キット組立講座

井笠のホハ18〜19



ホハ2などのダブルルーフ&オープンデッキ客車は蒸機時代の遺品なため意外と小さくて車体高も低いのですが、このホハ18〜19クラスになるとホジ1やホジ101などと組んでも引けを取らない大きさになり一種の風格すら持ち合わせています。
 それゆえにホハ2などと編成を組むと、雨樋の位置がデコボコになり、そこに得も云えぬ情緒を感じてしまうのは軽便ファンゆえでしょうか(^v^)。
 しかも台車は気動車用か?とも思えるような立派なアーチバー。そこいらへんがこの客車の魅力(と、断言してしまいましょう)。
 そんな魅力あふれるホハ18〜19の楽しさを、この組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。
 (向かって左側がホハ19、右側がホハ18です)



第1回

1.まず側板にウィンドウシル・ヘッダー・横雨樋を半田付けしますが、それぞれの裏側には半田メッキをしておくと綺麗に仕上がるでしょう。横雨樋はエッチングで凸表現された方が上方になります。この凸部分に細い線を乗せて半田付けします。
 次は裏側に窓枠などを半田付けしますが、まず左右のドアーを側板との下面合わせで半田付けし、最後に中央部の窓枠を半田付けします。
 最後にこの窓枠に突き当てるようにして車体アングルを半田付けしますが、ビス穴あたりと中央部の3点で良いでしょう。
 半田で埋まってしまったテスリ用穴はφ0.4ドリルで、縦雨樋取付用穴はφ0.6ドリルで開け直しておきます。

 


2.妻板に補強板を半田付けしますが、ホハ18の一部は写真のようにカットしておいて下さい。裏側を半田メッキしておいたこの補強板を妻板との上面合わせで半田付けします。またこの一番上の凹部には6本ある内の短い方の線を半田付けします。
 裏側には下面合わせでドアーを半田付けします。側板の場合もそうですが、テスリやドアーハンドルは半田付けせずに、塗ってから接着します。

 


3.側板のドアー下部には蹴込み板を半田付けし、縦雨樋と組み合わせた割ピンを側板に半田付けします。縦雨樋の上部は横雨樋の上に乗るような位置関係となります。妻板には標識灯枠を半田付けしておきます。
 側板と妻板とをL字型に組み合わせて半田付けし(妻板の板厚が見えない方向で)更に箱状に組みます。

 


4.屋根板をボディーに乗せて半田付けします。屋根板は鋳物ですので、どうしても写真のように隙間が空いてしまう場合があります。かと言ってこれを半田で埋めるのは結構難しいもの。
 そこで作例ではタミヤから発売されている「光硬化パテ」を使ってみました。このパテは2〜3分で固まりますし、固まればサクサクと削る事も可能な優れモノです。もちろんラッカーに対しても問題ありません。

 




5.写真のように爪楊枝で素早く盛り付けてやり、すぐにデスクライトの光にかざします。出来るだけ至近距離でかざします。そうすると2〜3分で硬化して、そのあと机の上に数分間放置しておくだけでヤスリが掛けられる状態になります。
 大雑把にカッターで削いでから紙ヤスリで仕上げればOKです。

 


6.床板まわりの工作です。まずエンドビームを床板に半田付けしてからカプラーを半田付けします。カプラーのボス部分は微妙に段になっていますので、細い部分を穴に差し込んで半田付けします。
 ボルスターを半田付けして、クイーンポストを半田付けします。さらに引張棒をポストや床板に半田付けしてからターンバックルを半田付けしますが、ターンバックルの湯口は大雑把にカットしておき、半田付けしてからヤスリで仕上げるとやりやすいでしょう。

 




7.台車枠に軸受メタルを半田付けします。この軸受がある事によって、転がり特性は格段に良くなっています。



第2回

1.塗装に掛かります。手順を考えたところ、屋根のグレーから塗り始めた方が楽そうなので、作例ではこのようにしています。
 下処理としてMWC-53 MWプライマーを塗ってから床板から下はMWC-02 黒で塗り、ボディーはMWC-17 濃いグレーを全体に塗ります。屋根をマスキングしてからMWC-13 井笠イエローを塗ります。この段階でテスリやハンドルも黄色く塗っておきましょう。ウィンドウシル&ヘッダーを含めてマスキングしてから、次はMWC-14 井笠グリーンを塗ります。
 別売のアルプスモデル製インレタで標記を転写したり、テスリやハンドルを接着したり、テールライトの反射板をプラカラーで赤く塗ってからMWC-10 フラットベースを適宜加えたMWC-09 クリヤーで仕上げ、MWC-17 ウェザリンググレーで化粧をしておきます。

 


2.市販のプラ板から切り出した窓を貼って、黒く塗っておいた床板を14.x2mmビスで止めます。
 やはり黒く塗っておいた台車枠とマクラバリとを1.4x2mmビスで止めて、床板にコイルスプリングを介してセンターピンで止めて出来上がりです。
 強烈な個性こそありませんが、そこが逆に面白いところで、模型趣味の奥深さを感じさせるこの客車。貴方ならばどのような編成に組み込んでやりますか?

 












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