2004年のスタートを飾る「木曽のキャブフォワード」こと酒井製10tDLですが、まずは「採寸の旅」で御紹介した122号機・130号機・135号機の製品化を致しました。次年度で2機、また次の年度で残りの2機という具合に全7機を製品化。 そこで、この製品のコンセプトをここでは御説明させていただくことに致します。 DBTの完成型を目指した製品 1)マシマ製モーターをボンネット内に収めて、キャブインテリアを可能な限り充実させました。 2)それによってウエイトを腰高の床下に置き、不足になりがちな重量配分を補いました。 3)特に122号機はハンドブレーキの違いや床下死重まで再現致しました。 4)特徴ある正面の「湘南フェイス」は、鼻筋をくっきりと出すためにロストワックス製としました。 5)この正面には、号機によるディテールの違いを表現するとともに、鼻筋を出し易いように、極力 ディテールは後付けと致しました。 6)台枠の表現は、エッチング加工されたプレス板に、各種の立体感あふれるロストワックスを半田 付けしていく方法を採用。 7)これにより、メリハリの効いた足回りが再現しました。 8)キャブとボンネットとはビス止めによって組み合わせるようにして、塗り分けの労力を極力省け るように致しました。 それでは、模型化外観図を御覧にいれ、それぞれの特徴を御説明致しましょう。 122号機:何といってもトップナンバーですから、試作的要素が強いです。正面窓のハの字に傾いた感じ、その下の手摺もヘの字になっています(ノブの間隔も他号機とは違います)。タイフォンやヘッドライトもヒサシの上に装着されています。ハンドブレーキハンドルは枕木に平行していますし、今回製造する中で唯一テールライトが床板上にあります。キャブ側面の2本のリブがこの号機だけは在りません。後ろに回ってみるとラジエターグリルの本数が7本。台枠後部に死重が装着されています。キャブ屋根上とボンネット上面がグレーに塗られています。 130号機:タイフォンやヘッドライトはヒサシの下に移転しましたし、ハンドブレーキハンドルも90度回転しました。テールライトはエンドビームに埋め込まれました。キャブ側面のリブは、銘板がそこに付くので若干短いタイプです。後ろに回ってラジエターグリルの本数は8本。後部タイフォンはヒサシの下にありますね。キャブの屋根はクリーム色(ヘッドライトケースも)で、ボンネット上半分がグレーです。 135号機:成熟期のスタイルです。まず目立つのは前後のバックミラー。キャブ側面のリブは長く、銘板もありません。給油口の背が高く、排気管も後方に(内側にも)移動しています。ラジエターグリルの本数は6本です。塗装は122号機と同じく、キャブ屋根上とボンネット上面がグレーに塗られています。また、3種共通で外観図には描かれていませんが、ラジエターグリルの内側には縦筋の可変翼を表現したロストが付きます。 なお、前後の列車名サボ受は標準装備され、サボは「アルプスモデル製」がピッタリ合うように出来ています。 冬の姿を再現したい方のために、正面通風孔の「防寒マスク」も別に御用意致しました。この姿もなかなかイイものです。 キャブインテリアの配置図を御紹介しましょう。イラストでは見えませんが、計器盤の下には温風ダクトも表現されています。さらにKMC人形の原形制作を手掛けたKURISHIMA DOさんが、腕を振るって運転手/運転助手を作ってくれました。人形は別売になりますが、これでまた楽しみがひとつ増えました。ちなみに、実車同様に床板から一段高くなっているキャブ床板の下には、ウエイトが搭載されます。 別売用としてKMCのメンバーKURISHIMA DOさんが人形の原形を作って下さいました。なかなか素晴らしい出来栄えに、画竜点睛を差す思いです。 2001年9月に出荷された「上松の凸型DL」以降のトータルキットには、組立途中のカラー写真入り説明書を添付しているのは御存知の通りです。しかし、この写真はスペースの問題から小さく、かつ割愛せざるを得ない状況が昨年末まで続いておりました。この問題を解決する方法として説明書のデラックス版のCDを、今年度初の製品である「木曽のキャブフォワード」から総ての製品について販売することに致しました。 これは組立説明書上の小さな写真をクリックすると画面一杯の大きな画像になり、しかもより細かい製作途中の写真をふんだんに盛り込みました。しかも資料編としては、活躍していた頃の実車の写真や、保存車輛を撮った細かいディテール写真も加え、林鉄研究家として著名な西裕之氏に執筆を依頼しておりますので、トータルキットをお求めになられた方のみならず、未塗装キット・塗装済完成品を御予約くださった方々にも、充分楽しんで頂ける内容に仕上がっています。 |