キット組立講座


根室拓殖のかもめ号


皆さんお待ちかねの「かもめ号」の組立講座です(^^♪。
 前後のお面を雰囲気のあるロストワックス部品として、ボディーは美しくエッチング処理されたプレス部品を組み合わせ、軸受まわりなどに細密なロストワックス配置するという、当社流に料理されたこの車両。
 よく見ると正面の表情は、かの有名な国鉄のモハ52系・流電を彷彿させるもので、当時の流行が東の果てでも採り入れられていた事に感動すら致します。
 この製品を追いかけるように、後部デッキに載せる「代燃装置セット」が発売されますので、それと合わせてお楽しみ頂ければ、より一層楽しくなるのではないでしょうか?
 そんな「根室拓殖のかもめ号」の魅力をこの組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.まずボディーに窓枠を半田付けします。その後に車体アングルを裾合わせで半田付けしますが、ボディーの後部から2.5mmの所にアングルが来るようにセットします。
 アングルは左右ありますので、写真を良く見て間違わないようにしましょう。



2.ドアーの加工です。ドアーは左右共通部品になっていますので、若干の工作が必要です。
 裏側には穴を明けるガイドの凹みがありますので、φ0.4のドリルで左右各々2個ずつ穴を明けます。
 そこに小さなテスリを半田付けして、写真で赤い部分をニッパーなどでカットして、断面を綺麗に仕上げておきます。
 テスリとカットする側との関係を良く見て、間違わないようにしましょう。

 


3.このドアーをボディーに半田付けしますが、左右方向はボディーのエッチングに合わせて、上下方向は下のレールがボディーに半分だけ掛かるようにします。



4.前面にラジエターグリルを半田付けします。写真のように万力で一部を咥えておくと、落ち着いて作業が出来るでしょう。
 ラジエターグリルは予め指先で前面のRに合うように曲げておき、前面の裾とラインが合うような位置で固定します。
 半田付けに際しては、各々の接合面を磨いておき、グリルに半田メッキをしておくと半田が流れやすいでしょう。


5.前後のお面をボディーに半田付けしますが、まずは後ろ側から固定します。
 後ろのお面をボディーに合わせてみて、窓枠がお面の段差部分に当たっているようでしたら、お面の当該部分をヤスってピッタリと合うようにします。
 まず裾のラインが合うような位置で表側から上部で固定して、それから裾の内側から半田付けをし、更に内側から残った部分に半田を流していきます。肩から天井部分はタップリと半田を流しておきましょう。
 次は前のお面です。これも入念にボディーと合わせて具合を確かめ、ロストの具合によっては(ロストは個体差があるので)ボディーの左前上部を少しヤスる必要があるかも知れません。
 マッチングをチェックしたら、ドアー部分から半田付けをしていきます。その次に左側を半田付けして、最後に肩から天井部分にタップリと半田を流していきます。

 


6.これでボディーもシッカリしました。お面とボディーの継ぎ目はヤスリで綺麗に整えておきます。後ろのお面の側面は、継ぎ目が目立たないように表側から半田を流して、ヤスリで仕上げると良いかも知れません。

 


7.次はウィンドウシルを半田付けしますが、裏側は半田メッキをしておき、前後のロストは半田が流れやすいように綺麗に磨いておきましょう。
 短い方のウィンドウシルが後ろ側で、ドアーの脇から半田付けをしていき、最後の余った部分はカットしてから半田付けを完了します。
 長い方も同様に作業しますが、見本を作っていて感じたのは、普通こういう場合はウィンドウシルとボディーとの間にフラックスを流しておき、シルの上に半田ゴテを充てれば良いのですが、前後のロストの部分は若干の半田をコテに着けておき、シルの脇からコテを充てるようにした方が半田は流れやすかったです。

 


8.最後に小さなパーツ、前後のヘッドライトケースやワイパーを半田付けし、ベンチレーターはバリを綺麗に仕上げてから瞬間接着剤でボディーに止めます。これでボディーの作業は完了です。

 


