キット組立講座

スーパーワーゲンシリーズ
木曽のB型客車V


2001年に発売した「木曽のB型客車」では単に王滝型と助六型だけだったものが、2003年には「木曽のB型客車U」となり5種類に細分化して発売。そして今回は素材をより実感的な「木」にこだわった「V」を発売するに至りました。しかも今回は同形の「遠山型」もバリエーションに加えての登場です。
 「遠山型」というのは木曽のB客と瓜二つの同形ながら、No.3を除いては板バネ式の台車を履いているのが特徴で、カラーリングも木曽の赤に対して、ライトブルーにオレンジという趣のある装いが目を引きます。
 また、今回のバージョンでは、レタリングにもこだわってみました。「助六」「白川」「田島」「氷ケ瀬」「本谷」「五味沢」といった所属名を表すレタリングを添えましたので、今まで通りに細かい表記で定評のある「アルプスモデル製レタリング」と組み合わせて頂くことにより、より実感的なB客の魅力を楽しんで頂くことが出来るのではないでしょうか?
 そんなところをこの組立講座から感じ取って頂ければ幸いです。



第1回
1.まず側板のパーツをランナーから切り離します。王滝型と遠山型No.3にある窓下のコの字型の飾りは細いので、切り離しには充分注意しましょう。パーツの接着にあたっては木工ボンドもしくは木工用瞬間接着剤を使います。窓上の幕板と窓下の飾り板を接着してから、車体裾の垂木を裏側から接着します。次にボルトナットを木工用瞬間接着剤で接着しますが、ふたつ並んだ部分は小さい方のボルトナットを使います。接着したら裏側はツライチに仕上げておきましょう。
 右は助六型と遠山型No.4〜6です。これは幕板を接着してから窓下の補強板を接着しますが、この補強板はランナーに付いたままの状態で裏側に木工ボンドを塗り側板に接着。そののちにランナーを切り離します。この段階で例えば1枚だけを老朽化したので新調したように表現したいならば、あえてその1枚は貼らずにおいて、塗装後に貼るとその雰囲気は再現できるでしょう。そんなことが出来るのもこのVならではの魅力です。
 なお、助六型のNo.4・7・8と王滝型のNo.15・16だけは、車体側板隅に小さな四角い板を貼っておきます。その位置は添付の外観図を御覧になって下さい。
 


2.続いて妻板ですが、基本的には側板とやり方は同じです。テスリやボルトナットは接着したら裏側をツライチに仕上げておきましょう。
 椅子の組み立てです。シート面の裏側に凹部分がありますので、そこに支え具を接着します。奥行きには2種類あるのに気がつかれるでしょうが、奥行きが浅いものは垂木のノリシロと接する部分です。
 


3.側板と妻板とを組み合わせますが、その組み合わせ方は「妻板の板厚が見える方向」で組み付けます。Lの字に組んだあと歪みが無いように注意しながら箱状にします。
 上床板にはナットを接着しますが、木工用瞬間接着剤を周りにも塗って、山型に補強しておきます。そのあと、必ず1.4mmのタップを使ってネジ穴をさらっておきましょう。そうしないと、ネジ穴に接着剤が浸透してあとでネジ止めをする際にきつくなり、それゆえにこのナットが外れてしまいがちですから。
 


4.車体に床板を上から落としこんで、裏側から接着材を流し込んで止めます。そのあと椅子を接着してボディーの出来上がりです。
 


5.屋根板の側面には裾合わせで雨樋を半田付けします。そのあと妻板を屋根端の内側に半田付けしてツライチに仕上げます。


6.下床板に台車ボルスターを半田付けしてから、床板の長さに合わせてヤスッておきます。
 台車の半田付けは軸受け部分のみです。軸バネのあるタイプは四角い軸受けを、無いタイプは丸い軸受けを一番奥までスライドさせるように座に差し込んで半田付けします。台車センター部分と組み合わせたときにドローバー側になる向きのエアーホースは、コックの先でカットしておきます。
 


第2回
1.さあ次は塗装です。王滝型・助六型は「MWC-06 木曽の客車用レッド」を、遠山型は「MWC-07 沼尻新塗装用ブルー」を使います。塗料は吹き付けをする際と同じくらいにラッカーシンナーで薄めて、筆で塗っていきます。当然何度も塗り重ねることになりますが、あえて均一にならないように塗る感じが良いでしょう。遠山型で2色塗りにする場合はマスキングしておき、2色目に「キハ40系など用のオレンジ」を塗ります。


2.車内は「MWC-03 上運営林署DL用クリーム」に塗り、遠山型以外のテスリは黄色く塗っておきます。充分に乾いたことを確認して、黒のプラカラーを極く薄く溶いたものを筆で塗り、完全に乾かないうちに専用シンナーを含ませた布などで擦っていきます。そうすることによって、凹部分にだけこの黒が残ってメリハリの効いた仕上げになります。作例では写真効果を出すために少し大袈裟に仕上げてありますが、ここいら辺の仕上げはお好みによって変えてみると良いでしょう。



3.お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、王滝型No.11だけは垂木中央に付く2カ所のボルトナットが埋め込まれた形になっています。こんなところもこだわりの箇所だったりします(^^♪。
 所属名のディカールは水に浮かべて台紙から剥がれたら、ピンセットでそっと摘まんで所定部分に貼ります。そののちにディカール用幕柔軟剤でボディーに馴染ませておきます。但し、王滝型No.16の「白川」だけは車体に貼った四角い板をあらかじめ黄色く塗っておきましょう。
 なお、このディカールセットは\500でのちほど別売も致しますので、御希望の方はお申し付け下さい。
 



4.別売の「アルプスモデル製インレタA・C」も使ってレタリングを済ませた状態です。上段左から順に王滝型No.11・No.12・No.15、中段は王滝型No.16・助六型No.6、下段は遠山型No.3・No.4・No.5です。




5.屋根板は全体を「MWC-02 王滝営林署DL用ブラック」で塗ってから妻板と雨樋を残してマスキング。さらに「MWC-06 木曽の客車用レッド」を塗ります。
 床板もやはり黒く塗ってから、400番ぐらいのサンドペーパーの上でボルスターの台車に接する部分をツライチに仕上げてから、車体に1.4x3mmビスで止めます。
 


6.台車・デッキ板・ドローバーは遠山型だけは黒く、それ以外は「MWC-08 沼尻旧塗装用グリーン」で塗ります。板バネ式以外の場合は、ブレーキシューを接着する前にセンターピンを組み込んでおきましょう。
 ドローバーはピンで止めておき、全体をウェザリングをすると良いでしょう。作例では写真効果を考えて少し大袈裟に「タミヤのウェザリングマスターの赤サビ」で処理してあります。
 窓ガラスは妻面・側板の順に貼っていきますが、扉用と戸袋用とを間違えないように注意しましょう。
 連結には別売の「朝顔カプラー用ピンとリンク」をお使い下さい。実感的な連結がお楽しみ頂けるでしょう。
 


7.さあ、出来上がりました!B型客車は大型もありますが、やはりスタンダードなのはこの長さ。5tDLなどと繋げてもバランスが良いですし、このB客だけで「夏季の多客時の臨時列車」に仕立て上げてC4キャブフォワードに牽かせるのもまた変った魅力があるもの。このあとどう使いこなすかは貴方のアイデア次第です!








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