キット組立講座

歌登のマイクロレールバスU

定員僅か7名という、マイクロレールバスというよりも、むしろワンボックスカー並の小ささが魅力の車輌。それを極力美しいプレス絞りで表現し、小さいながらも補重も充分で、全輪集電により安定した走行性能も楽しめるのも、この製品の魅力です。
「再生産をして欲しい製品アンケート」でダントツのトップだったのが、この「歌登のマイクロレールバス」でした。確かに以前の製品は、たまにオークションにも顔を出しますが、目玉が飛び出るほどの高値で落札されているのを見るにつけ、これではイカン!と痛感していたものでした。そんな「マイクロ」が、モーターをマシマ製にヴァージョンアップし、更に動輪を3点支持方式に換装しての再登場です。
 簡易軌道ファンのみならず、総ての軽便ファンに方々に広くお勧めしたい、そんな超可愛らしい気動車です。

第1回
1.さて、組み立てを開始しましょう。まず、側板中央にドアーを下面合わせで半田付けします。片側の正面にはテールライトケースを内側から差し込み半田付けします。
 

2.正面断面のプレスによるメクレを平ヤスリで綺麗に修正してから、側板と合わせて半田付けしますが、上面合わせで位置決めをします。継ぎ目の裏側にはエッチングヌキパーツの補強板を貼りますが、これは無くても良いでしょう。次に車体アングルを半田付けします。このアングルは、通常の他社キットと違い、アングルの向きが上下逆なので、裾からの寸法出しが遥かに楽になっています(当社の殆どの製品は同様の構造になっています)。これで上まわりの半田付けは完了です。
 

3.フレームをスペーサーと組み合わせて半田付けします。挽物のスペーサーとプレスのスペーサーとでホゾ組みになりますので、作業は楽です。フレームの上部は凸形になっていますので、それを床板の角穴に差しこみ半田付けします。垂直度に注意するだけで良いので、鼻歌まじりに楽しめるでしょう。但し、フレームと床板との組み合わせ方向には注意してイラストをよく見て下さい。配線コードも集電シューに半田付けしておきます。
 

4.軸受を床板に半田付けしますが、これも垂直になるよう留意しましょう。これで総ての半田付けはオシマイです。

5.モーター軸の先端部に瞬間接着剤を少し付けて、ウォームギヤーを押し込んで固定します。写真のように一番奥までいく手前で固定します。配線コードは半田付けするベロを折っておいた集電シューに半田付けしておきます。これで総ての半田付けはオシマイです。ウエイトは1.4x4mmタッピングビスで床板に固定しますが、ネジ穴には瞬間接着剤を垂らしておくと良いでしょう。
 

第2回
1.半田付けも終わったので塗装に入ります。床板から下とカプラーは黒く塗り、車体はクリーム色(スカ線クリーム)を塗ってからマスキングし、朱色(キハ58系用朱色)を塗ります。

2.車体にディカールを貼ります。ディカールは模様になるべく近い形にカッターで切り抜いておきます。これを小皿に水を入れたものに浸します。水面にフィルムが浮いたら、ピンセットでそっと摘んで車体に乗せます。爪楊枝などで位置を整え、良いようでしたらソルバセット(膜軟化液)を面相筆に含ませて、フィルムに塗ります。毛細管現象で車体とフィルムの間に浸透していき、ピッタリと密着します(もう動かせません)。Hゴム部分にはカラス口などでライトグレーを差して、クリヤーラッカーを全体にオーバーコートしておきます。

3.フレームにアイドラーギヤーを組み込み、モーターを仮止めします。モーターのラグ部分の+側が写真手前になるようにします。動輪も入れてみて噛み合わせを調整し、良いようでしたらモーターをしっかり止めます。1軸の動輪は軸箱がスイングする構造になっています。この軸箱は長穴になっていますので、セットする際に動輪が上下動するような方向でフレームに組み込んで下さい。ギヤーにはエンドウ製セラミックグリースなどを塗っておくと良いでしょう。

4.ヘッドライトやレンズ、別に黒く塗っておいたカプラーをエポキシ系接着剤で止めて、窓ガラスや保護棒をゴム系接着剤で貼ります。モーターの配線もして出来上がりです。







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