林鉄シリーズ
魚梁瀬の野村組製DLU


この「野村組」は2007年にAタイプとBタイプを発売し、2011年にCタイプを追加して発売しましたが、既にそれから14年も経っているので、魚梁瀬シリーズを再開するにあたり、再生産をすることに致しました。
 同時に四国全島の林鉄を扱う高知営林局独特の形態をした「小関式木製運材台車」も再生産いたしますので、一緒にお求め下さい。
 なお、今後魚梁瀬の客車5tボギーDL・L-1175tボギーDL・L-118あさかぜ号の製品化も準備しておりますので、木曽とはまた違った魚梁瀬の魅力をお楽しみ頂けるものと思います。

高知営林署魚梁瀬(やなせ)は高知県東部にかつて存在した森林鉄道で、田野・奈半利の両貯木場を目指して安田川線・奈半利線をメインに総延長250kmにも及ぶ国内屈指の路線網を有していました。
 そこで使われていた機関車は戦前にはシェイが余りにも有名。青森営林局から移管されたものの、あまり役に立たなかったようで、じきにポーターがその主力となっています。戦後になると内燃機関車が使われるようになり、木曽のようにホイットコムが当初は使われ、若干ながら酒井や加藤も使われましたが、最大勢力となったのは地元高知の車輌メーカー「野村組工作所」の機関車たちでした。
 そもそも野村組とは高知県交通の前身で土佐の交通王・野村茂久馬が高知工作所を大正10年に買収したことに始まる会社。買収の翌々年に野村組を設立して、鉄工部門も設けたのが始まり。その後、高知鉄道へ2軸気動車を納入したのを皮切りに、鉄道車両部門を拡充するために「野村組工作所」として独立させました。
 海運関連の事業も行っていたことから、そのノウハウを投入して、機能のみならず多彩なデザインを盛り込んだ車輌は好評で、各営林署では歓迎されていたようです。しかし、昭和31年に解散。現在では土佐造船(現・新高知重工)がその血統を継承しています。







模型製品について

1.製品の構成はいつもの当社流。美しくエッチング加工されたプレス部品を中心に、細密なロストワックス部品で味付けをしていく、そんな流儀がこのシリーズでも受け継がれています。

2.前後に張り出したステップを入れても46mm、エンドビーム部分ですと僅か36mmという小型さ。キャブ幅は16mmです。この小さな車体にその魅力を最大限に再現するべく、様々な工夫を盛り込みました。

3.製品では大同小異のプロトタイプの中から、一般的なスタイルを抽出しましたが、キャブ後部の燃料タンクカバーは3種類ございます。

塗装色に関しては林鉄研究家・西 裕之さんにお伺いしたところ、高知営林局のDLは基本的に濃いオレンジ色に塗られていたそうです。国鉄色で例えるならば、中央線モハ101系やキハ40系のような色が近いでしょうか?窓枠は生地の色合いを残したニス色、前後のステップは木地色だったそうです。

ただ、これには例外があって、上回りが水色(白に少し空色が入っている程度)、下回りがマルーン色(上松運輸営林署のC4のような)というのや(恐らくこの色の塗り分けは、漁船などによくある上回りと喫水線下の鉛丹色に近いかそのものではないかと思います。土佐のカツオ漁船がこのような塗色だったのでしょう)、上回りがシルバーグレーに塗られていたものもあったようで、これも漁船か旧日本陸軍の戦闘機色を流用しているものと思われます。地方色が感じられる面白い色ではないですか。



*トータルキットは、AタイプもしくはBタイプが作り分けられるものと、Cタイプとの2種類で発売致し
 ます。
*トータルキットの場合は、A&Bタイプ・Cタイプそれぞれで、ラジエター保護板は蜂巣タイプ・長穴
 タイプの両方が付属し、キャブ前の砂箱も付属致します。
*未塗装キット・塗装済完成品を御希望の場合は、A・B・Cタイプそれぞれで、蜂巣タイプのラジエタ
 ー保護板・長穴タイプのラジエター保護板の中からお選び頂けます。
*塗装済完成品を御希望の場合は、A・B・Cタイプそれぞれで、オレンジ一色、シルバー&マルーン、
 ブルー&マルーンの3通りの中からお選び頂けます。
*なお、砂箱は装着されていない時代もあったようですので、塗装済完成品ではお好みで接着出来る
 ように別添えになっています。
*Cタイプの外観図には砂箱は描かれていませんが、A&Bタイプと同様に付属致します。





A&Bタイプ
トータルキット¥23800 未塗装キット¥47600 塗装済完成品¥59500

Cタイプ
トータルキット¥23800 未塗装キット¥47600 塗装済完成品¥59500



今回は少しでもお求めやすい価格を実現するために、箔押しの化粧箱を廃して袋詰め包装と致しました。
  (未塗装キット・塗装済完成品の場合は専用ラベルを添付した汎用箱に無償でお納め致します。
   また、トータルキットでこの箱を御希望の方には実費\800でお分け致します)




製品では形態を重視するために朝顔カプラー対応になっていますが、他社製品と連結させるためにはその車輌に別売の「朝顔カプラー(木曽用)」と「朝顔カプラー用ピン」「朝顔カプラー用長いリンク」を取り付ける必要があります。その場合には製品と一緒に御予約ください。

