九十九里のハニフ105&ハニフ106![]() 2軸車でありながら欲張った合造車、それがこの「ハニフ」です。 荷物室とは云っても広さは実につつましやかなもので、わざわざ部屋を分けるほどなのかな?と思ってしまうほどですが、襟を正したその姿勢は好感を持てます。 ハニフ105と106とはその荷物室のドアーの表情に違いがあり、更に中桟があるなしにも違いは見出せます。 似て非なるスタイルを楽しむ。それはマニアだけに許された特権ですので、そんな魅力あふれる「九十九里のハニフ」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。 第1回 1.車体本体の組み立てから始めます。まず側板と妻板にウィンドウシルを半田付けしますが、裏側を半田メッキしておくとやりやすいでしょう。 それからドアーを裏側に裾合わせで半田付けしてから窓枠を半田付けします。ドアーハンドルの穴は左右共に客室側です。 窓枠の上側は0.5mmほど、下側は0.8mmほど見えるような位置にセットします。 この後で妻板の両側に出たウィンドウシルはツライチに仕上げておきます。 ![]() ![]() 2.次に車体アングルの取り付けです。アングルの上辺を窓枠に突き当てるようにしつつ、客室側の窓枠とツライチになるようにセットします。 ![]() 3.ドアーの下部、側板の四角い穴だった位置に合うようにステップを半田付けしますが、ステップには半田メッキをしておくとやりやすいでしょう。 ![]() 4.側板の板厚が見える方向で、裾合わせで四角く正確に組みます。 客室側はウィンドウシルのラインが揃うように留意して、荷物室側は客室側と同じように上に出っ張るように組み合わせます。 屋根板は湯口を仕上げてからボディーに乗せてみます。 浮いた感じになっていると思いますので、横から見た時に浮いて見えないように、現物合わせで妻板の上部をヤスって合わせます。 2両組む場合は屋根裏に105とかマジックインクで書いておき、例えば荷物室側を湯口があった方、というように記憶しておくと後で好都合でしょう。 また、この屋根板は大きなロストワックスですので、細かいイボのようなものがある場合がありますので、サンドペーパーなどで丁寧に磨いておくと良いでしょう。 ![]() 第2回 1.下まわりの工作です。まず、床板に側台枠を半田付けしてからエンドビームを半田付けします。 エンドビームの切り欠き部にはカプラーが付きますので、床板面とツライチになるように仕上げておきます。 ![]() 2.4個ある軸受に付いているブレーキシューを、片側づつ根元からカットして仕上ます。つまり、右側にブレーキシューが付いているものを2個、左側に付いているものを2個用意します。 そして各々に軸受メタルを瞬間接着剤で接着し、ブレーキシューの腕を垂直にしておきます。 ![]() 3.ブレーキテコ受を床板に半田付けしますが、左右の三角部分は凹んだ部分を谷折りにして、折り目に半田を流しておきます。 今までは洋白板でコシがありましたが、今回はウクライナ情勢の影響で洋白板の入手が困難になり、真鍮板を使っていますので取り扱いには注意して下さい。 真ん中の部分の四角い穴を床板の穴に合わせるようにして半田付けします。 ロスト製のブレーキテコの両端には凹んだ穴がありますが、ここはΦ0.4のドリルで少し掘っておきましょう。このままでも良いのですが、ここに線を差して半田付けをするので、少しでも掘っておくと保持性が向上します。湯口が付いた状態で作業をすると、やり易いでしょう。 真ん中の穴もφ0.6のドリルでサラっておき、ブレーキ軸に通してテコ受の三角の頂点の穴に差しておきます。 ここで注意することは、ブレーキテコの向きです。荷物室との関係を外観図で良く見て下さい。 軸受を床板に仮に止めて、ブレーキ梁を組み込んでみてブレーキテコの角度を確認したら、その位置で半田付けします。 ここで軸受は取り外してブレーキ梁の両端部の突起をニッパーでカットしてしまいます。 カプラーも1.4x4mmビスで止めておきます。 ![]() 第3回 1.塗装に掛かります。まず総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下塗りをします。 車体全体をMWC-03 クリームで塗ってから、ウィンドウシルを含めてマスキングをして、旧塗装に仕上る場合はMWC-20 ミディアムブルーを、新塗装で仕上げる場合はMWC-21 ネイビーブルーで塗ります。 テスリはクリーム色に塗っておき、ボディーに固定してから面相筆で塗り分けラインより下でブルーの原液を置くように塗ると良いでしょう。 ドアーハンドルも同様に別に塗っておいてから接着しますが、ハニフ105は1個ブルーに3個クリームに、ハニフ106は4個全部をブルーに塗っておきます。 ![]() 2.屋根板はMWC-22 レッドブラウンに塗っておき、下側に出た中央部に少量の木工用瞬間接着剤を塗っておきボディーと組み合わせます。 その時に前後の妻板部での出っ張りは前後均等になるように留意します。 更に妻板の上部分裏側にも少量の木工用瞬間接着剤を爪楊枝などで塗って固定します。それらの少量の木工用瞬間接着剤は塗り過ぎると外側に出てしまいますので注意しましょう。 瞬間接着剤を使うと色がカブってしまいそうですが、木工用でしたらさほどでもなく、しかも後でクリヤーを吹き付けるのでまず大丈夫でしょう。 ![]() 3.好みによってMWC-10 フラットベースを加えたMWC-09 クリアーでオーバーコートします。 窓ガラスを塩ビ板などで切り出して貼ってから、車輪を組み込みながら床板に軸受を1.4x2mmビスで止め、床板をボディーに1.4x2mmビスで止めて出来上がりです。 ![]() ![]() ![]() ![]() |