2022年度の製造予定


あけまして、おめでとうございます。
 毎年恒例の「大風呂敷」を広げる候となりました。
 皆さん、この大風呂敷を結構楽しみにして下さってるようで、年の瀬になると「来年はどんな大風呂敷を広げてくれるか楽しみにしています!」的なメールをよく頂きます(^^♪。
 まあ、寄席へ大笑いしに行くような、軽い気分でお楽しみ下さい。
 今年は創業30周年。これもひとえにモデルワーゲンを愛して下さる方々のお蔭と考えております。
 御期待に応えるべく今年も頑張りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
 なお、製品は総てHOeで、製品の前の番号は必ずしも発売順ではありません。


1.九十九里のキハ102〜104
2.九十九里のキハ201
3.九十九里のハニフ105&ハニフ106
4.木曽の協三製10tDLV*No.139
5.木曽の協三製5tDLU*No.101・105・111
6.仙北のハ1401
7.仙北のニフ1405&ニフ1409
8.頸城のト2・3・5・6&トフ1・4
9.頸城のワ7
10.立山砂防の加藤製4tGL
11.草軽のホハ30〜33
12.立山砂防の北陸製モーターカーV*12-10-2
13.立山砂防の人車U*62-10-113型
14.立山砂防の雑貨物車*5-10-72型
15.立山砂防の保冷車*9-10-8
16.立山砂防の上部点検車*12-10-1
17.尾小屋のホハフ6
18.沼尻のボサハ14
19.別海のミルクタンクローリーU
20.木曽の危険物専用車
番外.書籍「簡易軌道写真帖U(仮題)」



毎年この大風呂敷を広げるのも恒例になってしまいましたが、皆さん「寅さんの映画」を正月に見に行って大笑いしながら正月を迎える気分で楽しんで頂けているようなので、こちらも張り合いがあります(^_-)-☆。

このように新製品のラインナップを見て楽しんで頂くのもメーカーの務めと考えておりますが、この中の1両でもお求め頂き、実際にモデルワーゲンの製品の良さを実感して頂けたらと思います。

大風呂敷でその年の2/3位の製造予定品を発表して、10月の「軽便祭」の際に残りの1/3を発表するのが通例になっていましたが、その軽便祭もコロナ禍で開催されておりませんので、一気に発表させて頂くことに致しました。

逆に発表はしたけれども、全く反応のない製品は発売時期を調整させて頂く場合もあります。

昨年はコロナにより一部の製造工場を切り替えたりした事から思うように生産が上がらず、発売した新製品の数も減ってしまいましたが、年末からはその生産体制も拡充しましたので、今年はフル活動で邁進したいと考えております。

いずれの製品も、ナローゲージでありながら「手にした時に、これぞブラスモデル!」と思わずニンマリしてしまうような、小さくても手応えのある逸品に仕上がっております。

それにしても今年は大盤振る舞いというか、例年以上に予定品のラッシュですね〜(^O^)。

赤文字の製品は、クリックすると該当ページにジャンプします)



1.九十九里のキハ102〜104
 今年から新しく始まる「九十九里シリーズ」のトップバッターは丸山単端です(^^♪。
 丸山単端ですから頸城の丸山製単端ジ1と似ているのですが、妻面は平らで客用ドアーが小さい(というか、こちらが普通なのですが)など、様々な違いがあります。
 当社の単端にはエンジン下にミッションボックスが表現されているのがポイントで、ボンネットを斜め上や横から見たときにそれが見えて、充実感が増すようになっています。
 もちろん夏姿と冬姿の両方で発売いたします。
 この製品は既に製造に着手していますので、じきに受注が開始されます。


2.九十九里のキハ201
 こちらは雨宮製で沼尻のガソ101と似ているのですが、大きな違いはドアーが線対称の位置(左右いずれもエンジン側)にあること、エンジンが大きいことや妻面の屋根の違いなどから、結構印象が異なります。
 当初は沼尻のガソのように後部に折り畳み式バケットがあったようですが、末期には撤去されているので、エンジンの違いと共に再現してみたいと考えております。
 もちろん夏姿と冬姿の両方で発売いたします。


