスはそのままに、床板に台枠を嵌め込みます。上まわりを被せてキャブの部分を1.4x3mmビスで止めてから、仮止めしておいたビスを外してラジエターグリルの部分を1.4x2mmビスで止めます。最後にウエイトを挟みながら1.4x4mmビスで止めて完成です。
 

どうですか?威風堂々とはこの機関車に最も似つかわしい言葉ではないでしょうか?実車は旭川から移管されてきてもあまり活躍することも無かったようですが、模型の世界ではウエイトも充分に積まれたこの10tDLを、どうぞ活躍させてやって下さい(^^♪。











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