「久々に燃えてきたゾ!」の巻


KMCを立ち上げた時に「白川線の印象」と「黒渕ジャンクション」という、いわゆる白黒コンビを製作して以来、会員の新作を横目に、だんまりを決め込んでいたもりこー会員ですが、素晴らしいモジュールが次々と出現するのを目の当たりにすると、流石に製作意欲も湧いてきます。

 実はこの「濁川線」の前に通称「楓ちゃんモジュール」というコーナー物を製作中だったのですが(去年の今頃から最近の間に遊びに来られた方々は、ガラスケースの上に載せられたモノを御覧になっていますよネ)、何故か行き詰ってしまった訳で。その理由はきっと、プランをジックリと練らずに勢いに任せて着手してしまったため、と思われ、進めば進むほどイメージが違ったものになってしまう。これは貴重な経験でした。

 折りしもKMCでは従来の本線級のほかに、2級線軌道の規格も新たに設定され、かねてより「自分で」作ってみたいと思っていた「濁川線の木橋」に無謀にも挑むことにしちゃいました。

 「自分で」とわざわざカギカッコ付きにした訳は、ウチにはあの松井大和氏作による同じ情景があるからで、いままで組立説明書などの撮影ポイントや、王滝村のイベントなどへの貸出しなど、大活躍してきました。その同じ情景を、師匠の向こうを張って作ってみよう、というのですから、なかなか踏ん切りが付くものではありません。
 しかし、これ単体で纏まった作品とモジュールとでは意味合いが違うから、という理由を探して製作に踏み切りました。ボクにとってこの情景は、それほどに魅力ある存在だったのです。

 濁川線のこの情景は、雑誌に発表されたレイアウトや、お客様のHPでもいくつかの作品を拝見したことがありますが、「部屋の広さなどの制限から、2畳のエンドレスに纏めなければならないとかの制限」を受けないモジュールの利点を活かして、600のモジュールを2個連結して正方形にしたものでプランしてみました。全体の線路配置はSカーブになりますから、エンドレスに組み込む場合には、どこかに調整用の300モジュールを用意しなければなりませんが、このプランを会に打診してみたところ、調整用モジュールを自前で用意するならば、という条件付きでOKが出ました。あとはやるっきゃ無いでしょ。



 

 

これが製作途中で挫折した「楓ちゃんモジュール」。安曇木材のストーリーになぞらえてイメージしてしたもので、平らな部分に製材所が建つ予定でした。大きさは600x600mmでした。右下の状態で約10ケ月。いささか長過ぎました。「プランを熟考したのちに烈火の如く製作する」。それがこのモジュールから得た教訓でした。



 

ついに「楓ちゃんモジュール」に別れを告げる時が。オハネ17のように台枠はそのまま流用して、上まわりは金鎚で粉砕してしまいました。台枠には新しくベニヤ板を貼って新装開店です。左下の部分は堰にする予定なので、一段低くなっています。



 

まずベニヤ板に大まかなプランを鉛筆で書いてから、岩壁の製作に着手。今回初めて使ったのですが(買ってはいたのですが、使う情景もなくお蔵入りしてました)、ウッドランドシーニックのシリコンか何かで出来ている雌型を使用。15種類も発売されているそうなのですが、ボクは2種類しか持ってない(結構たかいのだ)。石膏を買ってきてこの雌型に流し込んで待つこと約1時間。20分ほどで石膏は固まるのですが、念のために1時間待って型から剥がしたところ。これを何度か繰り返して、台枠に並べてみます。辻褄が合うように鋸で切ったり、マイナスドライバーでほじったりしながら、作業を進めていきます。橋脚は「楓ちゃん」のをシッカリ流用しました。



 

岩壁と台枠の壁面との間には、ウレタンフォームを熱線カッターで切り出して接着。と言いたいところなのですが、正直な話、このカッターは使いモノになりませんでした。何故って?カットできる厚みは25mmまでで、奥行は110mmまで。衝動買いをしたものの駄目だったので、結局は女房に嫌がられながら、今までと同じように、カッターで切粉を撒き散らしながら(発泡スチロールよりはマシですが)作業することになりました。ヤレヤレ。この段階でおおまかな形にウレタンフォームをカットしておきます。