「経ケ丸のホハ8」〜エンディングの巻

 

最後の最後はホハ8です。竣工図ではホハ7〜9が同型車として扱われていて、大正3年日車製となっています。
 今回の取材で客車の窓配置について書いてきましたが、このホハ8は5連+5連の配置になっているのが特徴です。つまり、もう一度おさらいをしておきますと、ホハ11〜12は2連x5、ホハ1は単x10、そしてこのホハ8は5連+5連の配置になっていて、同じ10個の窓でもかようにデザインが違うと印象もグッと違ってくるものです。


 

デッキのテスリは一見ホハ11と同じように見えますが縦棒の配置が異なっていて、それ故に屋根への支柱のピッチも違うために印象が結構変わってきます。

 

これまたホハ11〜12と一見同じように見えるデッキ部分の屋根先ですが、前にも書いたようにホハ11〜12は緩やかなカーブを描いているのに対して、このほは8は直線で、その下の幕板の下部のみが超緩やかなカーブ(模型で再現しても判らないぐらいの)を描いています。

 

クイーンポストはシッカリした鋳鋼製で、微妙に斜めに外側に飛び出しているのが印象的でした。
 また、台車は山型ですが中央の担いバネに特徴があります。ホハ11〜12のように外側にバネ先が飛び出ているのではなく、揺れ枕が前面に見えているスタイルをしています。

さて、今回の取材はこれで完了。夕陽も傾きかけていることですから一旦笠岡の宿に帰って、明日のロングドライブに備えることにしましょう。




 

われわれ鉄道趣味人は笠岡と聞くと井笠鉄道を思い浮かべるのですが、逆に海側に目を転じると笠岡諸島というのがあって、そこへ向かう連絡船の基地にもなっています。
 帰宅する4日もホテルを8時に出発したのですが、そのまま帰ってしまうのも惜しく、普段は見ることの出来ない静かな瀬戸内の海でもノンビリ眺めてみようと思い立ちました。


 

とはいえ、気の短い性分、ノンビリすることなど出来ずに、9時には笠岡の町をスタートして帰路についたのですが、案の定渋滞の真っただ中。行きは9時間だったものが帰りは12時間も掛ってしまい、しかも翌朝の新聞で読んだら、ボクが走った直後に山陽道のトンネルで多重事故が起き、夜の10時半まで不通になってしまったとか。
 運が良かったと喜ぶべきなのでしょうが、岡山周辺や西宮、大津周辺に米原&一の宮、行けども行けども渋滞の渦に巻き込まれて、クタクタになって夜9時半に帰宅しました(@_@;)。
 最後にこの旅で印象的だった「笠岡ラーメン」を御紹介しておきましょう。
 これは出発する前にアルプスモデルさんから是非食べてみて下さい!と教わったのですが、鶏ガラを使ったスープにチャーシューまで鶏モモ肉を使ったという逸品。何でも岡山県のこの地方は養鶏業が盛んで、その持ち味を活かしたものらしいのですが、これが実に美味かった!
 たまり醤油を使ったと思しきコッテリとした醤油味に鶏肉のチャーシュー。今回の取材で保存車両の採寸は完了してしまいましたが、このラーメン食べたさにまた出掛けたくなる程の旨さでした!
 帰宅後そのことを御礼かたがたアルプスモデルさんに報告メールしたら、「笠岡ラーメン美味しそうですね!醤油味かな?今度、行くことがあったら絶対食べます!」との返信。
 あれ(^^ゞ?




防備録

 

ホハ11の台車                ホハ12の台車


 

ホハ1の台車                  ホハ8の台車




ホワフ1の台車