モジュールレイアウトの御紹介



今回素晴らしいモジュール式レイアウトを披露して下さった「木曽モジュール倶楽部」の皆さんの作品を御紹介します。どの情景を作るかは全く自由ですが、各々のメンバーは自分の好みと技量に合ったものを自然と選ぶようになりました。しかしどれを見ても粒ぞろい。とくと御覧あれ。

写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。


赤沢保存線(MUSASHINO FACTORYさん作)

まずは、森林鉄道の旅に出る前に、赤沢にある資料館に寄ってみましょう。木曽森林鉄道に興味のある方でしたら、一度は訪れたことがあるのではないでしょうか?あの特徴ある建物を見事に再現してしまいました。このジオラマを見ると、また行きたくなりますね。


上松土場のイメージ(諜邪丸さん作)

木曽の基礎はやはり貯木場でしょう。まず木曽森林鉄道の旅は上松土場からスタートです。とかく平坦になりがちな光景を、ひたすらバルサで木材を作り続けて、それを積み上げることによって、払拭しています。ご苦労様でした。


上松停車場(くるまやさん作)

乗客にとってのスタート位置は上松停車場。今でも現存する松原商店の作り込みには舌を巻きます。各種の看板が彩りを添えていますね。片隅には倶楽部ハウスがあって、その中には何とモジュールレイアウトまで!!


鬼渕トラス橋(修羅さん作)

誰もが作ってみたい!とは思うものの、恐れ多くて手を出せないのが、このトラス橋ではないでしょうか?その大作をしっかりモノにしてしまう技量は只者ではありません。1200mmのモジュールにエッセンスが詰め込まれています。


小川線下流域をイメージして(kondoura近藤さん作)

木曽森林鉄道というと、うっそうとした桧の森の中を走るように思い勝ちですが、下流域においては狭いながらも田園風景が広がっています。そんな意表を衝いた作品です。アクリル板にピンバイスでひとつひとつ穴を開けて、植えていった稲が印象的でした。


木立の中の軌道(神戸手前さん作)

ミニにモジュールを乗せて神戸から参加の、その名も神戸手前さんは地面初心者。しかし、その出来上がりは全くそれを感じさせない出来栄えでした。石積みや防護柵の感じなど、なかなかなものです。木立の上から撮影しているのは、本職がカメラマンの御自分でしょうか?


水のある風景(岩崎れいるさん作)

コーナーモジュールを巧みに使った作品で、奥に行くに従って遠近法を取り入れたそれは、見事に実際よりも奥行きを出すことに成功しています。また、各種の石積み技法を使い分けた作りにも注目したいところです。まさに手馴れた作品作りの見本のような出来です。


日向渕タイプ(修羅さん作)

修羅さんの2作目。「渕」という言葉を漢和辞典で調べてみると、「川などの流れで特に深くなっているところ」とあります。このような渕は木曽の随所にありますが、その渕の表情を見事な色彩表現で、再現されている作品です。とかく陳腐になりがちな紅葉の表現も見事。


小鹿ヤード(小鹿酒歩さん作)


小鹿とは大鹿ヤードの再現を謙遜したもの。しかしなかなかどうして、勿論かなりアレンジはされていますが、大鹿の雰囲気は充分に再現されています。信号塔や様々な詰所・機関庫・ターンテーブル。それらの総てが、あの大鹿そのものです。まずは隅々までとくと御覧あれ。


小鹿渕(小鹿酒歩さん作)

これまた小鹿さんの作品。大鹿ヤードから連なる大鹿渕鉄橋を見事に再現しました。現地視察会の時がたまたま小雪が舞う天候で、その渕の美しさに感銘を受けて、雪景色に仕上げることを決めたとか。基盤の中には守り神の小鹿のバンビちゃんが・・・


白川線のひとこま(ジミー黒渕作)

不肖もりこーが25年ぶりに手掛けたレイアウトがこれです。レイアウト素材の革新に驚き、チョット摘み食いはしてみたものの、結局昔ながらの技法で作り上げました。恥ずかしいので、説明はここまで。


白川線蘇水寮(四ッ澤さん作)

この四ッ澤さんもレイアウト初心者。しかし、なかなかモノにしにくい蘇水寮を、御覧のようにチャント作り上げたテクニックはなかなか。また、勉強家の夏休みの宿題のように一番早く仕上げてしまい、次の習作を色々と試す余裕すらあった凄腕。次は水のある情景にチャレンジとか。


側線のある風景(マルコさん作)

「とれいん」でもその活躍が知られるマルコさんは、単純なSカーブ+側線というモジュールで参加。味わいのある車輛もさることながら、樹木の配置にもベテランさが伺われます。張ってある電線はアメリカ製のゴムだそうで、その説明に追われていたのが印象的でした。


黒渕ジャンクション(ジミー黒渕作)

もりこーが挑んだ大作です。間口1800mmですが、格納や輸送の便を考慮して1200+600mmになっています。さんざん製作記をUPしましたので、説明の必要は無いでしょう。折りしもC客をカブースに見立てた運材列車が通過していきますね。


助六作業軌道の5段ティンバー(くりしま牧場さん作)

更に山の中に分け入って行きます。あまりにも有名な5段ティンバーの登場です。くりしまさんもレイアウト初心者ですが、これだけのものを仕上げてしまいました。緻密なキット組み立てのテクニックが、ティンバーの組み立てにも向いていたのかも知れませんネ。お見事です。


作業場のある風景(釜利谷さん作)

この作品はベテランらしさが滲み出る渋いもの。決して奇をてらった構成にはせず、オーソドックスな線路配置の中にも、見せ場はチャンと作ってあります。視線が自然と中央部にくるようにセッティングされた構図は、一服の絵画を見るようです。


どこかの作業軌道(昴さん作)

このモジュールは実は本線は山の中を切通しで貫通しており、それとは全く独立してエンドレスが敷設されています。つまり、モジュールとして機能しない時でも、一人で楽しめるようになっているのがミソ。林鉄をやっていれば誰でも、このような情景の中にお好みの車輛を置いてみたくなりますよね。


助六駐泊所の風景(魚止滝上ルさん作)

いよいよ山奥の駐泊所までやってきました。ここも割と有名な場所だけに、模型化するのは至難の業だったのでは?と推測致しますが、それをものともせず、見事に仕上げられていました。駐泊所の前に佇む後期型がとてもイイ感じですね。


作業軌道(アララギさん作)

さて、森林鉄道の旅も終わりに近づいてきました。どん詰まりには作業軌道の光景がありました。本線から分岐した軌道は、スパイラルループを描いて高度を稼ぎ、本線の上を跨ぐようになっています。本線とは全く太さの違うレールの細さがとてもイイ感じです。



メンバー16名の作品を御紹介してきましたが、その殆どの方々がレイアウト製作は初めて、というのも凄いことです。余りある情熱でここまで仕上げてしまったということでしょうか。今度は貴方も参加してみませんか?何かひとつの目標に向かって、皆と力を合わせて作り上げるという作業は楽しいですよ。