キット組立講座

木曽のホイットコムV
No.1・No.2・No.3・No.7・原形
中標津のホイットコム、安曇木材のホイットコムNo.1・No.2




木曽のNo.1〜3を製品化したVer.1、開放キャブが魅力的な原型、全く形が違う台枠の中標津、バックミラーやタイフォンなどが賑やかな安曇木材No.1を加えたVer.2、そして全くボンネットやキャブの形状が異なるNo.7と安曇木材No.2を新たに加え、何と8種類ものスタイルで久々に再登場しました。
 また、機構面では好評の可動式軸箱を装備したり、集電方式をより確実な方法に改良したり、外観のみならずオールリニューアルのVer.3。
 そんな魅力をこの組立講座から感じとって頂ければ幸いです。

第1回
1.今回の見本はNo.1・No.2・No.3・原形・No.7・安曇木材No.2を製作し、適宜他のタイプも補足するような形で進めていきます。
 まず最初に前後妻板・左右側板に窓枠やテスリを半田付けする事から始めます。引き違い窓の基本は「右手前」ですから、間違わないようにしましょう。迷ったら押し入れの襖でも見て思い出して下さい。
 写真は左から順に上記のように並んでいます。
 No.1・No.2・No.3のドアーレールは、後妻板もしくは側板にドアーを半田付けをしてから、上下に沿わせるように半田付けをします。No.7・安曇木材No.2のドアーは枠板を後妻板に半田付けをしてから半田付けしますが、枠板は妻板の幅と同じ寸法になる方向でセットして下さい。上下方向は真ん中のドアーのエッチングによって決まるようになっています。
 また、テスリを半田付けする際にはφ0.4ドリルで穴を開ける必要のある機種もありますが、半田付けをしたら裏側はツライチに仕上げておきましょう。なお、安曇木材No.2の側面窓は左右つながっていますので、カットしてお使い下さい。



2.前後の妻板と側板との組み合わせ方は、妻板の板厚が見える方向で直角に組み、各々は下面揃いになるように留意します。箱状に組んだら平らな板の上に置いてみて歪みが無いかを確認しておきます。
 良ければ最後に屋根板を半田付けしますが、No.3だけはヘッドライトが屋根に付きますので、予めこれを半田付けしてから湯口を仕上げておいて、それをキャブに半田付けするようにします。屋根板自身に前後はありませんので、キャブから前後が均等に出るような感じにセットして下さい。
 No.7と安曇木材No.2の屋根板は端からリベットまでの距離が短い方が前側になり、屋根の後端部が枠板とツライチになる位置にセットします。




3.次にボンネットの組み立てです。写真は左から順にNo.1&No.2・No.3・No.7・原形・安曇木材No.2です。まずラジエターとボンネットとを半田付けしてから、細かい部品を半田付けしていきます。なお、ラジエターのネジ穴が開いている部分は、気持ち上向きに曲げておくと、のちのち最終組立の時にキャブと床板の間が開かなくなるでしょう。
 No.1・No.2の排気管は取り付け部が段になってる所までボンネットに入るようにセットします。
 No.3だけは構造が異なり、側板の段差になっている部分に上板を被せるようにして半田付けし、砂ハッチを外側から、排気管を内側から差し込み半田付けします。
 安曇木材のバックミラーステイは、ボンネットに開いている小穴をガイドにφ0.4ドリルでラジエターに穴を掘り、そこに差し込んで止めます。
 安曇木材No.1のバックミラーは、凸鏡の表現をするために他の製品とは逆の向きに半田付けするようにしてあります。軽く半田を盛って、紙ヤスリで凸形に成形して仕上げてみて下さい。安曇木材No.2のミラーは長円形と円形とが用意されていますので、お好みで選んで下さい。
 ボンネットの内側に出っ張ったテスリなどはニッパーでカットしておきましょう。
 中標津と安曇木材No.1にはラジエター保護板が付きますので、ランナーから切り離して凹部分を内側に折り曲げてからラジエターに半田付けします。


 



4.キャブとボンネットとを組み合わせて半田付けします。この部分はホゾ組みになっているので簡単でしょう。写真は左から順にNo.1・No.2・No.3・原形・No.7・安曇木材No.2です。
 原形の屋根裏には大型ヘッドライトが付きます。ライトハンガーとライトケースを組み合わせて半田付けした物を台座に半田付けし、更にそれを屋根裏に半田付けをします。
 写真にはありませんが、中標津も同じ大型ヘッドライトが付きます。これは前妻板にハンガーを半田付けするようになります。


 


第2回
1.さあ、下まわりの組み立てに移ります。No.7と安曇木材No.2、中標津は台枠の形が違いますが、組み立ての考え方は同じです。まず、側枠とエンドビームを直角に留意しながらL字に半田付けし、これを組み合わせて四角にします。中標津だけは側台枠とエンドビームの高さが同じですから迷わないのですが、その他のタイプは下面合わせになりますので、上には段差が出来るはずです。
 No.7と安曇木材No.2の軸箱まわりには補強板を半田付けしますが、ランナーに付いた状態で半田付けをした後にランナーをカットして仕上げると良いでしょう。

 

 



