キット組立講座

尾小屋のキハ1



尾小屋のキハ1は日本車両で昭和12年に製造されたもので、典型的な日車スタイルの気動車です。
 かつて当社でも販売した「沼尻のキハ2401〜2」も同じ日車製で、台車枠がこちらは特徴ある日車スタイルなのに対して、沼尻はアーチバーという違いはありますが、デッキを取り払い、その代わりに偏心台車の方に窓を1個足せば尾小屋のキハ1になります(屋根のカーブは全く違いますが)
 有名な車両だけに各社から発売されておりますが、将来何10年と色褪せない決定版を目指した製品ですので、当社が自信を持ってお勧め致します。
 そんな魅力あふれる「尾小屋のキハ1」の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回

1.まずはボディーに窓枠とドアーを半田付けする事から始めます。ドアーはハンドルの穴が外側になるように留意します。次に前後の妻板にも窓枠を半田付けしますが、側面の窓枠にはテスリ穴のニゲがありますので、それで左右を確認します。
 


2.次はボディーと妻板の半田付けです。このように平らな板の上に両者を置いて、ドアーの脇などでチョン付けして裾面が一直線になるように仮止めしてから、本格的に半田を流して止めます。



3.ウィンドウシルの半田付けです。ウィンドウシルやウィンドウヘッダー、雨樋のような細長い物は予め裏側を半田でコーティングしておき、それを所定の位置に置いてピンセットで押さえ、フラックスを流してからコテ先に少量のハンダを盛って半田付けをすると、裏側のコーティングが熱で溶けるので、少量のハンダで綺麗に仕上げる事ができます。
 まずはドアー間のウィンドウシルを半田付けしてから、妻板のシルを半田付けしますが、このシルは長さを測って真ん中のリベットに細いマジックインキで印をしておきます。
 この印を前面の窓柱の位置に合せて前面を半田付け。そのあとコーナーの部分は指先でグッと折り曲げて、ピンセットで押さえながら側面も半田付けします。
 ただ、シルは若干長めに出来ていますので、側面を半田付けする前の写真の段階で、ちょうど良い長さになるようにカットしておきます。
 


4.妻板のウィンドウヘッダーは標識灯を取り付ける為の穴がありますので、それを目安にするので印を付ける必要はありませんが、半田付けをするやり方はウィンドウシルと同じです。
 そして最後に側面のウィンドウシルを半田付けします。

 


5.この段階で屋根先を半田付けしますが、予め裏側の出っ張った部分を少しヤスってから当該部分に充ててみて、カーブ具合や長さなどを調整しておきましょう。
 その後で雨樋を半田付けしますが、上下方向はドアー上のウィンドウシルのすぐ上に、左右方向は左右均等に出っ張るように(実測12mmずつ)位置決めをしてドアー間の一か所でチョン付けして、ドアーの上でまたチョン付けして、更にその間をチョンチョンと止めていくようにします。
 側面を止め終わったら車体コーナーで指でグイッと曲げて正面中央の小穴の真上に端部が来るようにニッパーでカットしてから半田付けします。

 


6.ドアーステップを半田付けしますが、ドアーの板厚の部分に引っ掛けるようにすると位置決めがしやすいでしょう。
 その後で車体アングルを裾合わせで半田付けしますが、このアングルは透かして見て歪みが無いかを確認しておき、もしも僅かに歪みがあるようでしたら、指先で修正しておきます。

 


7.車体に小さな部品を半田付けしていきますが、標識灯の穴やテスリ、ワイパーの穴はφ0.4mmのドリルで開け直しておきましょう。ワイパーは半田付けしますが、標識灯は瞬間接着剤の方が楽でしょう。
 給油口は差し込んで半田付けしたあと、指先で上向きにしておきますが、原設計では先の細くなってる部分を差し込んで、半田付けをしてから曲げる仕様でしたが、実際にやってみると、ここが折れやすいので、穴をφ0.5mmのドリルで開け直して頂き、太い部分を差し込んで半田付け後に曲げるようにして下さい。
 テスリやハンドルは別に塗装をしておき、最後に接着する方がマスキングの手間が省けるでしょう。

 


第2回

1.下まわりの組み立てです。まず偏心台車枠に軸受を半田付けします。そうでない方の台車枠の排障器は片方ずつカットして仕上げておきます。この段階でブレーキシューが曲がっていたら修正しておき、念のために車輪を充ててみて干渉しないかを確認しておきます。



2.ギヤーボックスの組み立てです。まずスペーサー板の赤く印を付けた所を少しヤスっておいて下さい。その後で角型スペーサーをどちらかの板に垂直に半田付けしてから、歪みがないように組み上げます。
 スペーサー板のモーター軸が入る部分は半田で組み上げたあと、穴をヤスって拡げておいて下さい。

 




3.モーターの軸先に少量のゼリー状瞬間接着剤を付けておき、軸アダプターを止め、更にこの軸アダプターの先にも少量のゼリー状瞬間接着剤を付けておき、ウォームギヤーを止めます。
 瞬間接着剤はゼリー状を使うようにすると、僅かでも硬化時間が長いので落ち着いて作業できます。また、穴ではなく軸の先に付けるようにすると、これまた差し込む途中で硬化してしまう危険が少しでも回避できます。
 出来上がったギヤーボックスにアイドラーギヤーや動輪を組み込んで、モーターのネジ穴に合うように上のブラケットのプレスをヤットコなどで修正して、仮に組んでみます。
 モーターのラグにパワーパックから配線してみて、動輪が踊らず軽く回る事を確認しておきます。見本では僅かにウォームギヤーの先端が動輪押さえ板と干渉していたので、そこをヤスっておきました。

