キット組立講座


ナロー用デッキガーダー

車輌に吊りあったハイディテールなストラクチャーを、というコンセプトで企画されたのが本製品です。15m級と10m級との2種類ですが、作り方はほぼ同じですので、10m級を中心に説明していきます。


第1回
1.まず最初に側板の内板と外板とを半田付けします。


2.次に側板の切り欠きがある方にリベット板を半田付けします。


3.側板の外側にエッチングで表現されている部分に補強板を半田付けします。半田付けされたときに、アングルになるように見えるように。付ける向きは両端から順にエッチングの内側になるようにして、中央部はどちらでもOKです。


4.側板上部の切り欠き部分にアングル取付板を半田付けします。切り欠き部にグッと差し込み、落ち着いて作業が出来るでしょう。アングル取付板にはアルファベットの文字が表記されていますので、外観図の表記を見ながらセットしていきます。A〜Fは15m用、G〜Jは10m用です。但し、A〜DとG〜Hは左右がありますので、間違えないようにして下さい。次にロスト製のクロスアングルを側板内側に半田付けします。取付ボスは短くヤスッて、本体が側板にフィットするようにしておきましょう。この部品を付けるときにも向きに注意が必要です。一箇所だけ四角く出っ張っていて、そこにボルトが表現されている部分があることに注目して下さい。この部分がアングル取付板と反対の位置にくるようにセットして下さい。


5.左右の側板を組み合わせたところです。上の説明でクロスアングルの向きについて書きましたが、この写真で御理解頂けるでしょうか?側板の両端下部に基礎取付板を半田付けします。


6.アングル取付板の裏側にアングルを半田付けしていきます。15mの場合は3種類の長さがありますが、10mの場合は1種類です。15mの場合は短い方から順に両端から半田付けしていきます。これで出来上がりです。真鍮製ならではの質感と重量感が味わって頂けるのではないでしょうか。




7.勢いに乗って塗装までいってしまいましょう。見本は木曽ファンの皆さんでしたらお馴染みの「長野電鉄ファーストレッド」で塗ってみましたが、緑色などに塗っても良いでしょう。赤く塗ってから、エナメル塗料のフラットブラックをシンナーで極く薄く溶いて、筆でサッサッと塗りたくっていきます。本当に雑で構いません。そうすると毛細管現象でコーナーの部分に塗料が溜まりますが、これでOK。乾いたら「タミヤウェザリングマスター」のアカサビを使ってパフでまぶしていきます。これも結構雑でOKです。そうして出来上がったのがこの写真の状態。結構感じが出てるでしょ?これで橋そのものは出来上がりました。


第2回
1.枕木の製作です。作例では1.5mm厚バルサ材を2mm幅に切り出したものを24mmの長さにカットしました。これをプラカラーを極くシャバシャバに溶いたものの中に浸して染めます。浸しては乾かしを何度か繰り返しているうちに、ほど良い感じに仕上がったらOKです。この枕木にキットに入っている穴あけ治具を使って0.5mmの穴を2ヶ所明けます。この穴に首下3mmにカットした「ボルトワッシャ」を差し込みます。この枕木を15m級は29本、10m級は19本作ります。
 


2.出来上がった枕木をデッキガーダーに接着します。まず最初に中央に1本着けて、そこから順に6mmピッチで並べていきます。作例ではゼリー状瞬間接着剤を使いました。枕木の下に飛び出たボルトは内側にL字に曲げておきます。最後にこのボルトワッシャを黒く筆で塗りますが、あらかじめ黒く染めておいた方がスッキリ仕上がるかも知れません。


第3回
1.さて、折角橋を作ったのですから、勢いに乗ってジオラマも作ってみましょう。まずは橋脚の作例をご紹介しましょう。材質はバルサブロックです。バルサは削ったりしやすいので、こういった工作にはもってこいです。近所のホームセンターに30mm角というのがあったので、これを2本接着して、30x60mmにしたところから30x40mmの小判型に削り出しました。上の方に行くに従って細くなるように、若干テーパーをつけてあります。15mと10mのデッキガーダーを繋ぐ部分の橋脚は、階段状になっていますので、片方を4mm掘り下げておきます。両端の橋脚は角型にするので、単純な30x40mmです。


2.作例では市販のモジュールパネルを天地逆さにして使い、一部を切り欠いています。おおよそのプランを書き込んだら、橋脚を木工ボンドで接着します。


3.スタイロフォームで大まかに山となるような形に作り、崖の部分には石膏で作ったものを接着します。石積みは「大理石調紙粘土」を練って貼り付け、L字型の型押材で模様を表現します。更にKATO製プラスタークロスで山の部分を覆い、足りない部分は石膏で覆っておきます。橋脚にも石膏を刷毛で塗ってコンクリの質感を出します。川には小石を木工ボンドで接着して、来るべき水を流し込む時のためにガムテープで目止めをしておきます。
 


4.「水」の素材はエポキシ樹脂を使い、緑と青のインクを少量垂らして着色しました。このジオラマで約600gの樹脂を流し込みました。流し込んだら熱帯魚用水槽のフィルターを細かく千切ったものを浸して、ザワザワと波立つ水面を表現してみました。完全に硬くなるまでは3日ほど掛かりますが、触っても大丈夫なくらいの乾燥までは夏場で約12時間です。ここまでくるとやっぱり橋を置いてみたくなるのが人情です。


5.地上の枕木は同じ1.5mm厚バルサ材を2mm幅に切り出したものですが、長さは20mmにしてみました。これをゼリー状瞬間接着剤で地面に貼っていきます。そしてバラストを撒いて、木工ボンドを薄めたもので固着し、橋もエポキシ系で接着します。
 


6.レールは「レールクラフト」の引き抜き材です。どうせ動かさないジオラマですから、割り切って実感本位に細いレールを使ってみるのも良いのではないでしょうか?本当でしたらスパイクもすると良いのは判っているのですが、作例は時間との戦いなのでゼリー状瞬間接着剤で止めていきました。最後の仕上げにお馴染みエコーモデルの小物やウッドランドの樹木を植えて出来上がりです。ちょうど梅雨の晴れ間が覗いてくれたので、外に出して撮影をしてみました。