2.台枠を歪みなく四角く組んだら床板を半田付けします。No.7と安曇木材No.2の台枠には前後がありませんが、その他はオーバーハングが長い方が後方です。どのタイプも床板の後方を側台枠の後部に合わせて、側台枠の上面とツライチになるように半田付けをします。
 No.7と安曇木材No.2の床板は前部の折れ曲がった部分が下を向くようにして下さい。No.1・No.2・原形・中標津にはステップを半田付けしますが、幅方向は台枠一杯まで、前後方向は外観図を参考にして下さい。
 No.7と安曇木材No.2は床板を付けたら、床板の前端から先を写真のようにヤスッて下さい。その寸法は台枠上面とエンドビーム上面との真ん中あたりまでです。

 


3.ギヤーフレームは角型スペーサーを挟んで組み立てますが、極力歪まないようにしましょう。前後方向がありますので、裏表を間違えないようにして下さい。
 角型スペーサーを半田付けしたら、念のためにガラス板の上にひっくり返して置いてみて、歪みが無いかを確認しておきましょう。
 ひっくり返した状態でギヤーフレームの上面とツライチに、前方にヤッコ凧型のギヤーフレーム取付板を、後方にコの字型のギヤーフレーム取付板を半田付けします。なおオーバーハングが長い方が後方です。No.7と安曇木材No.2の「ヤッコ凧」は真ん中の出っ張り部が下を向くようにします。
 No.7と安曇木材No.2、中標津の後ろのギヤーフレーム取付板は、ニッパーなどで角を落として台枠のコーナーと干渉しないようにしておきます。
 ここで1.4x1.4mm 4本ビスでギヤーフレームを床板に仮止めして、床板から上に出たビスは平らに仕上げておいて下さい。但し、No.7と安曇木材No.2の前側はその必要がありません。
 ウエイトは前の方を1mm程度削っておき、床板に1.4mmタッピングビスでネジ止めしておきます。

 


第3回
1.半田付け作業が終わったら塗装に掛ります。ここでは標準的な色として解説していきます。つまり、No.1と原形・中標津は上下共に黒一色、No.2とNo.3は上まわりが黄色に黒帯、台枠は黒塗装、No.7は上下共に濃い緑色、安曇木材のNo.1とNo.2は屋根のみを黒、その他をマルーンとしての場合です。
 黒塗装のものの緑一色のNo.7は説明の必要も無いでしょうから省略しますが、No.2とNo.3の上まわりはまず重機イエローを塗ってからマスキングして、細い帯とラジエターを黒く塗ります。
 安曇木材No.1と安曇木材No.2は台枠も含めて一旦黒く塗って、屋根とラジエターをマスキングしてからマルーンに塗ります。台枠も一旦黒く塗る理由は、上まわりと色調を整える為です。



2.黒ボディーのNo.1と原形・中標津以外のものは、ヘッドライトケース・安曇木材を除く総ての排気管に、筆を使ってプラ用塗料の黒を塗ります。安曇木材のタイフォンのラッパ部分は、ドリルの先で軽く揉んで、塗装を剥がしておきましょう。バックミラーはカッターで剥がせば良いでしょう。またバックミラーの前側は「ここに突起物のミラーがあるから注意して」という意味合いで、白く塗っておくとアクセントになるでしょう(^^♪。
 また、No.7と安曇木材No.2のラジエター保護枠はボディー色に塗っておき、ラジエターを黒く塗ってからエポキシ系接着剤で止めます。
 付属している安曇木材以外のレタリングは「アルプスモデル製木曽用インレタ」を使っています。インレタを転写したら、クリヤーラッカーを軽く吹いて艶具合を整えてから、軽くウェザリングをするとグッと落ち着くでしょう。
 この段階でヘッドライトケースの内側には銀色に塗っておき、その後にライトリムとレンズを接着し、原形以外のタイプはプラ板などから切り出した窓ガラスを貼っておきます。




3.集電シューのラグ部分に、半分の長さに切ったリード線を半田付けしておき、ギヤーフレームにアイドラーギヤーを差し込みながら、集電シューを挟んでギヤー軸をEリングで止めます。集電シューは両端部の突起が外側を向くようにセットして下さい。
 その後に動輪を組み込みますが、可動軸箱は前側になるように、またこの軸が上下にスイングする向きに軸箱をセットして下さい。集電シューは若干外向きに曲げてやりますが、あまり曲げ過ぎると動輪との摩擦が大きくなってしまいますので、程良い感じで動輪の裏側を擦るようにしましょう。



4.このギヤーフレームを先程先端部をヤスっておいた1.4x1.4mmビスで床板に止めます。
 モーター軸にはウォームギヤーを少量の瞬間接着剤で止めますが、念のために軸受には一滴の油を差しておきましょう。こうすれば万が一接着剤が付着しても固まることはありません。ウォームと軸受との隙間は空けないようにして、接着後にギヤーの先端部を僅かに削っておいて下さい。
 モーターは1.4x2mmビスで止めますが、一旦後方の動輪を抜いてやりモーターを仮止めして、噛み合わせ具合が良さそうな位置でシッカリと固定します。なお、モーターの向きは+側の表示が前を向くようにして、マシマのシールは剥がしておきましょう。
 配線は写真のように集電シューと平行にラグ部分に半田付けします。

 


5.上まわりと下まわりとは1.4x4mmビスで止めて出来あがりです。こうやって並べてみると、ひと口でホイットコムと云っても、みな個性があって楽しいもの。
 貴方ならばこの千両役者をどんな場面で活躍させてやりますか?






















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