奇天烈トロッコ
〜至高のナロー軌道43選〜
青森恒憲 著

Chapter-8 宇佐美建設都賀工事軌道-1

いつもの通学電車、113系の総武快速の車窓をボーっと見ていたボク。
が、次の瞬間、驚愕の事態が起こるのです。
田んぼに延びてゆく線路、見るからにゲージの狭いトロッコの軌道ではないですか!
コレは夢か幻か!?
時は1979年の晩秋、場所は自宅から僅かな距離。
で、さっそく行ってみました。
この界隈に住んで約5年、そこそこの土地勘はありましたから、自転車こいで、だいたい目星を付けていた道をたどって難なく到着。
しかし、予想外の展開にビックリしました。

電車から見えた線路は通称"高品線"でした。
総武本線とは反対側の道路からアクセスしようと来てみたのですが、その高品線に加え、道路を隔てて反対側に延びる別の線路(原町線)もあったのです。
あ…
線名や位置関係につきましては「奇天烈トロッコ」に地図を掲載いたしますので、そちらをご覧いただければ幸いです(^_-)-☆
車窓から見つけた高品線は一瞥しただけで、何故か原町線の方に足が向きました。
軌道に沿った小道があったせいかも知れません。
軌道を観察しつつ、辿って歩きました。枕木は丸太、軌条は最小クラスだったので、「手押しで何かを運搬するのかな…?」くらいにしか思えませんでした。
線路が敷かれていたのは水田、荒地などで、所々ぬかるんだ箇所もあり、重たい機関車などは入線不可能にも見えましたから。
軌道は敷設されて間もないようで、未だ使われた形跡もありませんでした。
車両も見当たらず、終点の資材置き場で僅かに平トロ1両を確認しただけ。
恐らく敷設の際に使ったのでしょう。軌条+丸太の軌匡を平トロに載せ、延伸して行ったものと思われます。
軌道は意外と長く、両路線ともに5〜600mはありました。
しかし、この日の訪問では軌道の目的などは判らず、不完全燃焼のまま現場を去りました。

最初の訪問から何日間が過ぎたものの、通学の電車から見る軌道には、何ら変化がありませんでした。「いったい何のために敷かれたんだろう…?」毎日そう思いながら車窓を眺めていたものです。
数日が経過した頃、車窓から小さなバッテリー機関車と鉱車の入線を確認しました。
未だ動いている様子はないものの、いよいよ始まる気配が感じられます。
期待に胸を膨らませ、現場へ行ってみました。
道路から高品線を眺めると、土運トロッコを人が押して作業をしていました。
作業員の方にBLの事を尋ねると、「あっちに行ったよ」との返答。原町線で稼働しているということですね。
早速原町線へ向かったものの、悔やまれるのはこの時の高品線を撮影していなかったこと…(T_T)/~~~人力トロッコの様子も撮っておけばよかったのに…(-_-;)
この10日間余りで工事が進んだようで、軌道の脇には掘り出された鉄管がいくつも置かれていました。 トロッコも随分走ったのでしょう、ぬかるみに線路が埋まった個所もあります。
バッテリー機関車は3両の土運車を従え、土の運搬に活躍していました。
速度はかなり遅く、小走りで追い抜けるくらい。
土運車は横開き式で、ナベトロのように積載部を倒して降ろすタイプです。
しかし、ここではユンボで土運車を吊り上げ、穴の上で逆さまにして土を降ろしていました。
バッテリー機関車は最小クラスで、ニチユ製の1t機ではないかと思われます。
資材置き場から土を運び、戻りは空車、もしくは鉄管を積んだ平トロを従え、長編成?になることも…
急カーブでは脱線が多発するせいで最徐行。なかなか変化に富んだ光景でした。
そんな日々が続いてゆき、夢中で撮影しながら都賀トロワールドにのめり込んでいったのです。



1979.11



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当社への御予約特典として、青森さんから素敵なポストカードのプレゼント(^^♪。
発売日まで掲載した写真の中から、3枚セットにしてプレゼントさせて頂きますのでお見逃しなく!




モデルワーゲンからもプレゼントを御用意することに致しました(^^♪。
というのはたまたま古いノートを引っ張り出したら、当時ボクがB5のノートに描いた駒形石灰と正田醤油の見取図を発見してしまいまして、もっと早く編集中に思い出せば良かったのですが、悔やんでももう印刷中(@_@)。
それならばせめて本と同じB5に両面印刷(表は見取図、裏は写真)したものを、各1枚当社からプレゼントさせて頂こうということにしました。
このようなことで書店販売分には入れられませんが、そこのところは何卒御容赦ください。



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