山下さんの「木曽の97号機」

 

特撰に選ばれたのが山下貴之さんのこの作品です。実に巧妙に分売パーツを使いながら、この機関車を再現するにあたって印象的な部分は自作する、といった手法が採られている点が好ましいものです。
 上まわりでは、キャブは95号機の前面窓枠を使いながらも、台枠より張り出した感じが特徴なスタイルで自作、ドアーは乗工社の酒井製DLをベースに縁板を加えています。ヘッドライトやタイフォンはパーツ利用。ボンネットは33号機の上部と119号機の下部、コンプレッサーカバーも119号機と98号機のそれを組み合わせています。砂箱蓋は中心のポッチを表現するために、パーツを上下逆に付けており、元は4個あったものを2個撤去された表現もなされています。また、ラジエターやそのプロテクターは5t用を切り継ぎ高さを増しています。
 台枠はエンドビームも含めて自作し、それにホイットコムの軸箱を組み合わせてあります。
 正確な寸法は判りませんので、61号機と並んでいる写真を元に台枠の高さを割り出し、今度はそれを元にボンネットやキャブの高さを割り出したそうです。明らかに5tDLとは異なるディメンションの6tDLの印象を、上手に捉えているのではないでしょうか?

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