木曽森林鉄道の詰所を観察する


林鉄の建物は地方私鉄のそれとは同じなのか?もしも違うとしたらどう違うのか?これが一番の興味の的でした。幸いにも滝越の構内にはいくつかの建物が現役当時とさして変わらない状態で使われていました。
取材:平成15年12月14日 滝越停車場跡

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現在は林道事業所の詰所として使われており、軒下に高く積まれた薪が「生きている証拠」です。冬ともなれば深い雪に閉ざされてしまう土地柄ですが、案外屋根の勾配はありません。殆ど松電の詰所と変わらない程度です。但し、雪止めはちゃんと付いています。もうひとつ特筆するべき点は、瓦はめったに使われないということです。これは民家でも同じで、まず瓦葺きの屋根を見掛けることはありません。裏側に廻ってみると、ガソリン計量器をそのまま使った燃料タンクが差し掛けの下にありました。暖房用と風呂釜用とで、薪と灯油を使い分けているようです。


裏側に廻ってみると、ほんの一部分にしか雪止めがありません。普段、薪とは縁の無い生活をしていると、その長さなどは全く見当が付かないもの。改めて測ってみたら約30cmでした。


林道事務所とは一体何?と思われるかも知れませんが、例えば雪が降ったときに、道としての使命を確保するためにラッセルしてみたりするような所です。ですからいつ行っても、大きな除雪機械が前に停めてありました。右の2枚は、滝越を印象付けてくれる二階建の詰所です。いわゆる宿泊施設に使われているようでした。


「やまばと号」が運行されていた時に、村有の7tDLの機関庫として使われていた建物。「人」の字型の屋根が特徴で、製作意欲を沸かせてくれます。今では物置として使われていますが、残っているだけでも感謝です。