 


4.エンジンはエンジン枠に組み込んで2本出た腕で半田付けしますが、半田を流す部分は磨いておくと半田が流れやすいでしょう。もちろん水平になるように留意します。
 そしてミッションケースをエンジンに差し込んで、2本の腕の所で半田付けします。見本ではエンジンとミッションケースを半田で止めましたが、熱を与え過ぎると折角半田付けしたエンジンなどが動いてしまうので、ここは瞬間接着剤で止めた方が無難でしょう。
 なお、ドライブシャフトは細くなっている部分の長さを13.5mmにカットして仕上げておきます。
 出来上がったエンジンブロックを床下取付板に半田付けしますが、前後の部分に半田を流せば良いでしょう。エンジン脇の小タンクはエンジン枠と僅かに干渉するようでしたら、枠を僅かに内側に押し込んでやれば大丈夫でしょう。
 ブレーキシリンダーも半田付けしてから、大タンクを瞬間接着剤で止めます。

 


5.床板にはまず床下取付板用のスリーブを4個半田付けしてから、付随台車のボルスターを半田付けします。
 更に両端部にはカプラーを半田付けして、床下ユニットを1.4x2mm(小頭)ビス4本で止め、ウェイトも1.4x4mmビスで止めておきます。

 


第3回

1.塗装に入ります。総ての部品をMWC-53 MWプライマーで下処理してから、ボディーはMWC-17 ダークグレーで、床板から下はMWC-02 黒で塗ります。
 その後、雨樋までをマスキングして、ハンドルやテスリと共にMWC-03 クリームを塗ります。更にウィンドウシルから上をマスキングして(云うまでもありませんが、窓の内側にもマスキングテープを貼っておきましょう)MWC-15 朱色を塗ります。床板の台形になったカプラー受の部分(板厚の部分も含めて表側を)、テスリも3.5mmを残して朱色に塗りますが、この程度でしたら筆塗りでタミヤのエナメル塗料XF-7 フラットレッドでOKでしょう。ついでに書きますと、屋根の色はタミヤのエナメル塗料XF-63 ジャーマングレーと同じですので、マスキングの失敗などでクリームがはみ出してしまった場合など、タッチアップには有効です(^_-)。



2.ヘッドライトカバーはプラカラーで黒く塗って、テスリやハンドルを接着してから、別売のアルプスモデル製標記インレタを貼って、全部の部品をMWC-10 フラットベースで僅かに艶を落としたMWC-09 クリヤーで吹き付けてオーバーコートし、最後にMWC-17 ウェザリンググレーで軽くウェザリングをします。屋根の部分だけはMWC-05 ライトグレーで軽くウェザリングをします。
 私が何度か訪問した尾小屋鉄道の車両は、あまり手入れも良くなくて薄汚れた感じでしたので、車体裾まわりを中心に強めのウェザリングをしてみました。
 因みに前面の「キハ1」という標記(前後共に進行方向左側です)はインレタのままですと作業がしにくいので、当社の他のキットに付属しているディカールの余白を使って、これに転写してから貼ってやると上手くいくでしょう。
 このあとヘッドライトレンズにはプラカラーのクリヤーを、標識灯にはクリヤーレッドを差しておき、プラ板などから切り出した窓ガラスを貼ります。

 




3.ギヤーボックスにはボルスターを段付きビスで止めておき、モーターを1.4x2mm小頭ビスで仮止めしますが、マシマのラベルがボルスター側になるように留意しましょう。動輪を組み込んでみてギヤーの噛み合わせが最適な位置を見つけてからこのビスを本止めします。動輪押さえ板は1.4x2mm小頭ビスで止めます。
 配線コードは24cmありますので、まずそれを半分にカットして、更に35mmと85mmにカットします。短い方のコードは集電ブラシに写真のように半田付けをして、両脇は写真のように少し曲げておきます。長い方は付随台車のラグ板に半田付けします。



4.動力側台車の組み立て手順は、まずギヤーボックスにアイドラーギヤーを組み込んでからセンターピンでボルスターに止めます。次にアイドラーギヤーとの噛み合わせ具合を確認しながらモーターを1.4x2mmビス(大頭)でギヤーボックスに止めて、集電板と台車枠をワッシャーを挟みながらギヤーボックスに1.4x3mmビスで止めます。
 付随台車の組み立て手順は、台車のラグ板を介しながら1.4x3mmビスで軽く図のように止めます。車輪を組み込んで軽く回るような位置でビスを固く止めます。なお、台車の軸受け部はφ1.1のドリルで軽く揉んで塗装を剥がしておきましょう。
 最後にスプリングを組み込みながらセンターピンで止め、配線はレール方向と並列にモーターのラグに半田付けします。
 そして、床板とボディーとは1.4x2mm大頭ビスで止めて出来上がりです。

 















 

レイアウト提供・矢島穂高(軽便モジュール倶楽部)



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