第2回
1.床板(左右はありません)には軸受を垂直に半田付けして、上に出た部分はツライチに仕上げておきます。


2.フロントデッキの組み立てです。ヘッドライトが入る穴をφ0.5のドリルで1mmほどサラっておき、この穴の周辺に半田メッキをしておきます。これはドリルでサラう事によって半田を流れやすくする効果もあります。
 ヘッドライトの足は位置決めが出来れば良いので、1mm弱に長さにカットしておきます。
 大き目のヘッドライトケースは向かって左側に、小さ目のは右側に半田付けをして、チャンと前を向いているかを確認しておきます。



3.ウエイトを瞬間接着剤を併用しながら1.4x4mmビスで床板に固定して、表側に飛び出たビスをツライチに仕上げておきます。
 フロントデッキやリヤーデッキを1.4x2mmビスで床板に固定しますが、前後動可能でいずれも伸びきった位置で固定します。
 ギヤーフレームを1.4x1.4mmビスで床板に固定します。



4.ここで上下を組み合わせてみます。何処かに不具合はないですか?良かったら塗装作業に入ります。

 


第3回
1.塗装に掛かります。まずMWC-53 MWプライマーで下塗りで処理をしたあと、帯の色であるMWC-15 赤をボディー全体に塗ります。
 赤い塗料は透過性があるので、必ず下に白かグレーを塗るのが定石ですが、帯の凹んだ部分には半田がありませんから大丈夫です。
 床板から下はMWC-02 黒で塗ってから、好みで若干のMWC-09 フラットベースを加えたMWC-10 クリヤーで艶を整え、MWC-14 ウェザリンググレーで軽くお化粧をしておきます。



2.次にマスキングテープを1mm弱の幅にカットしたもので、赤帯をマスキングしますが、左側のドアーは帯がありませんので要注意です。
 そして、ボディー色のMWC-07 ライトブルーを塗ります。

 


3.外観図を見ながらマスキングしていき、MWC-14 ダークグレーで屋根を塗ります。
 これを乾燥させている間にヘッドライトケースの内側に銀色を(フロントデッキの分も忘れないように)、前後のテールライトにはフラットレッドのプラカラーを差しておきます。
 好みで若干のMWC-09 フラットベースを加えたMWC-10 クリヤーで艶を整えてから、屋根はMWC-05 ライトグレーで、その他の部分はMWC-17 ウェザリンググレーで軽くお化粧をします。
 ワイパーの塗装をカッターで剥がし、ヘッドライトケースにはリムとレンズを接着し、テールランプにはクリヤーレッドを差して塗装はオシマイ。最後に乗務員扉にドアーハンドルを接着します。

 


 




4.集電ブラシは周囲の内側に僅かに切れ込みがあるラインでカットします。
 リード線は16cmありますので、まずそれを6cmと10cmにカットして、更に各々を半分にカットしておきます。
 6cmをカットした方を集電ブラシに半田付けしておき、写真のように絶縁ワッシャを介しながら1.4x2mmビスで床板に止めます。
 ギヤーボックスの軸箱が入る部分はカッターなどで塗装を剥いでおきましょう。

 


5.ウォームギヤー(巻きの向きで左右あります)と軸アダプターとは木工用瞬間接着剤で止め、モーター軸の先端にやはり木工用瞬間接着剤を塗っておき、写真のような深さまで差し込んで止めます。
 そのモーターを床板に1.4x1.4mmビスで止めます。モーターに書かれている文字は2個不揃いの向きでも構いません。そして先ほどの10cmのリード線を半分にカットしたものをモーターのラグ板に「レールと並行に」半田付けし、集電ブラシからきた線も同様に半田付けします。
ただ、モーターに着けたウオームギヤーの向きで「この向き」というのを特定できませんので、実際に仮配線して御自分で確かめるようにして下さい。

 


6.ボディーの窓には別売の「アクリル製窓ガラス」を貼ってやり、客室の窓にはプラ板から切り出したものを貼ります。
 床板とボディーとは1.4x2mmビスで止めて出来上がりです。
 モグラのような形をしたこの愛らしい「かもめ号」。いつまでもお手元で可愛がって頂ける事を祈っております(^^♪。
 












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