3.九十九里のハニフ105&ハニフ106
 キハと組み合わせるとしたら先ずはハニフだろうと思い設計を致しましたが、荷物合造車のスタイルに惹かれるのはボクだけでしょうか?
 写真を仔細にチェックしたら105と106とではドアーの形が違うことが判りましたので、その違いも再現しています。
 もちろん夏姿と冬姿の両方で発売いたします。


4.木曽の協三製10tDLV*No.139
 木曽の協三製10tDLUを発売した際にこの機関車も発売したかったのですが、この1両だけはあまりにもスタイルが違い過ぎるので見送ってしまったものです。
 他の協三製10tDLは鋳鋼台枠なのに対してこちらは板台枠、キャブも「沼尻のDC12」のような感じで、グラスグリーン+マルーンという色合いとともに異色を放っています。
 それだけにこの機関車の存在価値があると考え、敢えて発売に踏み切りました。
 前後左右の窓は開いた状態にも出来るようになっています。


5.木曽の協三製5tDLU*No.101・105・111
 どうやら今年の木曽は協三づいているようで、この5tDLも小粒ながら味わいのある機関車です。
 木曽の協三製5tDLを以前発売致しましたが、屋根上にエアータンクもないスッキリした姿が魅力です。
 協三製鋳鋼台枠の特徴である側台枠を前後からボルトで止める方式は、酒井や加藤などとは違った趣があります。


6.仙北のハ1401
 これも今年から新しく始まる「仙北シリーズ」の一環で発売されるもので、仙北のDC103に牽かせるにはピッタリの客車です。
 仙北鉄道は御存知のように沼尻とよく似た車両構成になっていて、SL改造のロッド式DLと客車群、そしていくらかの気動車たちといった内容でした。
 但し、沼尻と違うのは穀倉地帯を走るだけに収穫されたお米を運ぶ無蓋車が多かったことでしょうか。
 もちろん夏姿と冬姿の両方で発売いたします。


7.仙北のニフ1405&ニフ1409
 仙北の特徴は荷物車が活躍していた事です。軽便鉄道で荷物専用車があったことは特筆されることで、いかに荷物の運搬も頻繁に行っていたかが窺われます。
 ですから、仙北の世界を再現するには欠かせない存在と云えましょう。
 もちろん夏姿と冬姿の両方で発売いたします。


8.頸城のト2・3・5・6&トフ1・4
 頸城シリーズに無蓋車が加わります。「ト」は普通の貨車のように足踏みブレーキ式、「トフ」はハンドブレーキ式で、その用途の違いは「トフ」の方は走りながらブレーキを掛ける事ができた事でしょうか?
 当社の無蓋車の製造方法に則って、ディテール豊かなロストワックスを使い、内側まで手を抜かないものになります。


9.頸城のワ7
 こちらも頸城シリーズに加わる有蓋車です。頸城のワ1〜11の仲間なのですが、1両だけは鉄板張りに改造されました。
 貨車の魅力というのは統一された美しさというよりも雑多なものが混じって編成される面白さにあると思うのですが、今までに発売した「ワ1〜11」や頸城のワ12&13と組み合わせると妙味が増すことと思います。


10.立山砂防の加藤製4tGL
 立山砂防軌道は酒井製5tDLの、その後は北陸製5tDLの天国ですが、酒井製が正式に採用される前は加藤製も活躍していました。
「いかにも加藤!」といったボンネットが高くてキャブが低いスタイルは、ナローファンには堪らないものがあります。
 5-Tg-4と5-Tg-5の2両が存在していましたが、前後の表情も異なり、それぞれに魅力があります。
 ここまで10アイテムの新たに加わった予定品は総て既に詳細な設計も完了しておりますので、リリースするタイミングを図っているような状況です。


11.草軽のホハ30〜33
 昨年度に発売した草軽のデキ草軽のホト105〜109と是非組み合わせたいのがこの客車です。
 今回設計をするまで前後対称だとばかり思っていたのですが、車端の窓やドアー幅は前後で違うんですね(^^ゞ。しかも貫通扉は引戸と開き戸の違いまで。