朝顔カプラー(木曽用)\500(2個入)朝顔カプラー用ピン\1500(10本入)朝顔カプラー用長いリンク\500

塗装は当社製「MWカラー」の「MWC-02 ディープブラック」「MWC-04 マルーン」と「MWC-09 クリヤー」「MWC-10 フラットベース」「MWC-52 MWシンナー(1リッター)」「MWC-53 MWプライマー」をお使い下さい。



DCC運転をされる方は別売の「Digitrax製DZ126デコーダー」を一緒にお求め下さい。
また、塗装済完成品でも御希望の方には組み込みを致します。

DZ126デコーダー\3500 塗装済完成品に組み込みの場合はその価格から\4500UPとなります。



*この製品は、受注開始をして一か月ほど様子を見て、その数に端数を加えた数量(例えば受注数が58両でしたら60両にして)を製造する方法にさせて頂く事に致しました。
従いまして、発売後の在庫は各5両以下の極少量ということになりますので入手困難が予想されます。
御希望されるお客様は可能な限りお早めに御予約される事をお勧め致します。
但し、今回は合計で50両の限定生産とさせて頂きます。(2025.01.26)



高知の小関式木製運材台車


「魚梁瀬の野村組製DLU」の再生産にリンクさせて、運材台車も再生産致します。
 魚梁瀬(やなせ)は今更云うまでも無く、四国全島の林鉄を扱う高知営林局で最大規模を誇る森林鉄道でした。そこで使われていた運材台車は、お馴染みの木曽森林鉄道とは違うスタイルをしていました。「魚梁瀬の野村組製GL」に続いてリリースされるのは、そんな「高知の小関式木製運材台車」です。




上の外観図を御覧ください。木曽の運材台車とは全くスタイルが違う事に気付かれるでしょう。外観上で一番目立つのは「ハンドブレーキ」です。木曽の場合は片方のエンドに台形のブレーキポストが立っていましたが、この「小関式木製運材台車」は台車側面にポイント転換器のような錘のついたバーが出ています。
 走行時には上部のピンの上にバーを引っ掛けてブレーキを解除し、停車時にはピンを一旦抜いてバーを重力で下ろして使いました。ただ、当時の写真を見る限りでは、停車時といえども、総てのブレーキ装置で制動していたわけではなく、編成両端の台車程度で施錠されていたようですが。

ブレーキ装置も全く違います。木曽においてはSL時代は貫通ブレーキは無かったのですが、DL化されて貫通ブレーキが装備されてからは、台車の両端にエアーホースが付くようになりました。尤もエアー化されるにあたり、導入されたのが鋼製運材台車でしたから、木製運材台車には一部の例外を除いてエアーホースが無かったのですが。

材木を載せるステイクポストも木曽のようにクサリ付ではなく、ただ単に積むだけだったようです。したがってこのステイクポストも新調して、気分一新を図りました。

他にも連結装置も違います。木曽はいわゆる朝顔型カプラーをピンとリンクとで連結していましたが、魚梁瀬においてはセンターの部分はバッファーのようなもので(緩衝材はありませんが)、その上にリンクを載せてピンを刺して連結していました。

製品ではこのユニークな小関式ブレーキ装置を装備した木製運材台車を、ディテール豊かなロストワックスを中心に纏め上げてみました。もちろん木曽ゆずりの転がり特性が格段に改良された車輪や軸受メタルも装着されますので、安定した走行をお楽しみ頂けるものと思います。
 この製品においても、当社の朝顔カプラーシステムに対応していますので、実感的な連結風景がお楽しみ頂けます。



トータルキット¥6500 未塗装キット¥13000 塗装済完成品¥16250



製品では形態を重視するために朝顔カプラー対応になっていますが、他社製品と連結させるためにはその車輌に別売の「朝顔カプラー(木曽用)」と「朝顔カプラー用ピン」「朝顔カプラー用リンク」「朝顔カプラー用長いリンク(図のように空車状態の場合に使用)」を取り付ける必要があります。その場合には製品と一緒に御予約ください。

朝顔カプラー(木曽用)\500(2個入)朝顔カプラー用ピン\1500(10本入)
朝顔カプラー用リンク\500 朝顔カプラー用長いリンク\500


塗装は当社製「MWカラー」の「MWC-02 ディープブラック」と「MWC-09 クリヤー」「MWC-10 フラットベース」「MWC-52 MWシンナー(1リッター)」「MWC-53 MWプライマー」をお使い下さい。



*この製品は、受注開始をして一か月ほど様子を見て、その数に端数を加えた数量(例えば受注数が58両でしたら60両にして)を製造する方法にさせて頂く事に致しました。
従いまして、発売後の在庫は5両以下の極少量ということになりますので入手困難が予想されます。
御希望されるお客様は可能な限りお早めに御予約される事をお勧め致します。(2025.01.26)



*現在の在庫状況はこちらを御参照ください。



「魚梁瀬の野村組製DL」キット組立講座

「魚梁瀬の野村組製DLU」キット組立講座

「高知の小関式木製運材台車」キット組立講座



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