キット組立講座

上松のB型客車 No.17
この製品は昨年実施して御好評を頂いた、頒布会形式による販売方法の第二弾「木曽の頒布会U」の第一回配布製品です。一連の木曽シリーズと同様に、組み立て易さと充実したディテールを両立させたモデルですので、きっと皆様のモデル心をくすぐる内容と自負しております。
写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。

第1回
1.まず、側板と妻板に窓枠を半田付けします。その際に側板に開けられた小穴が半田で塞がってしまっても、気にしないで作業を進めましょう。あとで0.4mmのドリルで穴を開け直せば良いのですから。

2.側板と妻板にウインドウシルを半田付けしますが、帯材に半田を薄く流しておき(半田メッキとよく言われる方法です)、フラックスを塗った側板や妻板の凹部に帯材を置いて、その上から半田ゴテで温めると半田が溶けて、綺麗に半田付けが出来るでしょう。妻板の左右はツライチに仕上げておきます。その後に、側板にはドアーを、妻板には幕板を半田付けします。

3.妻板には胴受・エアーホース・ブレーキカバーを半田付けして、裏面はツライチに仕上げておきます。エアーホースは取れ易いので、しっかりと半田を流しておきましょう。

4.側板と妻板とをLの字に組み合わせますが、側板から見たときに妻板の板厚が見えるように組み合わせます。側板は一見同じように見えますが、小穴の位置が微妙に違います。ブレーキカバー寄りの小穴は、ドアー左右の穴が同じ高さに開いています。側板と妻板とは下面合わせの位置になります。

5.箱状に組んだら天板をはめ込んで半田付けします。これで車体もシッカリしたと思います。

6.屋根板に屋根妻板を半田付けしますが、この妻板はランナー部分も若干含めてカットして、屋根板の板厚が見える方向で表裏逆向きに半田付けします。半田付けをしたら、その面をツライチに仕上げて段差が無いように仕上げます。また下部もツライチに仕上げておきます。

7.これを車体に組み合わせますが、少し屋根板を広げる感じにして車体に被せて、側板の幕板部分左右2箇所程度で半田付けします。テスリは車体の中に飛び出ないようにして半田付けします。

8.車体アングルは写真のように、車体と下面合わせで半田付けします。これで車体の組み立ては完了です。

第2回
1.床板にはボルスターを半田付けするだけです。

2.台車枠とマクラバリとを歪み無く半田付けして、カプラーも半田付けします。台車枠はシッカリと半田を流しておきましょう。

3.車体も含めて総てをMWC-02 王滝営林署DL用ブラックで塗ります。車体を黒く塗る理由は、あとでのマスキング作業がしやすいからで、必ずしもそうしなければいけない、というものではありません。台車に車輪を組み込みますが、今回の製品ではやや乱暴とも思われる方法を採用しています。写真のように指で広げて、車輪を入れたらまた指で元に戻します。戻す時に中央の穴にピンセットを差し込んで、ジワリと押すのも良いでしょう。なぜこのような方法を採ったかというと、転がり性能が抜群だからです。なまじ可動式にすると、どうしても台車枠にガタが生じてしまい、却って転がりが悪くなってしまいます。センターピンとコイルバネを使って、床板に台車を固定します。これで下まわりは出来上がりです。

第3回
1.車体の塗装についてですが、先ほどの項で全体を黒く塗っておきましたので、屋根のR部分だけをマスキングして、その他をMWC-06 木曽の客車用レッドで塗ります。塗りあがったらテスリを黄色く、エアーホースは黒く塗りましょう。

2.椅子は薄茶色に塗っておき、プラ板で窓ガラスを貼ってから、車体アングルの上に乗るようなかたちで車体に接着します。なお、ブレーキカバーのある方のドアー窓は擦りガラスですので、サンドペーパーでこすっておきます。

3.車体と床板とは1.4x2mmビス4本で止めて出来上がりです。台車が首を振った時にカプラーがエアーホースに干渉しないように、エアーホースを曲げておきましょう。

4.さあ出来上がりました。別売の「アルプスモデル製インレタA」を使って、写真のように標記を入れると、更に魅力が増すでしょう。早速貴方もお好みの車輛と編成を組んで、お楽しみください。