12.立山砂防の北陸製モーターカーV*12-10-2
 数字で車両番号を表すようになって製造年度が分かり易くなったのですが、その数字が表すように平成12年度製のモーターカー。
 このモーターカーの特徴は後妻面に大きな開き扉がある事で、担架をここから入れやすいように工夫されています。
 屋根上には一時使われていたGPS装置の箱が載り、ルーフキャリアまで装備されています。
 細かいハナシですが、モーターカーのドアは一見同じように見えても、大きさやドアハンドルの種類などが違い、車両ごとにロストワックスを作り直さなければならず、これを精密なロストワックスで作っているので「統一してくれよ!」と云いたくなってしまいます(^^ゞ。


13.立山砂防の人車U*62-10-113型
 さて、ここからは続々と現役バリバリの客車群が登場します。
 スイングアーム式軸受や前後に装備されたヘッドライト、そして妻面の複雑な配管など、新鮮味に溢れています。


14.立山砂防の雑貨物車*5-10-72型
 一見、人車Uと似ていますが、車内には座席がなく、荷物の積み下ろしをしやすくするために扉が大きくなっています。


15.立山砂防の保冷車*9-10-8
 車内半分にはクーリングシステムが備わっているため、残り半分が左右ともに大きなスライドドアー、しかも屋根上にはエアコンシステムまで搭載された保冷車。
 いかにも新機軸の車輛らしさに溢れています。


16.立山砂防の上部点検車*12-10-1
 上部点検車ですから屋根には大きな窓が備わり、車体4隅には流石にカーブドガラスではないものの窓柱のない窓ガラスが備わった車両。
 グラスカステンと云ったら言い過ぎになりますが、かなりカッコ良いスタイルをしています(^^♪。


17.尾小屋のホハフ6
 尾小屋の客車は三重交通から譲渡されたものが大半を占めていましたが、この客車も同様でした。
 しかし、この客車の特徴は、まるで京浜急行の電車のように窓が大きくて開放的な雰囲気であった点です。
 同じ三重交通の仲間でありながらホハフ5の暗さとは対照的です(^O^)。
 そんなホハフ6も貴方の尾小屋に混ぜてあげてください(^^♪。


18.沼尻のボサハ14
 これも以前、沼尻シリーズを展開したときからリリースを望まれていながら実現できなかった客車。
 栗原から譲渡されたもので、窓が大きめで明るい感じがするのが特徴。このように氏素性が異なる客車を繋げる楽しみが沼尻にはあります。


19.別海のミルクタンクローリーU
 つい先日から受注を開始した製品です。
 当社がナロー製品を発売し始めた頃に「別海のミルクカー」として発売いたしましたが、今の目で見ると設計の古さは否めません。
 そこで今回、全面的に設計をし直して発売することと致しました。
 タンク部分には全面に亘って網目模様が入ってズングリしたその姿は強烈な魅力を放っています。


20.木曽の危険物専用車
 年明け早々には出荷となります。
 こんな車両も仲間に入れたら楽しいだろうな、と思って製品化します(^_-)。
 赤い「危険物専用車」の文字はディカールで付属させます。


番外.書籍「簡易軌道写真帖U(仮題)」
 1997年に出版をし「後世に残すべき良書」として国立国会図書館に保管されていながら、長い間絶版状態だったために中古市場では高値で取引されていた「写真帖」が装いも新たに出来上がります。
 この25年間には新たに発掘された写真も多数あることから、単に再版ということではなく、全く新しい写真集として編集をしなおしております。
 札幌駅からC55の牽く「急行利尻」に乗り込み時空を超えた旅に出るというエピソードは「特急宗谷」へと変わり、早朝の問寒別駅で出迎えてくれた新聞配達員の少年も中年のオヤジとなり、といった具合に時代も進んでいきます。
 もちろん共著相手の今井さんが担当するハードな記事も、新しく判明した資料を基に書き直されていますので、以前の本をお持ちの方でも、きっと御満足を頂ける内容だと自負しております。




*勿論これ以外にも定番商品たる「各種運材台車」などは再生産を重ねていきますし、状況によっては上記以外の製品、新しいタイプの運材台車や貨車などが発売される可能性もございます。


本年度も昨年同様何卒宜しくお願いいたします。