キット組立講座

田島のガソリン計量車
ガソリン計量器というのは、ちょっと前までのガソリンスタンドなどでも見かけたものですが、「計量車」というのは珍しいのではないでしょうか?そんな「ガソリン計量車」が木曽森林鉄道にはありました。無骨なまでに四角く大きいタンク。その上に乗る細身のポンプ。このアンバランスさが最大のチャームポイントです。
 製品ではこの姿を最大限に再現するべく努め、特にポンプ部分のディテールには拘ってみました。

写真をクリックして大きいサイズで御覧ください。

第1回
1.まずポンプの基盤部分の小穴に給油ホースの基の部分を差し込んで半田付けします。適当にホースを曲げて給油口をポンプの上の円盤部分に下から差し込んで半田付け、飛び出した先の部分はツライチに仕上げておきます。

2.タンク部分に取り付け座の突起を差し込んで半田付けします。この突起は短めにしておき、根元までちゃんと入るように留意して下さい。この半田付けは、通常の小さな容量のコテでは無理ですから、このような方法を採ります。取り付け座の突起部分をタンクの穴に差し込んで、接合面に半田を乗せてフラックスを塗ったら、ガスコンロの火にかざして半田付けをします。暫くすると、半田が溶けてブチブチ言い始めますので、そのときに部品を落とさないようにしましょう。タンクが充分加熱されると赤黒く色が変わり、半田が部品に廻りますので、そうしたら万力などの上に素早く置いて水平になるように固定して冷えるのを待ちます。ポンプ部分はあとで接着します。

第2回
1.側台枠の穴に軸受を差し込み半田付けします。運材台車でも同様ですが、この軸受があるために、ロスト部品で車軸を受けるのとは格段の違いで転がりが良くなっています。

2.主台枠とエンドビームを組み合わせて半田付けします。エンドビームに小さな穴がある方が写真の上側になるように留意しましょう。

3.片方のエンドビームにブレーキテコを半田付けし、さらにブレーキシャフトをブレーキテコの穴に差し込みながら、ブレーキポストを半田付けします。

4.2本の1.4x2mmビスで止めて出来上がった台枠です。仮に車輪を組み込んで、転がりや歪みをチェックしておきましょう。

第3回
1.塗装に掛かります。タンクも下まわりも全体に銀色に塗ります。ポンプ部分は黒く塗りますが、ホース給油口だけはプラカラーで銀色に塗ります。台車の部分は一旦ビスをバラして全体に銀色に塗り、再度組み立てます。最後にブレーキシューを接着します。

2.ポンプの足をタンクの穴に差し込んで裏側からエポキシ系接着剤で止めます。ポンプが垂直になるように、接着剤が固まるまで注意してください。タンクの排油口がポンプのハンドルとは逆の方向になるようにします。アクリルのパイプの穴には銀を塗っておき、黒く塗った蓋ともども接着します。

3.タンクと下まわりとは2mmビスで止めます。赤く塗っておいたプレートに「火気厳禁」のインレタを転写して、これをブレーキポストに接着して出来上がりです。でもお好みによっては、写真のように近くの機関庫にでも貼るのも、ひとつの方法ですね。実物の晩年は田島の機関庫前に据え付けられて使用されていましたが、模型の世界では自由。早速お気に入りの機関車に牽かせて、活躍させてあげて下さい。