キット組立講座

九十九里のキハ102〜104



この製品から「九十九里シリーズ」が始まります。
 丸山製単端は頸城のジ1でも製品化しましたが、こちらはオーソドックスなスタイルをしていますので、どんな風景にも溶け込むことが出来るのではないでしょうか?
 エンジン周りを細かく作り込む事によってこの製品のハイライトポイントとし、各種のロストワックスを適材適所に散りばめて充実感のある製品に仕上げました。
 そんな魅力あふれる「九十九里のキハ102〜104」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.まず軸受に付いているブレーキシューの片方を、ハンガー部分から左右各2個切り取ってヤスリで仕上げます。



2.床板はプレス加工で若干反っていますので、透かして見ながら指で修正しておきます。
 そこに台枠をなるべく外側に寄せるようにして半田付けをし、更に軸受もなるべく外側に寄せて半田付けします。
 その後にカプラー座を半田付けします。



3.ロスト製のブレーキテコは湯口が付いた状態のままで、中央部の凹み部分にφ0.4の穴を開け、両端部の凹み部分もφ0.4のドリルで少し掘っておきます。
 ここで湯口をカットして仕上げ、両端部に短いブレーキ軸を差し込んで半田付けします。
 ブレーキハンガーをランナーから切り取ったら、凹んだ部分を谷折りにして前後の軸受の中央部、しかも床板の中央に半田付けします。
 これにブレーキテコを介しながら長いブレーキ軸を差し込み両端部で半田付け。
 更にブレーキテコも半田付けしますが、これには向きがありますので外観図をよく見て間違わないようにしましょう(見本では撮影した後で間違っている事に気付きました(^^ゞ)。
 このテコは立て過ぎるとレールと干渉する場合がありますので、写真や外観図程度に寝かせておきます。
 この作業が済んだら短い方のブレーキ軸を軸受に付いたブレーキシューハンガーの位置でカットしておきます。これは最終的にここにウォームギヤーが来るためで、それと干渉しないようにするためです。



4.ここでフロントデッキの工作です。
 まず排障器を2本のバーの先に半田付けして、写真のような感じで曲げます。
 これにオイルパンを取り付けますが、接合面は平ヤスリで平滑にしておき、瞬間接着剤で止めます。

 


5.床板にウェイトを1.4mmタッピングビスで止めますが、僅かに瞬間接着剤を併用すると良いでしょう。但し隣接するネジ穴に接着剤が流れ込まないように留意しましょう。
 前方のウェイトはネジ穴が前に来るように、後方のウェイトは車体センターに来るように留意します。
 これにフロントデッキを1.4x2mm大頭ビスで仮止めしますが、塗装の段階になったら別個に塗装します。



第2回
1.裏側に半田メッキをしておいたウィンドウシルを側板に半田付けします。ドアーの角穴の部分は念のために平ヤスリで仕上げておきましょう。
 この角穴の脇の細い部分はプレス加工で若干外側に歪んでいますので、それを修正してからドアーと窓枠を半田付けします。
 窓枠は後方のテスリ穴を逃げる切り欠きがありますので、それの高さ方向の位置が合うように水平度に留意して半田付けします。
 写真の左側がキハ102、右側がキハ103〜104です。



2.これにアングルを半田付けしますが、写真とバラシ図を良く見て左右を間違わないようにします。
 窓枠にアングルを突き当てるようにして半田付けしますが、くれぐれも水平度には留意しましょう。
 そして客用ドアーの下には角穴に沿わせるようにステップを半田付けします。下側は1mmの幅に対して0.8mm角ですから0.2mm残るはずです。



3.妻板の工作です。前側はウィンドウシルを半田付けしてから左右の補強板を、後ろ側はその逆の手順で半田付けしてから、前側には通風口を半田付けします。夏姿にしたい場合は開いている方の通風口を使います。
 それから窓枠を半田付けして、最後にヘッドライトケースを半田付けします。
 ボンネットは後ろ側を平らに仕上げておき、今の段階ではビス止めしませんが、雰囲気を見てみました(^^♪。



4.側板と妻板とを(妻板の板厚が見える方向で)裾合わせで組み合わせて半田付けします。仮に屋根板を充ててみて、隙間がないかを確認しておきます。

 


