キット組立講座



木曽の砂利運搬車

砂利運搬車は保線作業に欠かせない存在なのは、森林鉄道においても同じです。小さな縁の下の小さな巨人とでも云いましょうか、僅か1立方メーターの積載量ながら、運材列車の合間を縫って現場へ向かう姿は逞しいものがあります。
 そんな砂利運搬車をディスプレイモデルとして割り切ることによって、1/87という極めて小さな模型の世界に再現してみました。そんな魅力を画面上でお楽しみください。

第1回
1.まず、ダンプ部分の開き扉の裏側、コの字型に出っ張った部分をヤスってツライチに仕上げて下さい。


2.次にダンプ本体の開口部をヤスリで平らに仕上げてから、ヒンジの部分の外側のアームをマイナスドライバーなどで少し広げておきます。


3.そこに扉を嵌め込んでアームを元に戻します。この時に扉がピッタリと閉じるように調整します。そのあとに開閉ストッパーをダンプの穴に差し込んで半田付けしますが、この時に扉を開いた状態にするか、それとも閉じた状態にするかを決め、ストッパーの向きを考えて半田付けします。閉じた状態にする場合は、砂利を盛ってボンドで止めたときに液漏れのしないように、扉を半田で固定してしまう方が良いでしょう。
 


4.ダンプ座をダンプ本体に瞬間接着剤で止めますが、この時に傾けるかどうかも決めます。


5.フレームにブレーキハンドルユニットとテコを半田付けします。


6.車輪の穴はφ0.8ドリルでさらっておき、先を尖らせた車軸を差し込んで半田付けしますが、フレームと組み合わせてみて。ピッタリと嵌るような位置にしておき、余った車軸はニッパーでカットしてヤスリで仕上げておきます。車輪の側面は緑色ですので、あらかじめ黒染めなどして仕上げておき、塗装後に踏面とフランジ、車軸部分の塗装を剥がすと良いでしょう。
 


第2回
1.まずダンプ部分をMWC-12 重機用イエローで塗ってから帯状にマスキングし、車輪も含む全体をMWC-14 井笠用グリーン(上松の場合)もしくはMWC-01 王滝営林署DL用グリーン(王滝の場合)に塗ります。写真で扉が閉じた方が上松、開いた方が王滝ですが、微妙な色の違いが判るでしょうか?


2.車輪は前にも書いたように緑色に塗ってから、踏面とフランジ、車軸部分の塗装をシンナーで剥がして、フレームのコの字型の部分にギュッと填め込みます。別売の「アルプスモデル製木曽インレタAとB」を使って車体標記を転写してから、若干のMWC-10 フラットベースを混ぜて艶具合を整えたMWC-09 クリヤーをオーバーコートし、最後に好みの具合にウェザリングをして、最後にダンプ座を台枠の穴に差し込んで出来あがりです。


3.砂利運搬車ですから是非とも砂利を載せたいもの。作例ではKATO製のNゲージ用バラストを使いましたが、大きさ等も丁度良いのではないでしょうか?


4.さてこれで出来あがりました。写真のように小さなジオラマでも作って飾ってやって下さい。きっとこの車両も活き活きとしてくるでしょうから(^^♪。
  




番外編

どうせだったら、この砂利運搬車が似合うようなジオラマでも作ってみましょう。

1.用意したパネルは16x11cmの小さなもの。これに2mm厚のコルクシートを敷いて道床とし、その上にフレキシブルレールを接着します。
 


2.今回は片側を崖にしてみましたので、ウッドランドシーニック社から発売の型取り用シリコンに石膏を流し込んで崖を作りました。
 


3.このフレキにはタミヤのフラットアースを塗っておき、崖をパネルに木工ボンドで接着してからバラストを撒いていき、地面には石膏を流しておきます。
 


4.石膏が完全に乾いたら、全体にフラットアースを塗っていき、岩肌の部分には薄く溶いた黒を重ねて塗ります。


5.岩肌の部分にはターフを、手前の部分にはターフを撒いた上にジオラマモスを細かく砕いたものを木工ボンドで止めていき、モスは暗緑色に塗っておきます。
 岩肌の接ぎ目は浸み出した水の流れを表現したもので隠しました。水は水槽用のフィルターにレジンETを染み込ませたものを貼り付けていきました。「この水は何処に流れていくの?」なんて無粋な事は聞かないように(^^ゞ。下の部分は車両で隠れちゃいますから(^O^)。


6.木はトミーテックから発売されているジオコレシリーズの「杉」で、このままではいかにもNゲージの大きさですから、接木をして背を高くします。ちょうど枝打ちをしたような感じにもなるので、一挙両得です。接木の材料はバルサですが、5mm厚のバルサ板から切り出して丸くしました。
 エコーモデルの作業員も二人配置して、砂利運搬車専用のジオラマの完成です!乾燥時間を除いて、ほぼ土日で出来てしまうような簡単な作業ですから、貴方もチャレンジしてみませんか?












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