キット組立講座

岩崎製小型モーターカーU

この製品は「木曽の頒布会U」の一環として発売されたもので、皆様からの強い御要望により再生産のうえ単品発売致しました。一連の木曽シリーズと同様に、組み立て易さと充実したディテールを両立させたモデルで、人形も楽しい、モデル心をくすぐる内容と自負しております。
 このモーターカーは「岩崎製小型モーターカーT」よりも一段と小さく、前面の表情や下までホロが下がった後ろ姿などに特徴があります。因みに後ろの座席の幅は1140mm。そこに作業服を着た男が二人座るのですから、この車輛の小ささが判ろうというものです。
 ではこの可愛らしい車輛の工作をお楽しみ下さい。


第1回
1.まず、このキットで唯一の半田付け箇所であるヘッドライトケースとワイパーを、前面に半田付けします。ロストワックスの半田付けですから、ステンレス用フラックスを水で薄めて使うと、半田が流れ易いでしょう。


2.No.71を作る場合はそのままですが、No.69の場合は床板の前後のバンパーを加工します。写真左のように、中間の支柱の部分でカットして仕上げます。両車のディテール的な違いはこの点だけです。


3.排気管を床板に瞬間接着剤で接着します。パイプ部分は写真のような長さでカットしておきます。この部分は接着面積もありますし、触って壊すような部分でもないので、半田付けするよりも接着の方が楽でしょう。床板の前後を間違えないようにして下さい。


4.ブレーキユニットの前後の部分は大まかに写真のように曲げておき、床板に車輪を組み込んで、この部分が軽く車軸を押さえるように調整します。


5.さてここからは、ひたすら塗装です。床板とブレーキユニットは「MWC-02 王滝営林署DL用ブラック」で塗り、更に床板のバンパーは黄色く塗ります。


6.エンジンカバー、前後の椅子はまず全体を「MWC-11 建設省グリーン」で塗り、エンジンカバーの握り球は黒く塗ります。椅子の座席と背もたれは、No.69が青に、No.71は濃緑に塗ります。




7.バッテリーと燃料タンクは「MWC-05 上運営林署DL用グレー」で、ホロはキャンバス色に塗ります。ホロが塗りあがったらテールライトリムとレンズをエポキシ系で接着します。



8.車輪には輪心を組み合わせたものを床板に組み込んで、ブレーキユニットを介して1.4x2mmビスで止めます。


第2回
1.前面の塗装に入ります。No.69は全体を「MWC-03 上運営林署DL用クリーム」で塗り、No.71は「MWC-12 重機用イエロー」を塗ります。


2.外観図を見ながらマスキングをして、2色目を塗ります。No.69は「MWC-11 建設省グリーン」で、No.71は「MWC-04 上運営林署DL用マルーン」です。乾いたら内側も塗っておきます。ここは「MWC-11 建設省グリーン」なのですが、タミヤカラーの「コックピット」でも殆ど同じですので、プラカラーの方が気が楽でしょう。


3.Hゴム部分とヘッドライトケースを黒く塗ります。こういった細かい部分はプラカラーが作業しやすくて良いでしょう。あとでクリヤーラッカーでオーバーコート吹き付けすれば、強度も心配ありません。


4.ディカールは出来るだけ印刷されている部分に沿って、カッターで切り抜きます。それを水に浸してから転写します。プラモデル屋で売っている「膜柔軟材」を併用すると、段差部分にも馴染むでしょう。ヘッドライトリムとレンズを接着し、ワイパーの塗装を剥がしてからクリヤーラッカーでオーバーコートします。


5.前後の窓にプラ板からカットしたガラスを貼ってから、写真のように1.4x2mmビスを使って仮組みしてみます。ホロの前が前面に被さるようにビスで調整したら、ホロだけを外します。


6.床板にエンジンカバーと前部椅子、バッテリーと燃料タンクを接着します。ホロには後部座席を接着しますが、床板と合わせた時に、その足が接地するように、また、バッテリーと燃料タンクは後部座席の足と干渉しないように留意しましょう。


7.二人の作業員は別に塗装しておき、座席に接着します。これでホロを1.4x2mmビスで止めて出来上がりです。ヘッドライトレンズにはプラカラーのクリヤーを、テールライトにはクリヤーレッドを差しておきましょう。