Chapter.4「トンネルポータルを作る」の巻

 

もうかれこれ30年前になるでしょうか、何かのときに役立つだろうと思って買っておいた乗工社製のトンネルポータルが1個ありました。もちろんナロー用のものです。石膏で出来ていて、キットと同じ白い箱に入って売られていたものです。その「何かのとき」がようやく来ました。しかし、1個しかない。メーカーも既にない。しょうがないので複製して数を増やすことにしました。まあ、もうメーカーも無いことですから許されるでしょう。
 使ったのは「シームレスシリコン」というレジンです。この手のシリコンを使うのは初めてなので、勝手が判らず買いに行った東急ハンズの店員さんに説明して貰いました。さほど複雑でない原型だけども、側面にディテールがある石膏の原型、ということで。それならばこれが良いでしょうと渡してくれたのがこの製品です。
 うっかり流し込む容器を買うのを忘れたので、帰宅して探し出したのが印刷屋が刷った年賀状を入れてきたプラの箱。但し深さがちょっと深かったので、渡す板にゲタを履かせました。

 

説明書だと24時間(温度によっては48時間)で実用硬化になると書いてあったのですが、かき混ぜ方が悪かったのか、48時間経っても何かグジュグジュの感じ。指で押すと、中がまだ固まっていないような気配です。やはり冬場だからでしょうか。しょうがないので、これのことは一旦忘れて他の仕事に専念。一週間ほど放置しておいて、様子を見たら割と良さそうでしたので、周りのプラ容器を壊してシリコンを取り出してみました。すると、やっぱりまだ一部がグジュグジュの感じ。またまたしょうがないので、新聞紙の上に板を下にして放置しました。


またまた一週間が経って(結局16日後に)思い切って型から原型を取り出してみました。シリコン自体は非常に柔軟性があるので、かなり捩っても千切れるようなことはありません。カサブタを肌から剥がすような感じでやっていくと、見事に雌型が出来ていました。ほんの少しだけ気泡が入ってしまったようですが、流し込むのも石膏ですから、何とでも修正は利きます。
 何せトンネルポータルが無いと進行できないので、早速量産することにして前に進みましょう。