5.側板と妻板と四角に組み、ボンネットを1.4x3mmビスで止めますが、妻板の裾から1mm下に出るようにセットしましょう。
 この段階で出来上がっている床板と1.4x2mm大頭ビスで止めてみて、妻板の裾とフロントデッキが平行になっているかを確認しておきます。
 写真の作例では僅かに向かって左側の方の隙間が広くなっていますが、これは車体アングルを歪んで半田付けしてしまった証拠です。これでは車体が傾いてみっともないので、面倒がらずにアングルを付け直しましょう。

 


6.屋根板は鋳物ですので表面が僅かにザラついた感じになっていますので、滑らかに仕上げておきます。
 サンドペーパーやナイロンタワシ等を使うと良いでしょう。指の腹で撫でてみてザラついていなければOKです。
 これを車体に乗せてみて隙間がないかを最終確認しておきます。
 場合によっては向きを換えてみると良い場合がありますので、その場合は屋根板の裏側にメモしておくと良いでしょう。

 




7.この段階でカプラーを1.4x4mmビスで止めてしまいます。
 今まで破損が怖くて付けていなかった乗務員用ステップも上下をバラシたついでに半田付けしておきます。
 このステップはプレス加工で若干ネジれている場合もありますので、取付部は平行になるように整えておきましょう。
 最後にテスリ用の穴を塗膜も考えてφ0.5ドリルで開け直しておきます。

 


第3回
1.塗装に掛かります。塗装する総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りしてから、ボディー・ハンドル2個(旧塗装は4個)・テスリはMWC-03 クリームで、旧塗装の場合はフロントデッキをMWC-20 ミディアムブルーで、新塗装の場合はフロントデッキ・ハンドル2個をMWC-21 ネイビーブルーで、屋根板はMWC-22 レッドブラウンで、床板まわり・ギヤーフレーム・動輪押さえ板はMWC-02 ディープブラックで塗ります。
 ボディーはウィンドウシルから上をマスキングしてMWC-20 ミディアムブルーもしくはMWC-21 ネイビーブルーを塗ります。
 テスリは塗り分けラインでマスキングをしてMWC-20 ミディアムブルーもしくはMWC-21 ネイビーブルーを塗ります。
 ヘッドライトケースはステイから黒ですが、これはプラカラーの黒を筆塗りして、内側は銀色を塗っておきます。



2.屋根はMWC-22 レッドブラウンで別に塗っておき、ボディー側板に半田付けをした窓枠の上の部分に薄くエポキシ系接着剤を塗っておき接着します。この方法でしたら接着剤が滲み出ることもないでしょう。
 ヘッドライトにはリムとレンズを接着して、全体をMWC-09 クリヤーで艶を整えてからMWC-17 ダークグレーで軽くウェザリングをして、プラ板などから切り出した窓ガラスを貼ります。
 そしてレンズにはプラカラーのクリヤーを差しておきましょう。



3.モーターにはアダプターを介してウォームギヤーを木工用瞬間接着剤で止めます。万が一のことを考えて、モ−ターの軸受部分にはオイルを差しておきましょう。
 モーターとウォームギヤーとの隙間は1mmにセットします。
 集電ブラシには35mmにカットした配線コードを写真のように半田付けしておきます。

 


4.動輪受けを1.4x2mm(小頭)ビスで床板に止めますが、この部品は塗装前に動輪を入れてみてスッと入る事を確認しておきましょう。もしもスッと入らないようでしたら、微妙に捻じれている場合がありますので、これを修正しておきます。
 絶縁ワッシャを介しながら集電ブラシを1.4mmx2mm(小頭)ビスで止め、配線は中央の穴から上に出しておきます。



5.集電ブラシを外側に若干反らしながら動輪をセットして、動輪押さえ板を1.4x2mm(小頭)ビスで止めます。
 モーターは各々の+側に端子を中央向けにセットして1.4x2mm(大頭)ビスで止めます。
 配線はレールと並行に2個のモーター端子を25mmにカットした配線コードで結び、集電ブラシから立ち上がってきたコードは左側は左側の端子に、右側は右側の端子に半田付けします。

 


6.上下は1.4x2mm(大頭)ビスで止めますが、前側は一旦動輪押さえ板と動輪を外して止めます。
 ブレーキテコのロッドはウォームギヤーと干渉していないかを確認しておき、これで完成です。
 小さいながらも写真から重量感が伝わってくると思うのですが、それがボクの目指すところです(^^♪。









 








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